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少年

ここは………

目を覚ますと、 たくさんの人がいた。

暗くてよく表情は見えないけど、 なんだかその目は冷たい。

少年

ねぇ、ねぇ起きて!!

君は、すぐ近くにいた。

少女

んんーー………

少女

あ、おはよ………

少年

おはよ。

少年

少年

………来ちゃったね。

少女

うん……

???

こんにちは。

少年

話しかけてきたのは、 1人の女性

俺たちよりも年上……ぽい

少年

えーっと……その………

???

君たち、逃げてたんだよね?

少年

(急になんなんだ……)

少年

まぁ……はい……

少年

少年

なんで知ってるんですか…?

???

よくご飯置きに来る大人どもが言ってたの。

???

「あの逃げてるガキたちはまだ捕まってないのか」ってね。

???

ところで君たち、名前は?

少女

少女

私たちは捕まった時点で人じゃないから…名前なんて………

???

いいから。聞かせて。

少年

少年

(なんか乱暴だなぁ…この人…)

少年

少年

ユウキです。俺の名前。

少女

私はミウ。

???

???

私はアイカ。

アイカ

君たち、性同一性障害だよね?

少年

そうです……けど…

アイカ

私とは少し違うのよね……

少年

少年

何がですか?

アイカ

私は、性別系じゃないんだけど、

アイカ

毎日、自分じゃなくなる病気。

アイカ

月曜日はこの自分、火曜日はこの自分…って感じでね。

アイカ

ごめんなさい。長話しちゃった。

アイカ

殺されるまではまだ時間はあるの。

アイカ

精一杯生きなさい。

そういうと、 どこかに行ってしまった。

少年

……やな感じ。

少年

ねぇ?

少女

少女

あぁ、うんそうだね!

少年

どうしたの、ぼーっとして。

少女

なんでもない!もう寝よ!

少女

生きるためには寝ることも大事だよ!

少年

分かったよ……

少年

おやすみ。

少女

おやすみー

アイカ

寝ちゃったみたいね。彼。

少女

はい……

アイカ

アイカ

ねぇ。君さ……

???

政府の人間だったよね?

少女

……やめて…

アイカ

なのになんで、こんなところにいるの?

アイカ

もしかして……

少女

やめて!

少女

俺は今こうやってこの子とここにいる!

アイカ

やっぱり。演じてるよね?それも。

少女

アイカ

言わなきゃダメだよ。

アイカ

君が本当に、この子を想っているなら、絶対に言わなきゃダメ。

アイカ

君だって、たくさんこの子に助けられてきたんでしょ?

少女

少女

なんでそれを……

アイカ

アイカ

私たちはね、

「よく遊んでいたのよ。」

「お父さんの関係で。」

少年

着いたよ!

少女

わぁー!!綺麗!!!

少女

お星様がいーーっぱい!!!

少年

でしょ?

少年

少しは元気出た?

少女

少女

うん……!

少女

少女

あのね。

少年

うん。

少女

私、近いうちに死んじゃうかもしれない。

少女

お母さんがね、また私を叩いたの。

少女

私っ……何も悪いことしてないのにっ………

少年

少年

いいこと教えてあげるよ!

少年

もし僕たちがこうやって話せなくなる時は、

少年

お星様になるんだって!

少年

どこかで読んだんだ〜!

少年

だからねっ!

少女

んっ………

少女

少女

夢……か……

少年

大丈夫?

少女

え、何が?

少年

涙出てるよ。

少女

あっ……

少女

ほんとだ!!

少女

気にしないで!大丈夫大丈夫!

少年

そ、そう……?

アイカ

おはよう。2人とも。

少年

あ、おはようございます……

アイカ

と言ってももう夜だけどね笑

アイカ

よく眠れたみたいでよかった。

少年

はい……。

アイカ

アイカ

また少し話してもいい?

少年

話……?

少女

アイカ

率直に言った方がいいわよね……

アイカ

私と彼女、君と一緒にずっと政府から逃げてた彼女は、

アイカ

元政府の仲間よ。

少年

少年

は……?

少年

え、何言って……

アイカ

私たちがまだ小さい頃から、このプロジェクトは考えられていた。

アイカ

彼女のお父さんは、それに反対していた。

アイカ

でも、ある日突然。

アイカ

お父さんはガラリと態度を変えて、プロジェクトに賛成した。

アイカ

だから、このプロジェクトが始められてしまったの。

少年

少年

ねぇ、ほんとなの?

少女

少年

ねぇ!

少女

ほんとだよ。

少女

私は元は政府の人間だったはず。

少女

でも裏切りたかった。

少女

こんなプロジェクト、絶対に始めさせたくなかったから……!

少女

だから…!

アイカ

はい、一旦ここでストップ。

アイカ

みんな、避けてあげて。

少年

少年

え……?

たくさんの人で隠されていた壁には、

人1人が通れる穴が空いていた。

ほのかにその先に、 光が見える。

少女

これ……

アイカ

みんなに協力してもらってね。

アイカ

「この2人だけはここから出してあげたい」って伝えたら、快くオッケーしてくれたの。

少年

でもこんなことしたら…!

アイカ

わかってる。でも大丈夫。

アイカ

ねぇ、ミウちゃん。最後に少しだけ。

少女

はい…

アイカ

私も、あなたと同じ。

アイカ

あなたは、とても強くなった。

アイカ

家族を裏切ってでも、彼とここまで一緒に逃げてきた。

アイカ

お母さんに怒られて泣いてた子とは思えない。

アイカ

強くなったじゃないの。

アイカ

だから。

アイカ

この穴から、ここを出て。お願い。

アイカ

あなたには、あなたたちには、こんな場所で死んでほしくない。

アイカ

だから、行って。

少年

少年

みなさん、本当にありがとうございます!

少女

ありがとうございます!

少年

行こう。

少女

うん…!

そうして僕たちは、

この牢獄に、別れを告げた。

すぐ近くまで、大人たちが追ってきている。

僕たちは手を取り合って、 走り続ける。

少年

こっち!!

君を引っ張って、川の近くに 隠れる。

少女

少女

ごめんね。

少女

私、性同一性障害なんかじゃないんだ。

少年

少女

君を守るためだよ。

少女

私、君だけは殺されてほしくなかったの。

少女

こんなプロジェクトのせいで君が死ぬなんて、絶対に嫌だった。

少女

だから裏切ったの。私も、お父さんを。

少年

少女

少女

捕まる前の日にね、お父さんから電話が入ってた。

少女

「早く戻ってこい」って。

少年

少女

何も答えなかったよ?もちろん。

少年

少年

なんで…そこまでするの…

少女

だって。

少女

君のことが、好きだったんだもん。ずっと。

おいどこだ!!

さっさと出てこい!!

少年

少女

もう…終わりだね。

少年

まだっ…まだ行ける……!

少女

ダメだよ。

少女

せっかくみんなが、この道を開いてくれたんだから。

少年

だからこそ…逃げて、逃げて逃げて、もっと生きなきゃ!

少女

死ぬのが怖いんでしょ?

少女

それは私も。

少女

少女

小さい頃に、星見に行ったの覚えてる?

少女

その時言ってくれた言葉。今でも覚えてるよ。

「俺たちは小さい時から一緒なんだから、 もちろん、お星様になる時も一緒だよ!」

少年

覚えてたんだ……。

少女

忘れるわけないじゃん。

少女

少女

はいこれ。

君の震えた手で僕に差し出したのは、

小型のナイフだった。

少女

君を最後まで…守れたかな…?

少女

弱かった私が…君を…守れたのかな……?

少年

うん……たくさん、たくさん守ってくれた。

少女

それはこっちのセリフでもあるよ。

少女

たくさん、守ってくれて、ありがとう。

少年

こちらこそ。

僕たちは、お互い笑顔になる。

見つめ合って、目をつぶる。

最後に見た星は、 とても綺麗だった。

僕たちは、あの星のように、輝けたのかな?

ユウキ

なーんていうストーリーを書いてみたんだけど、どう?!

ミウ

えー、あまり面白くなーい。

ミウ

しかも、登場人物の名前ダサい。

ユウキ

わかったわかった……

ユウキ

名前だけ変えて、TELLERに投稿するか。

ミウ

名前、私の名前使っていいよ。

ユウキ

いいの?!

ミウ

うん。

ミウ

(この女の子みたいに……ユウキのこと好きだし……)

ユウキ

ユウキ

じゃあ……

ユウキ

「全体公開に変更」っと。

ラスト連載 「人になれなかった人」

fin.

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