親友に告られた話。

１階から母の呼ぶ声が聞こえる。

朝陽と奏多は校門の前で鉢合わせた。

すると、朝陽はスタスタと奏多に背を向け、学校に向かって歩き出した。

いつもだったら校門あたりで会ったら教室まで一緒に行く。

挨拶の次は他愛のない世間話から会話は始まる。

朝陽は優しく笑って話す。

担任はバンッと黒板に手を置いた。

そこには 『♡文化祭実行委員会♡』 と、書かれていた。

でも、忙しい方がいいかもな…

奏多は朝陽の方を向いた。

目が合い、お互いにフイッと逸らした。

忙しかったら朝陽のこと、少なくとも意識する時間は減るから＿＿

奏多は廊下に出て、ぐーっと伸びをした。

奏多の隣で薫はニッと笑った。

これは俺の心の問題だから。

その時、朝陽は廊下の角から出てきて、奏多とぶつかりそうになった。

朝陽はスタスタと奏多たちの脇を通り、行ってしまった。

結構ツラい…

ピーンポーンと奏多はオーダーコールを押した。

笑顔で奏多の前に立つのは…

奏多の元カノだった。