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無情

それは、時に

人に向けることで

相手を最大限に苦しめ

悲しませることができるのです

優斗

よしよぉーし

優斗

聞こえてますかぁ?

優斗

僕は、君のお父さんだよ〜

奈美

ふふっ

奈美

優斗ったらもう幸せそうな顔して〜

奈美

そんなに嬉しいの?

優斗

そりゃあ、そうだよ!

優斗

奈美は妊娠しずらい体だったから

優斗

子供が出来るかは分からないって医者が言ってたのに…

優斗

やっと俺たちの子供が出来たんだ…

優斗

名前はどうしようか…

奈美

ふふっ、まだ性別は分からないのよ?

奈美

また今度性別が分かったら決めましょう

優斗

あ、そっそうだな

優斗

俺とした事が、子供の事になると頭が回らなくなるなぁ

奈美

貴方ったら子供に甘やかしそうで怖いわ

優斗

そうだなぁ

優斗

ずーっと甘やかしちゃいそうだな

奈美

ダメよ?甘やかしすぎは

優斗

わかったよ‪w

奈美

ふふっ

奈美

…ねぇ

優斗

ん?

奈美

あなたは今1番幸せ?

優斗

あぁ、1番幸せだよ

優斗

奈美のおかげだ

優斗

本当にありがとう

優斗

奈美が頑張ってくれたおかげだよ

奈美

…ふーん…

奈美

…そうなんだ…

優斗

…?

優斗

何かあったのか?

優斗

顔色が悪そうだけど…

奈美

ふふっ…

優斗

奈美

あはははははっ

優斗

ど、どうしたんだ?

優斗

急に…

奈美

ごめんなさいね、優斗さん

奈美

私ね、あなたのこと…

優斗

……?

奈美

好きじゃないのよ

優斗

………

優斗

……え?

奈美

ふふっ、驚いた?

優斗

そ、そんなっ…

優斗

嘘…だろ?

優斗

嘘って言ってくれよ!

優斗

そんなわけないよなっ…

優斗

まさか奈美が…

奈美

本当なの

奈美

私、貴方の事なんてなんとも思ってないのよ

優斗

じ、じゃあ子供はっ

奈美

奈美

妊娠したなんて嘘

奈美

避妊薬をずっと飲んでたし

奈美

妊娠なんてしないの

奈美

それに、私はもともと妊娠しずらい体なんかじゃないし

奈美

ごめんなさいね、黙ってて‪w

優斗

そっ、そんな…

奈美

むしろ、嫌いな人にカラダを重ね続けさせられて辛かったわよ

優斗

俺はっ…

優斗

俺は…奈美の事…

奈美

愛してたの?

優斗

あぁ…

奈美

でもね

奈美

こんな事をしたのには、ちゃんと訳があるのよ。

優斗

わ、…け?

奈美

あら、話さないと分からない?

優斗

……

奈美

それじゃあ、思い出話でもしてあげましょうか

あれは、じめじめとした梅雨の季節

私の妹

「森井 由美」は

自殺した

優斗

……っ

奈美

あら?思い出してくれた?

優斗

由美……

奈美

由美…じゃないでしょ

奈美

あなたは、私の妹の事

奈美

ゴミって言っていたでしょう?

奈美

さぁ、まだまだ話を続けるわよ

奈美

ちゃんと耳に焼き付けなさい

私は、なぜ

妹が自殺してしまったのか

ずっと疑問だった

だから

妹が中学生になってから

欠かさず毎日書いていた

日記を

見てみたの

そうしたらね

驚くべき事に

こんな事が書いてあったの

私の同級生

「蔵木 優斗」に

虐められるようになった…と

奈美

どう…?

奈美

私の妹を虐めたこと

奈美

覚えてる?

優斗

…覚えて…ます…

優斗

ごめんな…さい…

奈美

私に謝られても困るわ

奈美

……それと…

奈美

泣くのをやめてくれない?

奈美

1番泣きたいのは貴方じゃない

奈美

貴方のせいで高校生という若さで命を絶った私の妹よ

優斗

……うぅ…

奈美

まだ、話は終わってないわよ?

奈美

現実から目を逸らさないで

奈美

ちゃんと最後まで聞きなさいよ

優斗に虐められ初めた由美はね

次第に周りにも心を閉ざし始めたの

それでも、由美は明るい子だったから

友達は沢山いて

ひたすらに心配してくれた

そして、心を閉ざし初めてから

だんだんと家族にも

暗い顔を見せるようになったの

本人は、失恋しただけって言ってた

でもね

それだけでは無いって分かるくらい

部屋からは泣き声が漏れてた

それも毎日ね

奈美

貴方に、由美の気持ち分かる?

優斗

……分かり…ます

奈美

嘘つかないで

奈美

分かっていたら虐めなんてしないでしょう?

優斗

…はい…

奈美

はぁ……

奈美

貴方にはつくずく、失望するわ

優斗

…………

奈美

黙るのやめてくれない?

奈美

大好きな妹を奪われた気持ち

奈美

私は、今でも忘れない

奈美

そして、私は

奈美

貴方には何も思っていない。

奈美

好意とかそういうの

奈美

妹を亡くしてから

奈美

ほとんど消えたの

奈美

感情に欠落が多くてね

奈美

でも、貴方の妻として演じる事は簡単だった

奈美

私が何もしなくても貴方が勝手に好意を抱いてくれるのだから

奈美

それにね、私たちもう、離婚してるのよ

優斗

……え?

奈美

もう、結婚してから1ヶ月くらいで

奈美

勝手に離婚届に、印鑑押させてもらったの

奈美

勝手に印鑑を取ってしまった事は謝るわ

奈美

でも、なんとも思っていない人との婚約なんて嫌だもの

奈美

だからね、私達はもう

奈美

他人なの

優斗

……うぅ…

優斗

なみぃ……

優斗

謝るから…

優斗

お願いだから…

優斗

俺のそばに……

奈美

無理

奈美

絶対無理

奈美

私は、誰かさんが妹を自殺まで追い込んだせいで

奈美

さっき、言ったわよね?

奈美

感情が欠落してるって

奈美

だから、好意の湧き方が分からないの

奈美

残酷でしょう?

奈美

でも、それは貴方のせいよ

優斗

………

奈美

貴方だけ幸せになれるなんて大間違い

奈美

だからね

優斗

……してくれ

優斗

殺してくれ……

優斗

もう、嫌なんだ

優斗

俺はっ…

優斗

俺は…ここには存在してはいけない…

奈美

殺す?

奈美

そんなの嫌よ

奈美

私の手を煩わせないでちょうだい

奈美

死にたいなら勝手に死ねばいいのよ

奈美

私はね、

奈美

貴方に対する好意もないけれど

奈美

殺意もないの

優斗

……はっ?…

優斗

なんでっ

優斗

俺は、色んな人を苦しめた…

優斗

その中には君も含まれているはずだ…

奈美

まぁ、そうね

奈美

でも

奈美

私は死にたい貴方を死なせたくないの

奈美

なぜなら、貴方の要望を叶える事になってしまうから

奈美

そんなの嫌に決まってる

奈美

それに、私が法に反してしまうもの

奈美

だから、勝手に1人で苦しんでなさいよ

奈美

優斗さん?

まぁ、こんな感じで

私の復讐劇は幕を閉じた

優斗は泣いていた

どうしたら泣けるのだろうか

私に無いものは

感情

私の中身は空っぽで

何も無い

そんなふうに思いふけっていた私の目の前には

綺麗な紫陽花が咲いていた

この作品はいかがでしたか?

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コメント

7

ユーザー

か、かんどーう(え

ユーザー

最高じゃないですか←

ユーザー

ん。かんどーした。

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