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シンが近くの総合病院に就職して、はや3年

シンは近所で腕のいい医者として 知られるようになっていた。

湊さん

(今でも俺には1ミリも分かんねぇような)

湊さん

(医学書やら論文やら読んで勉強してるし)

湊さん

(夢を叶えた後も)

湊さん

(現状に満足しねぇで努力し続けて)

湊さん

……ほんとお前はすげぇやつだよ。(シンの頭をなでる)

湊さん

(俺にはもったいないくらい)

シン

zzz

湊さん

またこんなところで寝て

湊さん

風邪引くぞ(ブランケットをシンにかける)

湊さん

(ブラック企業で働いてた頃が嘘みてぇに)

湊さん

(今は仕事もプライベートも充実してる)

湊さん

(……ただ1つ気がかりなことあるとすれば)

湊さん

(…それは)

翌日の夕食中

湊さん

なぁ、シン

湊さん

次の休みなんだけど

シン

……すみません。

シン

その日は用事があって、出かけるので

湊さん

……そうか、じゃあまた今度な。

シン

……はい。

湊さん

(ここ最近休みの度に)

湊さん

(1人で出かけていくことだ。)

湊さん

(……用事用事っていったい何なんだよ。)

湊さん

(……まさか浮気!?)

湊さん

(あいつに限ってそんなことねぇと思うけど……。)

そして迎えた休日

シン

それじゃあ、俺は出かけるんで

湊さん

……あぁ、気をつけてな。

湊さん

いってらっしゃい。

シン

いってきます。

湊さん

(さすがにこう何度も行先も告げずに出かけられると)

湊さん

(気に何だろうが。)

湊さん

(……今ならまだ間に合う。)

湊さん

(……あとをつけてみるか。)

とことことこ

湊さん

……あいつどこに向かってんだ?

湊さん

(シンに気づかれない様に距離を取りながら、あとをつける)

そしてたどり着いたのは

湊さん

(……よく待ち合わせに使われてる場所)

湊さん

(……誰かと待ち合わせしているのか?)

そして数分後

湊さん

……あの女性(ひと)を待っていたのか。

湊さん

(……休日に女性と2人っきりで会いますなんて)

湊さん

(そりゃあ、俺には言えねぇよな。)

湊さん

(おっと、また動き始めた。)

湊さん

(あと追いかけねぇと。)

しばらく大通りを歩いた後

2人が入って行ったのは

湊さん

……ジュエリーショップ?

湊さん

(こんな高そうなもんばっか売ってる店で)

湊さん

(何か買うのか?)

湊さん

(……隣にいる女性(ひと)に。)

隣にいる女性と話すシンは

とても楽しそうに見えて

湊さん

(……そんなキラキラした目して)

湊さん

(……嬉しそうに笑いやがって。)

湊さん

(……その顔は全部、俺だけのものだったのに。)

湊さん

(俺よりその女性(ひと)のほうがいいってぇのかよ!)

タタタタタッ

シン

(……さっき、湊さんに似た人がいたような)

女性

……どうかしましたか?

シン

……いえ、何でもないです。

俺は来た道を走って引き返す

湊さん

(……シンはもともと俺と違って)

湊さん

(男が好きってわけじゃねぇんだ。)

湊さん

(……あいつももういい歳だし)

湊さん

(結婚してぇって思っても不思議じゃねぇ。)

湊さん

(……結婚して、子供作って)

湊さん

(ごくありふれた幸せな家庭を築く。)

湊さん

(……そっちのほうがあいつにとって)

湊さん

("普通"なんだよな。)

それから数時間後

シン

ただいま、湊さん。

湊さん

……おかえり、シン。

シン

どうしたんですか!?その目。

シン

そんなに腫らして

シン

何があったんですか?

心配そうに俺の目元に触れようと

近づいてくるあいつの手を

パシッ

湊さん

触んなっ!(シンの手を払い落とす)

シン

えっ?

シン

(……拒絶された?)

シン

(……どうして?)

湊さん

……生涯俺だけが好きって言ったくせにっ

シン

ちょ、湊さん。待って。

湊さん

ついてくんな!

湊さん

俺はもう夕飯食ったから

湊さん

1人で食ってくれ。

湊さん

じゃあな。

ピシャッ

俺は寝室の戸を閉め

ベッドに入ると

頭まで毛布を被りうずくまる

シン

湊さん!湊さん!(戸を拳で叩きながら)

シン

生涯俺が好きなのは

シン

湊晃あんただけです!

シン

この気持ちが変わることなんて

シン

絶対にありません。

シン

だから、お願いします。

シン

ちゃんと話をしましょう?湊さん。

シンは戸の前にしばらくの間いたようだったが

気づいた頃にはいなくなっていて

泣きつかれた俺は

そのまま寝入ってしまったのだった。

それから数日後

湊さん

……シン、お前今日仕事じゃねぇのか?

シン

今日は有給取ったので休みです。

湊さん

わざわざ今日、有給なんて取らなくても

湊さん

明日休みだろ?

シン

そうですね。でも、

シン

俺にとって今日は、

シン

1年の中で1番特別な日なので。

湊さん

……そうかよ。

シン

それに、これからは

シン

湊さんにとっても

シン

もっと特別な日になりますよ。

湊さん

シン

すみません。引き留めてしまって。

シン

常連さんが待ってますよね。

シン

いってらっしゃい、湊さん。

湊さん

……あぁ。……行ってくる。

それから

仕事を終え、帰宅した俺を出迎えたのは

パァーン🎉

シン

湊さん、誕生日おめでとうございます。

湊さん

……ありがとう、シン。

湊さん

(お前が言ってた特別な日って)

湊さん

(俺の誕生日のことだったのか。)

湊さん

(すっかり忘れてたな。)

シン

湊さんの好物たくさん作りましたよ。

シン

それと日本酒もありますよ。

湊さん

……色々用意してくれてありがとな。

湊さん

でも、湊さんあんまり食欲ねぇんだわ。

湊さん

……悪(わり)ぃな。

シン

待ってください、湊さん。

ぎゅっ

湊さん

はなせっ、シン。

シン

嫌です。

シン

あの日からずっと

シン

……俺たちちゃんと話せてないじゃないですか。

シン

どうしてあんな風に思ったのか

シン

ちゃんと理由を教えてくれるまで

シン

放しません。

ぎゅっっ

シンの俺を抱きしめる腕の力が強くなる

湊さん

……見たんだよ。

湊さん

……お前が、女性と2人で

湊さん

……嬉しそうに、指輪選んでるところ。

湊さん

……俺より、あの人の方が

湊さん

……特別なんだろ。

シン

違います。

シン

あの人は同僚の奥さんで

シン

ジュエリーデザイナーだから

シン

宝石とかデザインとか詳しくて

シン

湊さんの結婚指輪を選ぶ

シン

手伝いをしてもらってただけなんです。

シン

俺一人じゃどうしても1つに絞り切れなくて。

湊さん

はぁ!?

湊さん

……結婚……指輪?

シン

約束したじゃないですか。

シン

俺がまだ学生の頃

シン

もっと大人になったらプロポーズしますって。

シンは小さな小箱を取り出すと

その小箱をゆっくりと開ける

シン

これは

シン

俺が生涯湊さんを愛する誓いの証です。

シン

……受け取ってもらえますか?晃さん。

湊さん

(……お前ずるいんだよっ)

湊さん

(いつも湊さんって呼ぶくせに)

湊さん

(……こんな時に名前で呼びやがって)

湊さん

……あぁ。

湊さん

……はめてくれるか?(シンに左手を差し出す)

シン

はい!もちろんです!

湊さん

……ぴったりだな。(左手を眺める)

シン

よかったです。

シン

これから湊さんはこの指輪を

シン

肌身離さず身につけること。

シン

いいですね?

湊さん

……でも、仕事中はその

湊さん

常連さんに気づかれたりすんのは

湊さん

……困るっていうか。

シン

そう言うと思って

シン

ネックレスにできるようにチェーンもありますよ。

シン

これで何も問題ないですよね?

湊さん

……こんなもん贈りやがって

湊さん

もう、俺がどんなにおじさんになっても

湊さん

手放してなんてやらねぇんだからな。

シン

嬉しいです。

シン

これから先もずっと

シン

湊さんが隣にいてくれるってことですよね。

俺はシンに左手を取られ

シン

俺、香月慎太郎は

シン

湊晃を生涯愛することを誓います。

ちゅっ

湊さん

////(指輪にき、キス!?)

シン

……顔真っ赤

シン

湊さん、かわいい。

湊さん

う、うるせぇ、かわいい言うな。

湊さん

……ほら早く出せよ。(シンに手を差し出す)

湊さん

……お前のは俺がはめてやるから。

シン

はい!

湊さん

……指輪の交換

湊さん

……なんだか結婚式みてぇだな。

シン

それじゃあ、

シン

今日は俺たちの結婚記念日ですね。

湊さん

け、け、結婚、記念日!?

シン

指輪の交換しましたし

シン

どんなにおじさんになっても

シン

俺のこと手放さないって言ってくれたし

湊さん

……うっ。

シン

……あとは誓いのキスだけですね?

キスしようと迫ってくるシンの口を手でふさぐ

シン

……何するんですか。

湊さん

ちょっと待てって。

シン

……俺とキスするの嫌?(可愛く媚びる)

湊さん

(……ほんと媚びるのうまくなりやがって)

湊さん

(どう使えば俺がうなずくか分かってやってやがる。)

湊さん

……嫌じゃ、ねぇけど。(目をさまよわせる)

シン

クスッ

シン

じゃあ、何も問題ないですね。

シンは自身の口をふさいでいる

俺の手を引きはがすと

ちゅっ

湊さん

んっ!?(ビクン)

シン

……湊さん、口開けて。

湊さん

……そこまでする必要な

湊さん

んぁ、……ぁっ、

シン

……逃げないで、もう少しだけ。

湊さん

(……シンとのキス久しぶりで)

湊さん

(……気持ちよくて)

湊さん

(……流される)

……ちゅっ……くちゅ…

湊さん

……はぁ、……はぁ

湊さん

……お前、長すぎんだよ!

湊さん

ち、誓いのキスは

湊さん

触れるだけだろうが。

シン

いいじゃないですか。

シン

ここには俺たちしかいないんですから。

シン

……それにあの日から

シン

湊さんに触れられなくて

シン

全然湊さんが足りないんです。

シン

……本当はもっと(湊さんの服の中に手を入れて)

湊さん

そ、それ以上は、だ、だめだっ。
(服の中に入り込んだシンの手を押さえる)

湊さん

……まだ、夕飯食ってねぇし

湊さん

……風呂だって入ってねぇから。

シン

……そのあとならいい?

湊さん

……あぁ。

湊さん

……いいよ。

シン

じゃあ、早く食べましょう?

シン

俺、お腹ぺこぺこです。

湊さん

……俺も腹減った。

シン

湊さんの好物たくさん作りましたから

シン

いっぱい食べてくださいね。

湊さん

あぁ、お前の作るもんは何でもうまいからな。

湊さん

いただきます。

シン

いただきます。

湊さん

ん~。やっぱうまいなー。

湊さん

シンの作るアジフライ。

シン

喜んでもらえてよかったです。

湊さん

お前ももっと食えよ。

シン

はい。

こうして俺の誕生日は

より特別な記念日になったのでした。

kumazuki

最後までお読みいただきありがとうございました。

kumazuki

今回の作品はリクエスト、シン家を空けるにお応えするために書かせていただきました。

kumazuki

帰宅予定日を過ぎてもシンが帰ってこなくてというイメージだったと思うんですけど頻繁に家を空けるという形に変更させていただきました。

kumazuki

このリクエストをもらってこの話を書きたいなと思ったので。いろいろなお話を経た上で、この話をアップしたいと思ったので、投稿を上げるのがだいぶ遅くなってしまいました。すみません。

kumazuki

楽しんでもらえたら嬉しいです。

kumazuki

リクエストはいつでも募集中なのでお気軽にどうぞ。

kumazuki

感想をもらえると泣いて喜びます!

kumazuki

長くなってしまったので今回はここまでにして、このあとのお話をもう少しだけおまけとして書きたいなと思ってます。

kumazuki

では次回のお話でお会いしましょう。

みなしょー夢小説 小話

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この作品はいかがでしたか?

6

コメント

4

ユーザー

追伸:湊&シンがもちろん好きなのですが、明日香&柊も好きなのでそちらも思いついたらリクエストさせていただきますね^_^

ユーザー

お忙しい中、投稿ありがとうございました✨ 自分のつぶやきが素敵な作品になってくれてとっても嬉しいです^_^ また思いついたらリクエストさせていただきますね💕 これからも楽しく読ませていただきます^_^

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