1話-完璧な子-
父
由佳、お前は俺の仕事を継げ
由佳
……。
父
いい高校に行って、大学に行け
由佳
……
母
そうよ由佳、お父さんの言う通り
母
この会社を継げば、人を助けられるの
父と母は完璧じゃなかった。
だから、 娘の私を完璧な子にしようとしている
自分達の事だけで、私の意見は全否定
私はこの家族、暮らし方が嫌いだ。
先生
テスト返すぞー、
先生
1番、
先生
2番、
先生
9番、
由佳
はぃ、…
先生
今回もよく頑張ったな、
由佳
……ぁりがとうございます。
結果は94点。
穂波
由佳!どーだった?
由佳
…94、……
穂波
うぁー、やっぱすごいなー
穂波
にしても相変わらず、嬉しくなさそーだネ
穂波
ちょっとくらい喜びなよー
由佳
……ぅ、ん…
母
…由佳、テスト出しなさい
由佳
……はぃ、
パチンッ!
由佳
…っ、……。
母
…なんで満点じゃないのかしら、
由佳
……ご、め…なさい……、
母
学校じゃ、すごいって騒がれてるようだけど…
母
この程度で騒がれて、私は恥ずかしいわ…
母
こんな点数で、喜ぶとでも思ったの?
由佳
……ぃや、…その…
母
…言い訳はしなくていいから、…早く勉強してらっしゃい
母
勉強が終わったら、夕食ですからね
由佳
……ぅ、ん…。
…母が嫌いだ。
父も、嫌い。
もう全てが嫌になる。
だから、18の誕生日に家を出た。
宛もなく、ただ歩いた。
すると、1人の男に話しかけられる。
お嬢ちゃん、うちで仕事しないかい。
由佳
……ぇ、…?
怪しいとは思った、
でも、親を見返すため…
そう考え、男について行った。
由佳
……、
お前は今日から殺し屋だ。
…とりあえず、お前はこれを使え
返事も待たず、男はスナイパーを取り出す。
由佳
……ぇ、…
簡単さ。とにかくターゲットを殺せばいい、
警察に見つかりさえしなきゃ何をしても構わん
由佳
…わかりました、…
私は少し考え、承諾した。
その後、スナイパーの扱い方を少し習い
早速仕事に行くことに。
ビルの上の階へ行き、外を見る。
…ターゲットは、5分後あのビル内で取引をするはずだ。
由佳
…はぁ、……
そいつをこっから撃ち抜けばお前の仕事は終わりだ
思ったより完璧な仕事だった。
私は、スナイパーを言われた通りに構え、 時間になるのを待つ。
……あいつだ、上から5番目の階の左側の男
由佳
……はい、…
…よーく狙え、…
私はスコープを除き、 男の頭めがけ弾を打ち込んだ。
その男はパタリと倒れる。
…よし、成功だ。
なかなか筋がいいじゃないか!
由佳
……ぁりがとう…ございます…
…?どうした、
由佳
……あの子、暴力…受けてます…
…どいつだ…、
由佳
……もうひとつ下の階の、あの子です…
私は、上司のような人に暴力を振るわれていた同じくらいの男の子を指さした。
なんか、ミスったんじゃねーのか?
由佳
……、
私は無意識のうちに、 その上司を殺していた。
は、?おい、アホか!
そいつはターゲットじゃねぇよ!!
由佳
知ってます!
由佳
私、あの男の子を相棒にしたいです!
は、ぁ…?