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コメント
1件
おお、展示会に行く決心をするところから、凛さんとの静かだけど鋭いやり取りまで、ずっとドキドキしながら読んでました…!「守りすぎてる」って一言で凛さんの目が変わった瞬間、すごく好きです。あの短い会話で親子の距離感と才能の信頼が全部伝わってきて、編集者としても「ここ、いいなあ」って思わずノートに書き留めたくなりました。最後のノートに触れる指先、熱くなりますね…続きが気になります!
文化祭が終わり
学校はいつもの空気に戻った
朝のホームルーム
眠そうなざわめき
誰かが椅子を引く音
チョークの粉の匂い
非日常が終わったあと特有の
あの空気
夜々
夜々
夜々
夜々は机に突っ伏しながら言った
矢野
矢野
透華は言う
夜々
矢野
矢野
夜々
いつも通りの会話
いつも通りの朝
なのに
〇〇の視線は
ノートの端に置いたままの名刺に向く
すぐに裏返す
見なかったことにする
それから数日
授業中
黒板の文字は目に入らない
ノートを取っているのに
同じ文字を二度書いている
窓の外を見てため息
はっと我に返る
また、ため息
展示会の日程がどこか頭にある
行きたい
でも行くということは
私を捨てた母親の世界に入ると言うこと
胸の奥がザワつく
昼休み
夜々
夜々が顔を覗き込む
夜々
透華も頷く
矢野
夜々
矢野
〇〇は二人を見てふっと笑う
○○
〇〇は自分の頬を触る
無意識に眉間にシワが寄っていた
○○
夜々
夜々
夜々が即答する
矢野
矢野
矢野
矢野
○○
〇〇は軽く笑いながら弁当を閉じる
○○
○○
夜々はにやにやする
夜々
矢野
矢野
○○
矢野
放課後
〇〇はひとり家に向かっていた
小さく息を吐く
名刺の存在が頭から離れない
行きたい
でも
簡単に会いに行けるような関係じゃない
母親としては最低なのに
デザイナーとしては憧れてしまう
矛盾
ぐちゃぐちゃな感情
○○
答えは出ない
展示会の日は近づく
展示会 当日
〇〇は駅を降りた後
しばらく建物の前に立っていた
○○
ガラス張りの大きな会場
洗練されたロゴ
出入りする人達の服装すら
どこか別世界みたいだった
手の中の名刺を見る
小さく息を吐く
○○
そう呟いたくせに
足はもう入口に向かっていた
会場に入ると、空気が違った
香水と新しい布の匂い
静かな音楽
白を基調にした空間に並ぶ作品
シックなのに目を奪われる
派手ではない
でも一瞬で“凛の作品”だとわかる
〇〇は無意識に見入っていた
恭弥
声がして振り向く
佐上恭弥
学校とは違う印象だった
○○
恭弥
○○
恭弥が笑う
恭弥
その言葉に
〇〇の顔は少しだけ固くなる
〇〇はそのまま
奥の部屋に案内された
スタッフは驚いたように〇〇を見ると
丁寧に頭を下げた
歓迎されている
その事実が、逆に落ち着かなかった
佐上凛は作品を見上げていた
振り返る
凛
その声は自然だった
まるで
昔から知ってる人に向ける言葉のように
〇〇は少し距離を取ったまま頷く
凛は新作の方へ歩く
凛
凛
視線は作品のまま
凛
凛
〇〇は驚いて顔を上げる
周囲のスタッフたちも息を飲む
凛
凛
試すような声
〇〇は作品を見上げる
布の落ち感
色の重なり
ライン
しばらく黙って考え込む
そして小さく口を開いた
○○
○○
○○
○○
○○
凛は目を細める
〇〇は一瞬止まる
凛
○○
○○
○○
○○
○○
○○
静寂
凛は数秒黙ったあと
ふっと笑った
凛
喉の奥で嬉しそうに笑う
凛
凛
恭弥はその様子を静かに眺めていた
その後〇〇は奥の会議室へと案内される
大きな机
積み上がった資料
スケッチ
布見本
デザインの空気で満ちていた
〇〇は自然と周囲を見渡してしまう
凛は椅子に腰をかける
凛
凛
凛
凛
〇〇は固まる
○○
凛
○○
○○
即答
○○
凛
凛は平然としている
〇〇は困ったように笑う
○○
凛
言葉を遮られる
空気が止まる
〇〇は視線を逸らした
○○
頑なだった
凛は小さく息を吐くが
それ以上は言わなかった
隣にいた恭弥がゆっくり口を開く
恭弥
恭弥
恭弥
恭弥
恭弥
〇〇の指の先が僅かに動く
○○
○○
小さな声
○○
○○
空気が張る
けれど凛は怒らなかった
代わりに、1冊のノートを置いた
綺麗な表紙だった
凛
凛