君のそばにいるよ　第13話

俺は、どこか知らない場所に来ていた

爽やかな風のふく、

鮮やかな緑に包まれた

優しい森だった

来ている人は少なく

孤独な森を感じさせた

みことちゃんを救えなかったという責任 （君のそばにいるよ　作者ﾕｷﾐ のやつ　　見てね！）

医者としての無能さ

患者に、

優しさのカケラ一つすら

あげられない

弱い

弱い

弱い自分

医者は、ずっと目指してた夢だった

頭もよくて、優秀で、強かった友達が、

「医者になって、人を救いたいんよね。」

そう言ったから

すぐ

逃げようとする。

そんな自分が嫌だった

医者になって

人気になって

優れた才能さえ持ち合わせれば、

その子に追いつける

そう思ったんだ

ｻﾜｻﾜ…

風がふく

ふと、前を見ると、

かすかに光があるのを見つけた

無意識に行ってみると、

眩しくて、綺麗だった

自分の

自分の光を

堂々と放っている

すごいな

そう思ってしまった

いふくんは

苦しそうに笑ってる

笑わないで

もう、そんなに、笑わないでよ、…

俺は、

同じ病院で同じ事してる人に、

そう思った

俺が医者を目指したのは、この人のおかげだ

俺の夢をくれたこの人に、

希望を与えたい

俺は、まだ全然未熟で、何もできないけど、

人のこと、ちゃんと考えて、

ちゃんと

苦しみに向き合えたら、

きっと、

いふくんみたいになれる日が来るのかなぁ

お医者さんの、

元気のない声に、俺は少し苦しくなった

進行が早いのだろう

予想外の話に、俺は少し驚いた

戸惑いながらも返事をすると、

優しい笑顔でそう言ってくれた