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あれ?意外と長いんだ、落ちていくのって。 わたしは自殺する人間だから、天国には行けないんだろうな。 このまま地の果てまで、限りなく落ちていくはずー。 重い衝撃が、全身に走って。痛い、と感じることなく、私の意識は そこで途絶えた。
死後の世界
開いた目に映ったのは、男の子の顔。 金髪のロングヘアーに陶器のような白い肌。 整った目鼻立ちが近づいてくる。もうすぐ唇に唇が触れる。 あと三センチ、あと二センチ、あと一センチ、って......。
折原安音
ばたつかせた足が命中した男の子は吹っ飛ばされ、長い金髪がうねった。 からだをクの字に折り曲げ、ゴホゴホと咳をしだす。 どうやら、わたしの渾身のキックが、いいところに命中したらしい。
それにしても、彼は変な格好をしている。白の学ランなんて マンガでしかみたことない。金髪も青い目も彫刻みたいに整った顔立ちも、 まるで......天使みたい。今やろうとしてたことは、悪魔だけど。まさか、 外国人とか?
折原安音
折原安音
天使
天使
天使
人のファーストキスをなんとも思ってないような言い方に ムッときたのはほんの一瞬で、すぐに上半身を起こしたわたしは 冷静になって辺りを見回していた。 どこでまでも広がる、白い光。前を見ても後ろを向いても、 上を見ても下を向いても。すべてが、白だった。世界が白でできている。 そんな奇妙な世界に、わたしと男の子がぽっかり浮いていた。
天使
天使みたいな男の子が、真顔になって言う。
折原安音
お風呂の栓を抜いたかのように、頭のどこかでつかえていた 記憶が一気に溢れ出した。 わたし。お母さん。お父さん。夢香。学校。美琴。舞。有希。里央。千尋...... 思い出したくもないことまで思い出して、背筋が震える。 天使が胸ポケットから手帳らしきものを取り出し、羽ペンでなにやら 書き込んでいる。
天使
天使
天使
天使
折原安音。たしかにわたしの名前。生年月日も今日の日付も、 すべて正確だった。
天使
折原安音
折原安音
天使
天使
天使
折原安音
天使
天使
天使
天使
天使
天使
天使
折原安音
続く...
ヌシ
ヌシ
折原安音
ヌシ
天使
ヌシ
折原安音
ヌシ
折原安音