無能なりの生き方

俺やるわ。

お前の方がちびやろがい！

あ、零兄さん。
後で俺の部屋来て。

行くぞ。

やっっっば。

久しぶりに怖いって思ったわ…

ちなみにショッピ君。
貰った能力何だったん？

⁉
零は能力使ってたが…

何？

ああ。

別に何も…
いや。あった。

そんなん人によって違うんちゃう？

俺は『付与』の能力を『付与』したことがあるけど、

皆、俺と全く同じだった。

でも、零だけ違う…

…でもショッピ君は新しい能力あるやろ？

『エフェクト』？

そういう事か。
分かったぞ。ショッピ君。

どういうことだ？
トントン。

俺らは零に騙されとったんや。
最初から…

皆、考えてみ。

零は…
ショッピ君が無能って言われないように
俺らを残した時からずっと噓をついてたんや。

しかも、ホントの中に嘘を混ぜる形でな。

兄弟っつうのはホント。
ショッピ君への能力付与はウソ。
自分では殺し合いと言っておきながら俺らを殺そうとはしなかった。
ショッピ君の安全を保障させる命令はホント。
自分のオモチャにしようとする命令はウソ。
殺し合いの時も俺らの能力が分かっているような立ち回りをしてた。

自分が嘘をついていることを明かさなかった。

そして俺らは…
零の素性や性格、能力とかの情報を全く知らない。
知っているのは名前と身長、外見、ショッピ君の兄だという事だけ。

特に能力は…

ショッピ君。
零のこと教えてくれへん？

…ショッピ君からも自分の情報が漏れないようにしとる。
つまり零は……

ショッピ君以外、
軍の皆を信用しとらん。

兄弟だという情報も隠しておこうとしてたんやろな…

この中の誰にも…
心を開いてない…