テラーノベル
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震えるりょうちゃんを、2人で抱きしめる すると、倒れ込むように眠りに落ちたりょうちゃん やっぱり疲れちゃってるんだろう 再びりょうちゃんをベッドに運び、今度は3人で横に並んで寝た
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若井に叩き起こされ、 見るとほんとにりょうちゃんがいない 部屋を見渡すと、開きっぱなしのドア まだそれ程時間は経っていないらしい 外へ行ったとしてもまだ遠くへは行っていないだろう
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その時、1階から微かに物音がした
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ガタッ
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りょうちゃんはキッチンにいた
血を滴らせて。 よく見ると、手にはナイフ 下腹部には抉ったような傷跡が。
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自分を卑下する言葉を呟くりょうちゃん 精神的にもやられていて、大粒の涙を流している
そしてやはり、傷つけたのが下腹部とは… そういうこと、なのだろう 経験した人にしか分からない、気持ち悪さ… 排除したいものに違いない
若井が救急車を呼んでくれたので、 僕はりょうちゃんの肩を揺さぶってみる
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ザシュッ
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突然のことだった 脳が追い付かない りょうちゃんが若井を切りつけた 持っていたナイフで。 わざとかは分からない、けど…
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ショックと貧血だろう、りょうちゃんが突然倒れた 反射的に受け止めることができたが、 お腹の傷と心の傷は…手遅れかもな、
間もなく救急車が到着し、病院へと向かった
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2日後、お見舞いに来ると 病室には誰もいなかった 部屋の机の上には1枚のメモがあった
『きたないこ、めいわくなこは、おちます』 『いままで、ありがとう』
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嫌な予感がして、 若井と一緒に、屋上へ。
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屋上に行くと、 塀の上に立っているりょうちゃん。
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りょうちゃんは外側を指差す
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飛び降りたりょうちゃんを、すんでのところで2人で捕まえた 全力で引っ張り上げ、こちら側へ引き戻す
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りょうちゃんのキズが癒えることは、 多分、一生ないだろう “死” を何度も望んでしまう程だから。 だけど、それを出来るだけ和らげてあげる それが俺たちのお仕事。 苦しみを分け合うことも出来ないけど 大切な大切なりょうちゃんを、 命に代えても、守り切る。 もう二度と、独りにはしない。
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