テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
収録が始まってから 60分ほど経った
長くてもあと30分程度で 終わるだろう
大森
大森はそっと息を吐く
足つぼマッサージのせいで なんとか眠らせていた感覚が 起き上がってしまった
大森
どうしても吐く息が多くなる 今はとにかく快感の波を 立てないようにするしかない
俳優(新須川)
俳優(新須川)
新須川が小さい声で囁く 藤澤がちらりとこちらを伺う
大森は笑顔を作る めんどくさい奴に気づかれた
大森
大森
俳優(新須川)
大森は答えるが やはり様子がおかしい
汗もかいているし さっきから ずっと手が震えている
俳優(新須川)
大森
俳優(新須川)
新須川は大森の様子を 横目で観察する
目は潤んでいて、唇や頬も赤い たまに、まつ毛が揺れて 苦しそうに息を吐く
俳優(新須川)
心配というわけではないが 何となく気になるので見ていると 突然、大森の身体が強ばる
大森
少し身体が震える そして、何かを抑えるように 下唇をぐっと噛んだ
俳優(新須川)
新須川はその様子を観察する
興味もない出演者たちの 馴れ合いより 10倍は面白い
それからも大森は 手をぎゅっと握ったり 口を手の甲で押さえたり
不自然な行動が少しづつ 増えていく
俳優(新須川)
新須川は 大森が何を耐えているのか 気になってきた
俳優(新須川)
俳優(新須川)
小さい声で囁きながら 試しに背中をさすってみる
大森
大森の肩が跳ねる 少しだけ妖艶な雰囲気が漂う
大森
大森が強めに 新須川の手首を掴む
俳優(新須川)
大森
大森が新須川の手を 背中から剥がすと 同時にぐっと睨まれる
俳優(新須川)
具合が悪いことも 言い出せずに震えているので 気が弱い方だと思っていた
俳優(新須川)
だが、どちらにしろ 自分からは 申告できない様だ
俳優(新須川)
新須川はこの面白い状況を どのように楽しむか考えた
一方、大森は極力 反応を表に出さないようにした 新須川に弱みを握られたくない
今にも溢れそうな 快感をどうにかコントロールする
大森
大森は汗ばんだ手のひらを ぎゅっと握る
大森
大森
どうにか抑えてきたが 少しでも意識すると 快感が暴走しそうになる
大森
強めの波がやってくる 大森は息を止める
ぐっとお腹に力が入る ぞわぞわと快感が沸き立つ 自分の太ももをつねった
大森
気を抜くとすぐに 身体が開放される事を 望んでしまう
問題なのは それに引き寄せられるように 心も解放を求め始めている事だ
大森
大森
俳優(新須川)
大森は舌打ちしそうになった
大森
大森は答えもせず反応もしない
俳優(新須川)
大森
大森
大森はぶっきらぼうに答える
俳優(新須川)
大森
大森
俳優(新須川)
大森
口調が荒く 刺々しくなってしまう
俳優(新須川)
俳優(新須川)
大森
俳優(新須川)
新須川が 大森の腰に手を回す
大森
大森はとっさに新須川の手を払う
俳優(新須川)
新須川は諦めが悪いのか 再び、腰に手を回す
さすがに2度目は振り払えない
大森
大森の息が荒れる 最悪な状況だ どうにかしないといけない
新須川の手が 大森の脇腹をするっと撫でる
大森
押さえ込んでいる快感が それだけで、簡単に溢れ出す 大森の口から甘い声がでる
藤澤
藤澤が大森をちらりと見る 藤澤にアイコンタクトで 助けを求める
藤澤は微かに笑って 目線を外した
大森
小声で呼んでも 聞こえない振りをされる
俳優(新須川)
新須川がぐっと脇腹を強く掴む お腹の奥から 突発的な快感が湧く
大森
そこそこ大きな声が出て 大森は焦って辺りを伺う 新須川が小さく笑った
大森
大森はささやかな抵抗をする
俳優(新須川)
大森
新須川がするりと腰周りをさする それが大きな波になって 大森を襲う
大森
とうとう耐えられず 下を向く 吐く息が震える
藤澤
藤澤が小声で呟く
藤澤
藤澤
大森はスタジオの雰囲気を見る 確かに司会者が全体の締めに 入り始めている
大森
大森は何とか 希望を見出して 最後の力を削り出す
大森
心の中で呪文のように唱える
司会者(村岡)
司会者(村岡)
司会者(村岡)
大森
大森は顔を上げる 話を振られた
しかし、口を開けば 喘ぎが出てしまそうで 話せない
大森
限界の大森を察した 藤澤が変わりに答える
藤澤
藤澤
藤澤
司会者(村岡)
大森
やはり、このまま喋らずに 終了とは 行かないようだ
大森
大森
大森
大森
大森
大森はどうにか 言葉を紡ぐ
笑顔を作っているつもりだが 上手くできてるか分からない
司会者(村岡)
若井も話を振られているが もう、聞く余裕がない 自分の呼吸だけが頭に響く
大森
大森の頭の中が 酸欠でぐるぐると回る
大森
番組スタッフ
番組スタッフ
番組スタッフ
番組スタッフの声が 遠くで聞こえる
大森
頭が働かない 大森はただ足元を見つめる
藤澤
藤澤
藤澤が顔を覗き込む やっと実感が出てくる
大森
大森
若井
大森が虚ろな目で 彼方を見つめる 心配になるほど呼吸が早い
大森
大森
大森は立ち上がろうとする
しかし、足に力が入らない 椅子から落ちるように 地面に倒れる
若井
若井
大森
大森は座ることすら 難しいのか 地面に項垂れてしまう
司会者(村岡)
司会者が駆けつける
他の出演者も心配そうに 大森の様子を伺う
大森
大森がうわ言のように 藤澤を呼ぶ
藤澤
藤澤
藤澤
藤澤が近寄ると 大森は藤澤の上着を掴んで 強く引き寄せる
藤澤
ぐっと胸に顔を押し当てると 肩をびくっと跳ねさせる
大森
くぐもった喘ぎ声が 微かに漏れる
藤澤
藤澤がすっと周りを見渡す よく通る声で毅然と話す
藤澤
藤澤
大森は藤澤に寄りかかる事で やっと座っていられるほど 脱力してしまっている
自力では歩けないだろう
藤澤
藤澤はぐっと 大森を抱えて持ち上げる
藤澤
いわゆる、お姫様抱っこをする 大森の腕が力なく だらりと落ちる
大森
大森
藤澤
藤澤
大森
大森が呟く 瞳から涙が零れる
藤澤
藤澤は大森を抱えて 廊下を歩く
若井
若井が走って 藤澤の元に追いつく
若井
藤澤
藤澤
藤澤は楽屋に急いだ
コメント
10件
いいねの手が止まらない
最高オブ最高です!藤澤さんが一生パワー弱めてあげないとこがまたまたいいです!
終わりましたね…無事と言っていいのかは分からないけど、とにかく安心!続き楽しみにしてます♪