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キミと歩くバージンロード

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キミと歩くバージンロード

1 - キミと歩くバージンロード

♥

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2019年07月16日

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『おにーちゃんへ!』

『ななみね、おおきくなったら、おにーちゃんと、けっこんするから、待っててね』

藤倉 翔(ふじくら しょう)

ふっ、、、///

何度、この手紙を読み返したか、、。

この手紙を、渡してきた、あの時の顔が、、頭から離れない。

「七海」こいつは、俺の義理の妹だ。

俺の親父が亡くなって、七海の家に引き取られた。

七海の家も、父親はいない。

俺が来た時は、七海はまだ2、3歳頃だった。

俺は、7歳頃で妹が出来たっ!なんて、喜んでいた。

……

その後、、好きになるなんて思いもしないで、、、。

藤倉 七海(ふじくら ななみ)

おかあさん、、このおにいさん、だあれ?

お義母さん

このお兄さん?、、この子はね、七海のお義兄ちゃんよ。

藤倉 七海(ふじくら ななみ)

おにーちゃん?

お義母さん

そうよ、仲良くしてね。、、翔くんも、七海と仲良くしてあげてね。

藤倉 翔(ふじくら しょう)

はい。

藤倉 七海(ふじくら ななみ)

ねーねーっ!おにーちゃん!!

藤倉 七海(ふじくら ななみ)

あーそーぼー!

藤倉 翔(ふじくら しょう)

いーよ。何して遊ぶ?

お義母さん

ふふっ、七海、翔くんに良く懐いてるわぁ。笑

お義母さん

本当の兄妹みたい。笑

七海 10歳 翔 14歳

藤倉 七海(ふじくら ななみ)

お兄ちゃん!今日ね、学校のテストで、100点取ったんだよー!!

藤倉 翔(ふじくら しょう)

ふっ、、良くやった。偉いなあ、七海。

藤倉 七海(ふじくら ななみ)

お母さーん!!、、今日ね〜、、、

七海 15歳 翔 19歳

藤倉 七海(ふじくら ななみ)

お兄ちゃん!

藤倉 翔(ふじくら しょう)

ん〜?

藤倉 七海(ふじくら ななみ)

今日ね〜、学校のテストで100点取ったの!!

藤倉 翔(ふじくら しょう)

良く頑張ったな。勉強した甲斐があったんじゃねぇの?

藤倉 七海(ふじくら ななみ)

うんっ♪

ドキッ

…なんだ、、今の。

こいつの、、笑顔をみて、、

…多分、この頃にはもう俺の心には、芽生えていた。

「七海」への恋心が

でも、俺は知らないフリをしていた。

だって、こいつは仮にも「義妹」なんだから、、、。

…叶うはずもない、恋心は、毎日毎日、一瞬一瞬、膨らんでいく。

ある日

藤倉 七海(ふじくら ななみ)

お兄ちゃん、、あ、あのね。////

藤倉 翔(ふじくら しょう)

…何?

なんか、こいつ、顔が赤い気が、、

…まさか、な。

藤倉 七海(ふじくら ななみ)

お、お母さんには、秘密にしてくれないかな?

藤倉 翔(ふじくら しょう)

なんだよ?、、テスト悪かったのか〜?笑

…軽く言ってるけど、嫌な予感がしたのは、確かだ。

藤倉 七海(ふじくら ななみ)

ち、違うってば!

藤倉 七海(ふじくら ななみ)

あ、のね、、その、、

藤倉 七海(ふじくら ななみ)

か、彼氏、、ができたんだっ。

藤倉 翔(ふじくら しょう)

…っ!

頭を殴られたような、衝撃がはしった。

…そうだよ。こいつに彼氏ができないわけがない。

こいつも、女子高生だ。

恋だって、するに決まってる。

…嗚呼、、俺は、遅かった。

もう、二度と、、叶わない。

少しだけの、、「もしかしたら、、」なんて、希望を持って馬鹿みてぇ。

藤倉 七海(ふじくら ななみ)

…ゃん。お兄ちゃん?

藤倉 翔(ふじくら しょう)

はっ、、、な、何だ?

藤倉 七海(ふじくら ななみ)

どしたの?

藤倉 翔(ふじくら しょう)

あ、いや何もない。

藤倉 翔(ふじくら しょう)

良かったな笑、、いや〜お前に彼氏か〜、、一生できねぇかと思ったわ〜。

藤倉 七海(ふじくら ななみ)

なっ?!、、失礼なぁ!!

藤倉 七海(ふじくら ななみ)

お兄ちゃんと違って、私は青春してんだからね!

藤倉 翔(ふじくら しょう)

はいはい。アオハルやろ〜。

藤倉 翔(ふじくら しょう)

あ、俺、勉強あるんだわ。

藤倉 翔(ふじくら しょう)

じゃ。

藤倉 七海(ふじくら ななみ)

頑張って〜♪

この時の俺は、絶望に浸っていた。

でも、いつか別れるだろう、と安易に自分に言い聞かせる。

なんて、惨めなのか。

俺が、出来ることは、自分の欲は捨て、「義兄」としてアイツの側に居ることだけ。

…ただ、、それだけ。

だが、、その7年後、、事件は起こった。

七海 22歳 翔 26歳

藤倉 七海(ふじくら ななみ)

お義兄さん、お母さん。

藤倉 七海(ふじくら ななみ)

私、、この人と結婚したいです。

廣井 悠真(ひろい ゆうま)

お義兄さん、お義母さん、、七海さんを俺にください。

七海の高校時代の付き合っていた、彼氏らしい。

…まさか、結婚までとは。

お義母さん

翔くん、、いいわよね。この人なら。

藤倉 翔(ふじくら しょう)

…ああ。

藤倉 翔(ふじくら しょう)

えっと、、廣井 悠真だっけ?

廣井 悠真(ひろい ゆうま)

はい。

藤倉 翔(ふじくら しょう)

七海、、こいつ、バカでどうしようもない義妹だけど、、

藤倉 翔(ふじくら しょう)

…っ、、、幸せにしてやってくれよな。

廣井 悠真(ひろい ゆうま)

はい。絶対に幸せにしてみます。

藤倉 七海(ふじくら ななみ)

お兄ちゃん、、。

その夜

プルプルプル プルプルプル

藤倉 翔(ふじくら しょう)

…誰だ?

…七海からか、、。

藤倉 翔(ふじくら しょう)

もしもし?

『あ、お兄ちゃん?』

藤倉 翔(ふじくら しょう)

俺以外に、誰が出るんだよ?笑

『あ、確かに!ごめーん』

藤倉 翔(ふじくら しょう)

本当にバカだな。悠馬さんも困るだろ。

『なっ!!失礼だねっ!昔から!』

藤倉 翔(ふじくら しょう)

ったく、声でけぇ。

藤倉 翔(ふじくら しょう)

耳、痛ぇわ。

『ふぇ?!、、ご、ごめっ!』

藤倉 翔(ふじくら しょう)

別に、、で、何?

藤倉 翔(ふじくら しょう)

今、悠馬さんとラブラブ絶頂期なんじゃねぇの?

『ち、違うしっ!』

『こほんっ。では、本題に入ろう。』

藤倉 翔(ふじくら しょう)

どんな、モノマネだよっ!笑

『ふふっ、いいでしょっ!』

『それでね、結婚式をしたいんだけど、バージンロード、、歩いてくれないかな?』

藤倉 翔(ふじくら しょう)

…は?

『ダメ、、かな?お兄ちゃんが歩いてくれないと、歩いてくれる人いないんだよ、、』

藤倉 翔(ふじくら しょう)

あ、あぁ。いいよ。

『ありがとう、、お兄ちゃん』

『じゃ、電話切るね!』

藤倉 翔(ふじくら しょう)

あー、おやすみ。

『おやすみ、お兄ちゃん』

そして、今に至る

藤倉 翔(ふじくら しょう)

明日、、歩くのか、バージンロード。

藤倉 翔(ふじくら しょう)

はぁ。

俯く

ポタッ、、ポタッ

涙が、頬を伝う

藤倉 翔(ふじくら しょう)

…んで、俺じゃ、、ねぇんだよ

藤倉 翔(ふじくら しょう)

…なぁ、、俺の方が、、俺の方がずっと昔から、、好きだったのに

藤倉 翔(ふじくら しょう)

俺と、結婚するって、、言ったじゃねぇかっ!!!

分かってる、、分かってるんだ

遅いって、もう届かないって

俺は、アイツの義兄でなきゃ、、ダメなんだよ。

藤倉 翔(ふじくら しょう)

でも、、くそっ、、、泣

藤倉 翔(ふじくら しょう)

なんで、、俺は義兄妹になったんだよ!!

この恋心を、、どこにやっていいか分からず、、

枕に突っ伏して、泣き明かした。

結婚式 当日

お義母さん

翔くん!早く〜

お義母さん

今日、七海の結婚式よ〜!

お義母さん

バージンロード歩くんでしょう〜!!

藤倉 翔(ふじくら しょう)

はーい。

テンション上がってるな。

…俺は、歩きたくもねぇよ。

まぁ良い。さっさと済ませて、、七海を忘れる。

この家を出て、1人で暮らす。

アイツを忘れるために。一生かかるかもしれねぇ。

…まぁ、そん時はそん時だ。

藤倉 翔(ふじくら しょう)

今、行きます。

お義母さん

あら!スーツ似合ってるわ!

お義母さん

さっすが、翔くん!

藤倉 翔(ふじくら しょう)

何がですか?笑

お義母さん

ふふっ、七海もきっと喜ぶわぁ。

お義母さん

ありがとうね。翔くん。

藤倉 翔(ふじくら しょう)

喜んでくれれば、良いですけどね。

そう、笑顔で送る。

それが、最後に俺が出来るキミへの義兄としての、出来ること。

藤倉 七海(ふじくら ななみ)

あ、お兄ちゃんっ!お母さんっ!

お義母さん

あら、七海、、、綺麗よ。

藤倉 七海(ふじくら ななみ)

ふふっ、、ありがとう。

藤倉 翔(ふじくら しょう)

良いんじゃね?、、似合ってる。

藤倉 七海(ふじくら ななみ)

ありがとう、お兄ちゃん。

藤倉 七海(ふじくら ななみ)

今日は、宜しくね?

藤倉 翔(ふじくら しょう)

分かってるって、悠真さんと上手くいけよな。

藤倉 七海(ふじくら ななみ)

うんっ♪大丈夫だよっ!

藤倉 翔(ふじくら しょう)

上手くいかなかったら、俺が貰うから(ボソッ

藤倉 七海(ふじくら ななみ)

え?、、何か言った?

藤倉 翔(ふじくら しょう)

何もないよ。

お義母さん

そろそろ、始まるから、お義母さん行ってるわね。

藤倉 七海(ふじくら ななみ)

うん。

アナウンス

まもなく、新婦の入場です。

アナウンス

暖かい拍手でお出迎えください。

藤倉 翔(ふじくら しょう)

ほら、行くぞ。

藤倉 七海(ふじくら ななみ)

うん。、、、ねぇ、お兄ちゃん。

藤倉 翔(ふじくら しょう)

何?

すーっ(扉が開く)

藤倉 七海(ふじくら ななみ)

今まで、本当にありがとうね。

藤倉 翔(ふじくら しょう)

なんだよ。今更。

藤倉 七海(ふじくら ななみ)

感謝してるんだよっ!

藤倉 翔(ふじくら しょう)

ははっ、それはどうも。

藤倉 翔(ふじくら しょう)

てか、前向け。

藤倉 七海(ふじくら ななみ)

うん。

2人揃って、一歩踏み出す。

俺から、涙が、一滴頬を伝う

でも俺は、それを気にしないで、ゆっくりと歩いた。

この作品はいかがでしたか?

48

コメント

3

ユーザー

泣けるお話ですね。

ユーザー

ありがとうこざいます!

ユーザー

最高ですね……!!!

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