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日和 心春
日和 心春
(もう、嫌だ…)
日和 心春
(こんな生活…)
日和 心春
(死んで、楽になりたい……)
日和 心春
(ここから飛び降りれば…)
日和 心春
(私は、楽になれるのかな…)
ゆっくりと、屋上の柵を乗り越える
日和 心春
日和 心春
(怖くなんかない……)
日和 心春
(大丈夫……)
あと一歩進めば、私は楽になれる
そのとき───
？？？
？？？
ちょっとちょっと～
？？？
そこの君～、
日和 心春
！
私は思わず振り返る
すると、そこには一人の少年が立っていた
日和 心春
誰？
？？？
僕は、時任 要(ときとう かなめ)
日和 心春
時任 …要
私と同じくらいの背丈で、
少し幼さの残る顔つきの少年は、真っ直ぐに私を見つめた
時任 要
君さ、自殺しようとしてるの？
日和 心春
…………
時任 要
やめときなよ
時任 要
自殺は何も生まないよ
日和 心春
あなたには関係ない……
時任 要
え？
日和 心春
私が自殺しようが、あなたには関係ない……！
時任 要
ふ～ん
時任 要
関係ない、か
すると、時任は制服のポケットからカッターナイフを取り出した
時任 要
時任 要
これでも？
日和 心春
っ………！
時任 要
「君がこっちに来ないなら、僕がこのカッターで自分の手首を切る」
時任 要
って言ったらどうする？
日和 心春
え？
カチカチカチカチ……
時任 要
もちろん、手首を切ったら僕は出欠多量で死ぬだろうね
時任 要
でもそれは、君のせいじゃない
時任 要
だから、飛び降りるか、こっちに戻って僕を止めるか
時任 要
好きな方を選んでいいよ
日和 心春
っ……そんなの
日和 心春
時任 要
10
時任 要
9
日和 心春
え、ちょっと待っ──！
時任 要
8
時任 要
7
日和 心春
ちょっと待って！
時任 要
6
時任 要
5
時任は、カッターナイフの刃を手首に近づけた
時任 要
4
日和 心春
待ってってば！
時任 要
3
時任 要
2
日和 心春
時任 要
1
日和 心春
分かったから！
時任 要
ん……
日和 心春
今そっちに戻るから！
日和 心春
手首を切らないで！
時任は、いたずらな笑みを浮かべた
時任 要
りょ～うかい
時任 要
じゃあ、カッターはしまうよ
私は、柵を乗り越えてゆっくり時任に近づいた
日和 心春
時任 要
ありがとう
時任 要
死なないでくれて
日和 心春
…………
時任 要
あれ、もしかして怒ってる？
日和 心春
あんなことされたら、戻るしかないじゃん……！
日和 心春
やっと……
日和 心春
やっと楽になれると思ったのに……！
目から涙が溢れて、私はその場に泣き崩れた
時任 要
ごめんね
時任 要
泣かせるつもりじゃなかったんたけも……
日和 心春
っぐ……
時任 要
でも、一つ聞いていい？
時任 要
どうして君は、死のうとしたの？
電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
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