そこは今さっきの炎や灰だらけの場所からかけ離れた部屋だった
ゼロ
動くな!
あの方
やぁやぁ君たちが来るのを待っていたよ
あの方
バーボン
あの方
いや今は
あの方
降谷零、だったかな
ゼロ
今はそんなことどうでもいい
ゼロ
お前の逃げ場はもうない
ゼロ
おとなしく降参するんだ
あの方
私は元々そのつもりさ
あの方
さて、降参してあげる代わりに話をしようじゃないか
ゼロ
話?
赤井
気をつけろ降谷君
コナン
油断しないでね
ゼロ
分かっている
あの方
話をするよ
あの方
君たちあの"ジン"を捕まえたらしいね
あの方
あぁーあとNO,2とか組織の幹部とか
ゼロ
...それがなんだ?
あの方
でもベルモットだけが捕まってないらしいね
あの方
さすが我が妻なだけある
赤井
(降谷君が言っていたのは本当だったのか...)
コナン
(どういうことだ?ベルモットとこいつに何か...?)
ゼロ
やはり、か
あの方
すごいね。君は、そのこともつかんでしまうなんて
あの方
さすが
あの方
我が”息子”なだけある
ゼロ
は?
コナン
え...?
あの方
おや、君はそこまで調べれなかったのか
あの方
まぁさすがにそこまでいっていたら
あの方
ばれてしまうよな
あの方
...君たち"信じられない”
あの方
ていう顔をしているね
赤井
アンタは何が言いたい?
あの方
何がいいたいも何も
あの方
事実を言ったまでさ
ゼロ
こいつは嘘を言っている
ゼロ
信じるなよ二人とも
コナン
元々信じる気はないから安心して
コナン
安室さん
赤井
大丈夫だ。俺もボウやと同じ意見だから安心してくれ
赤井
降谷君
ゼロ
ありがとうな2人とも
あの方
信じてくれないなんて寂しいなぁ
あの方
そしたら零の昔の話をしようじゃないか
ゼロ
……
あの方
それじゃあ話すよ
あの方
君が生まれたときは、とても嬉しかったよ
あの方
私と妻の完璧なDNAで産んだ子なのだから
あの方
天使だと思ったさ
あの方
私とよく似た肌、妻とよく似た髪色
あの方
君が生まれたことにとても感謝したよ
あの方
あの時が来るまではね...
コナン
あの時?
あの方
あぁまだばれていないときは、他の人にばれないように
あの方
ひっそりと過ごしながら零を育てたんだ
あの方
それが組織の下っ端に見つかってしまってね
あの方
その話が広まる前にそいつを始末したんだ
あの方
その時に零をおいていかなくてはいけない状況になってしまって
あの方
私と妻はどうしようもない感情でいっぱいだったんだ
あの方
悲しい、可哀そう、すまない、しょうがないんだ
あの方
妻との決断で君を置いていくことにした
ゼロ
……
あの方
始末したそいつがNOCでね
あの方
孤児院に送られていったんだ
ゼロ
っ…
あの方
零は勉強にも運動にもすべてに頑張ったから、今があるのだろう
あの方
よく頑張ったな
あの方
でも、その髪色や肌のせいでいじめをうけていたそうだね
あの方
すまない。日本の孤児院に送られるのをとめればよかったよ
赤井
……
あの方
君はあの時まだ小さかったから覚えてないかもしれないが
あの方
そういう事情があって、写真も残さずに
あの方
その家を出て行ってすまない
ゼロ
もうその話は覚えていないな
ゼロ
妄想話はそこまでだ
ゼロ
話は終わっただろう?大人しく付いてくるんだ
あの方
まだ信用しないのかい?
あの方
そしたら君の小さいころの写真を見せよう
あの方
君は残ってないだろうからね
ゼロ
そもそもそんなもの無い
あの方
ほら、これが君の小さいころの写真だ
あの方
すごくかわいいだろう
その写真にのっていたのは
ベルモット、こいつ、僕
だった
ゼロ
ッ...!
僕は心底この家族に生まれたのを恨んだ
なぜ、ボスが僕のお父さんなんだ?
なぜ、僕のお母さんがベルモットなんだ?
なぜ、僕は家族を捕まえなければいけないのだ?
なんで?どうして?疑問しか浮かんでこない
なんでこんな奴から生まれたのが僕なんだ
……できることなら
もっと幸せな家から生まれたかった
あの方
これで信じてもらえたかな
ゼロ
うるさい、このことは関係がない
ゼロ
早くついてくるんだ
あの方
何をそんなに焦っているんだい
あの方
最後に親子として
あの方
抱きしめあおう
ゼロ
!
ゼロ
触るな!
ゼロ
その話を聞く限りお前はいや
ゼロ
お前達は僕を見捨てたのだろ?
ゼロ
親子もクソもあるか!
コナン
あ、安室さん......
コナン
(なんで、安室さんみたいな人ばかり)
コナン
(こんな思いを小さなころからしないといけないんだ?)
コナン
(...いや考えている暇はない)
コナン
(今、目の前にいるこいつを捕まえよう)
コナン
(そしたら少し、少しでも安室さんが報われるようになるように願おう)
あの方
ほら、暖かいだろう?
あの方
これが家族なんだよ
ゼロ
か、ぞく...?
ゼロ
(わからない。)
ゼロ
(家族って何?暖かいものなの?)
ゼロ
(こんな親が犯罪者でも暖かくて、優しく思えたら家族なの?)
ゼロ
(こんな僕が暖かいと思っていいの?)
ゼロ
(本当にわからない)
赤井
(...俺はどうしたらいい?)
赤井
(こいつから降谷君を離せばいい?)
赤井
(このままでいいのか?俺)
赤井
(今、目の前にいる人を助けなくていいのか?)
赤井
(助けなくていいのか?じゃない)
赤井
(助けるんだ。降谷君を)
赤井
(そしたら、降谷君も救われるだろう)
ゼロ
や、やめろ、は、離せ
あの方
そんなにか弱い声じゃぁ
あの方
私を止められないよ
あの方
さぁいっしょに死んでくれ
あの方
零
赤井
!
赤井
零君!危ない!!
ゼロ
え?
ゼロ
い、た...
赤井
大丈夫か零!
ゼロ
っっっ!
その光景は見るに耐えがたい物だった
ベルモットが後ろにいて僕とこいつの心臓を狙っていたんだ。拳銃で
なんで、わざわざ心臓を?
やめろ、思い出すな自分、こんなことを思い出しても意味がないぞ
あの事をまた思い出してしまう
僕、僕が階段をあがる音を消して走れば
僕が彼のことを公安だとばれないようにしていれば
僕が気を付けていればスコッチ、いやヒロを助けれたかもしれないのに
ゼロ
けほっごほっ、かひゅっ
ゼロ
やめ、...ごめ、なさ...
コナン
安室さん!しっかり!
赤井
零君!
ベルモット
あら、この子はまたあの事を思い出しているのね
コナン
ベルモット⁉
ベルモット
久しぶりねシルバーブレッドと赤井秀一
赤井
おい、お前なぜ撃ったんだ?
ベルモット
私たち組織は負けたのよだから
ベルモット
この方にも零にも死んでもらい
ベルモット
私も死ぬ予定だったの
ベルモット
この方と話をしていたの、前からね
ベルモット
もし、FBIや公安とかが攻めてきた時に
ベルモット
勝ったときは死ぬ予定はなかった、全員殺す予定だったわ
ベルモット
でも、この戦いが負けるのであれば
ベルモット
零もここへ来るだろうから
ベルモット
一緒に死ぬっていうことを話したのよ
ベルモット
家族全員で、せめて最後には幸せというのを味わいたかったのよ。一緒にこの世からいなくなることをね
コナン
そんなの、狂ってる!
ベルモット
私たちに狂っているも何もないのよ
ベルモット
...あぁ可哀そうに、こんなに震えてしまって
ベルモット
怖いわよね、苦しいわよね
ベルモット
今楽にしてあげるからね
ベルモット
私のかわいい零
ベルモット
そして、一緒に死にましょう
ゼロ
やめろ、触るな
ゼロ
さわらないで、はなれてよ、、、
コナン
ベルモット!離れろ!
赤井
くそっ!
ベルモット
い”っ
ベルモット
関心しない、わね
ベルモット
またアバラ骨をおるつもりかしら?
赤井
その場からどきやがれ
ベルモット
わかった、わ
赤井
大丈夫か零君
ゼロ
げほ、ごほっ、ひゅっ
赤井
大丈夫だ安心してくれ
赤井
味方はここにいる
コナン
そうだよ、だから安心してね
ゼロ
すま、ない
赤井
大丈夫だ深呼吸をして
ゼロ
う、ん
ベルモット
(あぁ、零は愛されているのね)
ベルモット
(この方は意識を失っているから、死んではないのだけれど)
ベルモット
(この光景をこの方にも見てもらいたかったわ)
ベルモット
(ごめんね、零。犯罪者が親なんて嫌よね)
ベルモット
(この罪はこの方と捕まって償うからね)
コナン
大丈夫?安室さん立てるの?
ゼロ
うん、大丈夫だよごめんね
コナン
ううん
赤井
よかった立てるようになって
ゼロ
すまないな、赤井も
赤井
大丈夫だ
コナン
やってあげて安室さん
赤井
言ってやれ零君
ゼロ
あぁ
ゼロ
ベルモット、この方大人しく降参するんだ
ゼロ
手に持っているものを床に置いて手を頭の後ろに回して
ゼロ
付いてこい
ベルモット
えぇ
ベルモット
ねぇ...零
ゼロ
なんですか?ベルモット
ベルモット
こんなこという親なんて嫌だと、と思うけど
ベルモット
私の願いを最後に聞いてくれないかしら?
赤井
はぁ?お前にそんなこと叶うわけっ
コナン
親でも限度って物が!
ゼロ
ありがとう赤井、コナン君
ゼロ
でも、大丈夫だ
ゼロ
いくら犯罪者でも僕の親なんだ。
ゼロ
簡単な願いであれば叶えてやる
ベルモット
本当?
ゼロ
えぇ
ゼロ
要件を言ってください
ベルモット
最後に、最後にね
ベルモット
お母さんって言って欲しいのよ
ベルモット
いくら、暴言を吐いてもかまわないから
ベルモット
私が死ぬまで殴ってもいいから
ベルモット
言ってほしいの
ゼロ
……
ベルモット
えっ?
ゼロ
親が犯罪者でも
ゼロ
僕を生んでくれたことに、とても感謝しています
ゼロ
もしいつか、親と会えたら
ゼロ
”ありがとう”と言いたかったんです
ゼロ
...僕を生んでくれてありがとう
ゼロ
犯罪者だから、僕は立場上お母さんとお父さんを捕まえなければいけない
ゼロ
大好きだよ。お母さん
ベルモット
ありがとう、ね。本当にありがとう
ベルモット
私も素直に零に付いていくわ
ゼロ
わかりました
ゼロ
赤井、僕のお父さんを運ぶの
ゼロ
手伝ってくれますか?
赤井
あぁ君の頼みならなんでも
ゼロ
なんだよそれ
コナン
(がんばれ~!赤井さん!)
赤井
零君聞いてくれるか?
ゼロ
いいですよ。どうかしましたか?
赤井
……
赤井
君のことを世界で一番愛している
赤井
結婚を前提に俺と付き合ってくれないか?
ゼロ
……っはい
コナン
パチパチパチ
コナン
(おめでとう赤井さん。降谷さんを守ってね)
ベルモット
パチパチパチ
ベルモット
(息子の笑顔を見れてよかったわ)
ベルモット
どうか幸せにね
ゼロ
ありがとう、お母さん
萩原
末永くお幸せにね!降谷ちゃん!
松田
こっちにまだくんなよ!ゼロ
伊達
無茶しないようになー!
ヒロ
お疲れ様、そしておめでとうゼロ
ゼロ
...アイツらの声?
赤井
どうしたんだ零君
赤井
気になることがあるのか?
ゼロ
あ、いえなにも
ゼロ
お母さんお父さん、コナン君そして
ゼロ
秀一さん
ゼロ
外に出よう
コナン
うん!
ベルモット
えぇ。ありがとう
赤井
あぁ