スケッチブック3

そして、スケッチブックの存在を忘れかけていたころ

私は走った。しょう先輩のもとへ。

スケッチブックでしか話したことは無いけど、しょう先輩への思いはホントだって言える。

病院に行く前に公園によった

するとスケッチブックが置いてあった

ずっと見てなかったスケッチブック。なんか書いてあるかな？

“みさきちゃんへ”

“俺はもう絵とか文字書けないから、俺が口で伝えて病院の先生に書いてもらったよ。みさきちゃんがこれを読む頃も、俺生きてるかな？笑俺はみさきちゃんが入ってくる少し前に脳の病気で今年の春まで生きれないって言われたよ。だから部活もやめたんだ。俺はみさきちゃんがバスケ部に入ってきた時から、一目惚れしちゃってた。恥ずかしいけど。笑名前を教えてくれた時みさきって言われてまさか違うよねとか思ってたら友達と話してるの聞こえちゃって、犬の散歩とかするって。それで後つけたらみさきちゃんがスケッチブック見てて。めっちゃびっくりした笑”

“俺はみさきちゃんが好きです”

私はしょう先輩のもとへ走った。

ガラガラ

私は完成してない絵を見つけた

私はしょう先輩にハグをした

高校2年の春。私のファーストキスをした。

しょう先輩は空になった

最後の最後まで私達は手を繋いだ。

私が高校生に体験したスケッチブックの切ない恋だった。