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里志
と言って、膝に両手をつき深々と頭を下げる里志。
里志
塚本は
塚本
里志
やっと里志が頭を上げた。
塚本
里志
塚本
里志
塚本
里志
塚本
里志
塚本
里志
塚本
里志
引っ越しは早速次の休みである日曜日に、と決まった。 里志は前向きな気持ちが増した。 早々に愛夜子にこの前進を報告した。
里志
愛夜子
里志
愛夜子
里志
愛夜子
里志
愛夜子
里志
愛夜子
里志は、胸を打たれた。 なんの賞賛も求めずに、ただただ心の底から望子とおなかの子どもを心配している愛夜子。 この女性を死んでも離さないと誓うのだった。
里志
笑っても、切ない笑いだ。
愛夜子
電話を切った後、愛夜子は大好きな色とりどりの折り紙を取り出した。 『籠』を一生懸命折ってゆく。金色。水色。ピンク。赤。白い籠。
愛夜子
とひとり言。
金色の籠が一番好きだ。華やかで、強い色。悪いものを跳ね返しそうに頼もしい輝き。まばゆい色。
***
翌日の朝10時。
望子は待ち合わせの喫茶店に現れた。 望子の自宅近くにある、昔ながらの落ち着いた喫茶店の奥まった席に里志が座って待っていた。
里志
望子
望子はツンとした口調で答えた。 里志はコーヒーを、望子は紅茶を頼んだ。
望子
と望子。
里志
下げた頭を上げない里志。
望子
イライラした様子の望子。
里志
望子
里志
望子
里志
望子
里志
言葉を失う望子。
望子
その言葉に、里志はムカッと来た。 愛夜子の真心を踏みにじられたと感じたからだ。 しかし、身重な望子を興奮させては気の毒だし、おなかの子に障る。辛抱した。
里志
望子
里志
望子
里志
望子
里志
真っ直ぐ望子の目を見て里志は言った。
望子
と言い、テーブルの上の紅茶に口もつけずに望子は去って行った。
里志は頭を掻きむしった。
***
――――引っ越しの日がやって来た。
里志は仕事をしながらの荷造りが大変だった。それでも愛夜子のために、未来のためにと努めた。
生まれて来る子どものことを思うと胸を締めつけられる。しかし自分が決めた道で、自分の愛し方で精一杯子に子どもに尽くすつもりだ。
2LDKの愛夜子の部屋。充分な広さだ。 確かに里志の荷物で今より手狭にはなるが、愛夜子とその分くっついていられるじゃないか。そばにいてやれるじゃないか、淋しがり屋の愛夜子の。
トラックの持ち主であるケンジ・塚本・里志、3人で運べばあっという間に運び入れは済んだ。洗濯機や冷蔵庫はもちろん愛夜子が持っているので、里志の家電はいくつかリサイクルした。
塚本
ケンジ
塚本とケンジが挨拶をすると、少しだけ上目遣いで愛夜子は内気な本性を見せた。
愛夜子
愛夜子は、塚本とケンジをもてなすと里志に言って来ていた。 でも、里志は人見知りの愛夜子にとってそれがどれだけ大変なことかわかるから「オレがおごるから焼き肉にでも行こう!」と言った。
愛夜子はザンネン顔半分だったが、半分はホッとした様子だった。
荷解きは慌てることはない。差し当たってはすぐにいる衣類などを出せば良い。 4人は里志がよく行く焼き肉店へ出掛けた。
***
ケンジ
とケンジが話している途中でポカン! と軽く頭を小突く塚本。
塚本
ケンジは塚本の古くからの知り合いの息子でまだ20代だ。建設会社に勤務しているガッツのある男だ。
ケンジ
エヘヘという感じでシュンとするケンジ。
里志
お辞儀する里志。
ケンジ
里志
愛夜子はお肉を無言で食べている。内気だがくいしんぼうなのでしっかり食べている。
塚本
もぐもぐもぐ、ゴックン……
愛夜子
それを聞くとみんなが一同に笑い和んだ。
知らない人、少し緊張するわ
愛夜子は珍しく、ビールを飲んだ。
ケンジに送ってもらう塚本も飲んでいる。ケンジと里志はノンアルを飲んでいる。
愛夜子
アルコールは辞めたと公言している愛夜子だが、嬉しいことがある日、お祝いの時などはごくまれに飲む。今日は……緊張をほぐしたくて、飲んだ。
ケンジがいなかったら……3人で込み入った話をしたかも知れない。でも今日は引っ越し祝いだ。未解決の望子のことは暗黙の了解で塚本ももちろん持ち出したりしない。
ケンジが旨そうにホルモンを食しつつ愛夜子に話し掛けた。
ケンジ
愛夜子
ケンジ
愛夜子
笑顔華やぐ愛夜子。
里志
愛夜子
里志
みな興味深げに愛夜子の話を聴く。
里志は、愛夜子が自分以外の信頼出来る人とこんな風に楽しくコミュニケーションを取っていることが嬉しいなと思った。 アルコールの酔いも手伝い、ハッピーな心地が増す愛夜子。
今夜から里志さんと一緒だわ。嬉しくてたまらない
塚本
里志
うんうん、と塚本が頷いている。 ひとしきりおしゃべりも盛り上がり、皆満腹になった。
レジの前で財布を取り出す塚本。 すかさず里志が
里志
塚本
里志
するとやり取りを見ていたケンジが
ケンジ
塚本が苦笑いしつつ
塚本
里志
里志はその間に支払いを済ませた。
愛夜子はなんだかほのぼのして、ニッコニコだった。最初の緊張はもうない。
焼き肉店の駐車場で解散することになった。
塚本が、愛夜子が手洗いに行った隙に小声で
塚本
と問うた。
里志も小さな声で
里志
と答えた。
ケンジが
ケンジ
と向こうから声を掛けた。
塚本
そうこうしていると愛夜子も外に出て来た。
愛夜子
深々とお辞儀をする愛夜子。
塚本
と里志を見ながら
塚本
愛夜子
賑やかな宴が幕を閉じた。 愛夜子と里志、車で二人、安堵の表情を浮かべている。
これから、ずっと一緒
里志
愛夜子
抱かれたいわ……。でも、里志は疲れているだろうし、明日も早いから
愛夜子は胸を高鳴らせつつ、優しさを捧げようと心に決める。
里志の夜の倉庫内作業アルバイトは早速来週から始まる。愛夜子は里志に尽くしたくてたまらない。里志は、愛夜子を守り通すと決めている。
二人の家に到着した。今日から『二人の』家だ。
ちなみに、同棲の話が決まった時に既に愛夜子が家主に連絡を入れ、契約変更手続きを済ませている。里志は車を所有しているのでガレージの契約もした。 二人寄り添いながらマンションの扉を開ける。 もう22時過ぎ。明日6時過ぎには現場に向かう里志だ。
愛夜子
里志
愛夜子
里志
愛夜子
里志
愛夜子
里志
愛夜子
少し恥ずかしそうに愛夜子が言う。
里志
と里志。
里志が体を洗っている時、湯船の中で、キュ! 愛夜子は自分のほっぺをつねった。
里志
愛夜子
少女のような愛夜子が愛おしい里志。
里志
と伝える里志。
――――その夜、二人はピタッと抱き合いキスしたまま眠った。
愛夜子が起きた早朝、唇はまだ触れ合っていた。