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浮気した彼に復讐してみた 2

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浮気した彼に復讐してみた 2

1 - 浮気した彼に復讐してみた 2

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2019年10月26日

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千咲

どう?

千咲

復讐、してみる?

死神と名乗る千咲から突然そう言われた私は、硬直してしまった。

浮気された事でさえまだ信じ難いのに、死神だなんて。

七海

復讐…復讐ねぇ。

現実味のないその言葉を口に出してみる。

千咲

興味あるか?

千咲

興味があるんだったら、同意しろ。

七海

同意?なんの?

私がそう聞くと、千咲は懐から契約書のようなものを取り出した。

千咲

復讐するのであれば、ここから先は自己責任になる。

千咲

いくら死神とはいえど、魂まではとらない。

千咲

ただ、代わりに何かしらの代償を負ってもらう。

七海

代償…?

七海

契約する時に、私の何かをあなたにあげなきゃいけないの?

千咲

簡単に言えばそうなる。

千咲

君は復讐のために何を犠牲にするか?

七海

んー

七海

そうだな…

私は、少し考えた後に、千咲にカマをかけてみることを思いつく。

だって、まだ私は半信半疑なのだから。

七海

じゃあ死神さん。

千咲

千咲。ただそう呼べばいい。

七海

千咲。

七海

復讐の代わりに、海斗を犠牲にすることって出来る?

そう聞くと、千咲はすこし考える素振りを見せる。

そして少し笑ってこう言う。

千咲

…ははっ。

千咲

お前、面白いな。

七海

私の事気に入ってくれた?

七海

じゃあ海斗を犠牲にしてよ。

やばい。調子に乗りすぎたか?

千咲は少しも笑わずに、真面目なトーンでこう言う。

千咲

面白いが、それは出来ない。

七海

…なんで。

千咲

死神の世界の上層部の方々は人間だけが得する道を好まなくてな。

千咲

これは私の意思ではない。命令だ。

七海

やっぱり千咲ってまじの死神なの?

千咲

さっきからそう言ってる。

七海

へぇ…

私が少し俯いてため息をつくと、千咲は首をかしげる。

千咲

…なんだ?まだ疑っているのか?

七海

いやそういう訳じゃない…って言ったら嘘になるけど。

そういえばさっきから千咲の顔が見えない。

声から勝手に女性だと思っていたが、そうじゃないのかもしれない。

千咲は相変わらず、コートのフードを深く被っている。

千咲

…しょうがない。

千咲

面倒臭いが、人間に我々の存在を証明するのであれば、これが得策だろう。

七海

…どうかした?

千咲が大きなため息をつくと、いつの間にか私たちは知らない誰かの家にいた。

一人暮らしの老人の家だろうか。

目の前にはぐーすか寝ている老人がいる。

千咲

おい七海。

七海

…?!

七海

ここは誰の家なの?!

七海

ここまで一体どうやって来たの…

そこまで言いかけたところで、千咲が遮る。

千咲

無駄話はいい。

千咲

いいか。よく見ておけ。

千咲はそういうと、さっきと同じように懐から分厚い本を取り出す。

そして、石川拓郎(89)と書かれた所を指さし、私はその人物が目の前にいる老人だと悟る。

七海

まさか

千咲

そうだ。人間がよくイメージする死神の仕事だ。

千咲の人差し指が、老人の額を触れる。

その瞬間、老人は苦しそうに胸を抑える。

石川拓郎

うぅ…くっ…苦しい…

石川拓郎

あぁ…痛い!!!

石川拓郎

くっ…

老人は、何秒かもがき苦しみ、

そのまま動かなくなった。

七海

ひいっ…!!

人の死を目前にした私は、思わず悲鳴をあげそうになった。

だが、じっとこらえて、千咲の様子を伺う。

千咲

千咲はただ無表情で突っ立っている。

精神は安定しているようだ。

それでいて、少し悲しそうだった。

そして、千咲の力によって、先程の公園に戻ってきた。

千咲

どうか?我々死神の存在が信じられるか?

七海

死神を信じちゃいけないんだろうけど

七海

いいよ。信じる。

千咲

これで晴れて私は君の救世主になるわけだ。

七海

救世主?バカ言わないで。

七海

あなたが望むのは何?

千咲は、少し考えてこう言う。

千咲

さっきから言っているだろう。

千咲

私はあなたに眠る深い欲望。

千咲

私が欲しいのはあなた自身。

七海

…つまり私自身が復讐の代償?

千咲

話が早く助かる。

千咲

だが、意味合いとしては少し違う。

七海

どういうこと?

千咲

復讐するのには、少なからず時間が必要だ。

千咲

その間、私に体を貸してほしいのだ

七海

何日、あるいは何週間か体をよこせって?

千咲

寄越せとは言わない。

千咲

ただ貸してくれるだけでいい。

千咲

復讐の代償が体貸すだけなんだ。

千咲

命を取らない分安いものだろう。

確かに、内蔵を取られるよりはましだ

そういう点では、殺し屋よりも死神の方が頼りになる。

七海

わかった。

私は渋々同意する。

どうしても彼が憎い。

千咲

体を借りる期間は、大体2週間か3週間だ。

千咲

その間、君は私の体で生活してもらう。

千咲

いいね?

七海

…うん。

七海

でも約束して欲しい。

七海

ほんとに、彼に復讐できるんだよね?

私がそう聞くと、千咲は会った時と同じように妖しげに微笑んでこう言う。

千咲

ああ。もちろん。

千咲

復讐は出来るさ。
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