テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
パオズ
パオズ
パオズ
パオズ
パオズ
パオズ
パオズ
アルフレッド
アーサー
雪の積もった、寒い寒いある日の朝。 W学園に通う生徒を乗せたスクールバスがガタゴトと音を立てながら学校へと向かっていく。
アルフレッド
朝は眠くていつもバスで寝ている俺だけど、今日は珍しく起きていた。太陽の光と凍結した道路による揺れのコンボで眠気が覚めてしまったからだ。 金色に光る外の雪を眺めていると、あるバス停にバスが止まった。
そこに居たのは、一人の生徒だった。
アルフレッド
アルフレッド
俺は目を見張った。黄金色の光が真っ直ぐに差し込むのは、虹色に輝いている長いまつ毛に広葉樹の森を想起させるペリドットの瞳、窓越しでもわかるサラサラとした質感のブロンドヘアを持つ正にアニメで見る精霊のような容姿の男子生徒。
アルフレッド
あの見た目ならモテてもおかしくはない。校内でももちろん目立つはずなのに、見たことがないのはなぜだろう。
アーサー
運転手
彼はお決まりのように運転手に挨拶して、車内を歩いて空いている席を探した。途中、俺と目が合った。
アルフレッド
アーサー
彼は俺を見つめると、一瞬目を見開かせて固まったが、すぐに隣の空いている席に目を移して座った。
アルフレッド
アルフレッド
彼の息遣いや仕草の一つ一つが気になる。これが一目惚れってやつだろうか。
アルフレッド
アーサー
アルフレッド
彼はか細い声で呟いて、身を縮めて手をこすった。今にも霜焼けになりそうで見ていられない。
アルフレッド
俺はカイロを袋から取り出して、充分に振った。そして、彼の席に投げた。
アーサー
アルフレッド
アルフレッド
俺はあからさまな寝息をたてながら目を閉じた。10秒ほど目を閉じていたら、本当に眠くなってきて、学校につくまで寝てしまった。
男子生徒1
男子生徒2
男子生徒1
男子生徒2
男子生徒1
男子生徒2
運転手
アーサー
アルフレッド
アルフレッド
アーサー
アルフレッド
彼に起こされた俺は気まずさと恥ずかしさで、さっさとその場を去ってしまった。先輩か後輩か分からなかったので敬語にしてしまったが、気に障らなかっただろうか。
アーサー
教師
アルフレッド
アルフレッド
アルフレッド
アルフレッド
アーサー
アルフレッド
アーサー
俺の消しゴムを拾った、もっさりとした髪の毛と黒縁メガネの彼は俺の隣の席のアーサー・カークランド。他の人からは何故か知らないけど嫌われている。
アーサー
アルフレッド
アーサー
アルフレッド
アーサー
アルフレッド
床から消しゴムを取って身体を起こす途中で彼が止まったと思ったら、まさか彼から俺の好きなバンドが好きだと伝えられた。マイナーなロックバンドで、同年代でなかなか知っている人がいないから驚いた。でも、それ以外に1つ気になったことがあった。
見上げている彼の重たい前髪とメガネの奥から、普段なら見ることのできない緑の瞳が覗いていたことだ。
アルフレッド
アーサー
アーサー
アルフレッド
アルフレッド
それから彼はすぐに向き直って問題を解き始めた。
アルフレッド
アルフレッド
アルフレッド
アーサーは俺が朝あの人にあげたカイロと同じカイロを持っていた。手をカイロになすり付けて、手の甲、手のひらと何度もひるがえして温めていた。
アルフレッド
男子生徒2
アルフレッド
男子生徒1
生徒たち
担任
担任
アルフレッド
(訳:私は勝者だ!)
男子生徒1
アルフレッド
男子生徒1
生徒たち
アルフレッド
アルフレッド
アルフレッド
アルフレッド
アルフレッド
アーサー
アーサーは俺に何か言いたげにじっと見つめてきた。
アルフレッド
アーサー
アルフレッド
アーサー
アルフレッド
アーサー
アルフレッド
アーサー
アルフレッド
アーサー
男子生徒1
男子生徒2
アルフレッド
アーサー
アルフレッド
男子生徒1
男子生徒2
男子生徒1
アーサー
男子生徒1
アーサー
男子生徒2
アルフレッド
男子生徒1
アルフレッド
男子生徒2
男子生徒1
アルフレッド
アーサー
アルフレッド
アーサー
アルフレッド
俺は直前で言うのをやめた。せっかく新たにできた友達を傷つけてしまうところだったかもしれなかったからだ。なぜ周りから嫌われているのか聞こうとしたが、さすがに今聞くのはナンセンスだと空気の読めない俺でもわかった。
アーサー
アルフレッド
女子生徒1
アルフレッド
女子生徒1
女子生徒2
女子生徒1
女子生徒2
アルフレッド
女子生徒1
アルフレッド
女子生徒2
女子生徒1
アルフレッド
女子生徒1
女子生徒2
アルフレッド
女子生徒1
アルフレッド
アルフレッド
俺の友達のフランシス・ボヌフォワは、いつもみんなのお兄さんぶってる超ド変態。一度訪れたことがある彼の部屋には未成年は入手できないはずの薄い本がたくさん積み上げてあった…。
彼は体調不良で欠席だ。彼、意外と体弱いから当分は暇だろうな。話し相手だったし。
ナターリヤ
イヴァン
アントーニョ
ロヴィーノ
アルフレッド
このバスの中は夕方になると恋愛ムーブをかますペアが多く、少々うんざりしてしまう。こんな俺にも欲はあるので、恋人はできれば欲しい。だからどうしても羨ましくなってしまう。
アルフレッド
俺は窓の外を退屈そうに眺めている彼の方をちらっと見てからとっさに目を逸らした。彼で恋愛の妄想をしてしまった罪悪感に滲み倒されそうだったからだ。
アルフレッド
菊
アルフレッド
この漆黒の髪と琥珀の瞳を持つ落ち着いた雰囲気の男子生徒は、俺のオタク友達の本田菊。アニメの語り合いに勉強の教え合い、恋愛相談と幅広く助けてもらっている。彼が学級委員長でお人好しだからなのかもしれないが俺以外にも色んな人に頼られている。
菊
アルフレッド
菊
菊
菊
菊
アルフレッド
アルフレッド
菊は時々全てを見透かしたような、宇宙をもねじ伏せるような笑みを浮かべる。黄昏色の瞳もどす黒く、何を考えているのか分からない。
アルフレッド
菊
菊
アルフレッド
菊
菊
菊
「全員なんだろうな…」という心の声を留めつつ、俺は菊に聞いた。
アルフレッド
菊
菊
アルフレッド
菊
菊
アルフレッド
運転手
菊
運転手
フェリクス
トーリス
運転手
アルフレッド
アーサー
スマホから流れる音声
アルフレッド
アルフレッド
アルフレッド
数秒前
アルフレッド
ファンクラブの公式アプリで誰かにフォローされた。このアプリは自分の推し活の成果をシェアしたりできるSNS型のアプリで、気になった人にはフォローもできる。相互フォローしてフレンドになるとDMもできる。
アルフレッド
アルフレッド
アルフレッド
アーサー
アルフレッド
アーサー
アルフレッド
アーサー
アーサー
/s/[storyId]/_components/chat-script-render/op/end-call/assets/call-end.7ffbe621715a9ef9.png)
通話
00:00
アルフレッド
アーサー
アルフレッド
俺は違和感にすぐ気がついた。彼のいつもの弱々しい声と消え入りそうな話し方が一変して、芯のある男らしい話し方へとなっていたからだ。
アルフレッド
アルフレッド
アーサー
アルフレッド
アーサー
アルフレッド
アーサー
アルフレッド
アーサー
アルフレッド
アーサー
アルフレッド
アーサー
アルフレッド
電話越しでも伝わるほどの圧に文字通り圧倒され、ひるんでしまった。何かバラされたくない深刻な事情があるのだろうか。
アーサー
アルフレッド
アルフレッド
アルフレッド
アルフレッド
アルフレッド
あの日以来、俺はあの人を見るために頑張って起きていた。彼が気になるのもあるけど、なにより彼の話しているところを見てみたいからだ。
菊
アーサー
アルフレッド
俺は菊に、彼と話してみてくれないかと頼んでおいた。そうしたら頼み通り、話しかけてくれた。
アルフレッド
菊
アーサー
菊
アーサー
菊
アルフレッド
アーサー
菊
アーサー
アルフレッド
菊
アルフレッド
アーサー
まさかの俺がセレクトされた。彼もどちらかと言えば悪い意味で驚いている。菊は何を考えているんだ。俺は嬉しいしむしろ大歓迎だけど、彼は迷惑じゃないだろうか。
アルフレッド
菊
アルフレッド
アーサー
菊
アルフレッド
アルフレッド
菊
アルフレッド
アーサー
菊
菊から叱りを受けている気がした。俺は本当に怖い友達を持ったな。彼も多分呆れてる。これで本当に学級委員長でしかも学年2位なのだろうか。
菊
アルフレッド
アルフレッド
菊
アーサー
アルフレッド
菊
アルフレッド
仲のいい友達が菊だけでは心細いので、最近仲良くなったアーサーも呼ぼうと思うが、アーサーはあまり周りからの評価がよくないことに気がついた。でも物は試しなので出来ることはやってみようと思う。
アルフレッド
アーサー
アルフレッド
アーサー
アルフレッド
アルフレッド
アルフレッド
アルフレッド
アーサー
アルフレッド
アーサー
アルフレッド
アーサー
ふと湧いて出てきた邪で忌々しい感情を捻り潰すように言の葉をペラペラと発した。俺がアーサーに対して「かわいい」だなんて。浅はかも甚だしい。進みすぎている考えだけど、もしかしたら俺はあの人だけじゃなくてアーサーの事も好きなのかな。いやダメだダメだ本当に。もうこれ以上考えたらいけない気がする。
女子生徒3
アルフレッド
アルフレッド
最近、つきまとってくる後輩がいる。多分中学時代に何度か関わったんだろうけど、正直あまり覚えてない。こうしてしつこく誘ってきたりするから、モンスター化しないために何度もOKしてるんだけど正直限界だ。
アーサー
アルフレッド
女子生徒3
女子生徒3
アルフレッド
女子生徒3
アルフレッド
アルフレッド
女子生徒3
アルフレッド
アルフレッド
女子生徒3
アルフレッド
女子生徒3
あれから翌日、約束通りアーサーがグッズをもらいに俺の家に来た。
アーサー
アルフレッド
アルフレッド
アルフレッド
俺は結局アーサーへの気持ちが止まるどころかどんどん好きになってしまい、目が合ったらどうしようもなくなるほどまでに発展してしまった。
アルフレッド
なーんて、バカな事を考える。本人に相談するとか、我ながら怖いもの知らずだな。相談するとしても、なんとか悟られないようにしなければ。
アルフレッド
アーサー
アルフレッド
アーサー
アルフレッド
アルフレッド
アーサー
アーサー
アーサー
アーサー
アルフレッド
アーサー
アーサー
アルフレッド
アーサー
アーサー
アルフレッド
彼に肩を掴まれて、ハグをされた。彼は俺を労るつもりでやったのだろうけど、俺にとっては勘違いに拍車をかけるものだった。期待してしまっていいのだろうか。こんな密室で。しかも俺の部屋で。
アルフレッド
あまりにも近すぎるので、彼の透き通った目がはっきりと見える。そこに俺が映ってる。どうせなら眼鏡を外して、もっと目の前の俺を見てほしい。裸眼のボヤけた状態でもいいから。
アーサー
俺は彼の黒縁メガネを外して重い前髪をかき分けた。
アルフレッド
アーサー
アルフレッド
アーサー
アルフレッド
アーサー
アルフレッド
アルフレッド
アーサー
アーサー
彼は強引に俺の手からメガネを奪い取ってかけ直した。こうして自分の瞳と近くでまじまじと見られて恥ずかしがってるのもまた…
アルフレッド
アーサー
アルフレッド
アルフレッド
アーサー
アルフレッド
アルフレッド
俺はアーサーの胸に耳を当てた。彼の心臓の音よりも、自分の心臓の音の方が気になる。ドッドッと今にも胸板を突き破って出てきそうな生命力溢れる音が身体中に響き渡る。また、彼の心臓も同じようにドクドクと共鳴している。
アーサー
アーサーは俯いて顔を真っ赤にして恥ずかしそうにしている。彼もまた同じ気持ちなのだろうか。まさかな。
アルフレッド
アーサー
アルフレッド
アルフレッド
アーサー
アルフレッド
アーサー
アーサー
アーサー
アルフレッド
アーサー
彼と話していたら自然と心も落ち着いてきて、心音も聞いているうちに眠くなってきた。一瞬、くぐもった音しか聞こえない空洞の中に引きずり込まれたような感覚に陥り、その後急に意識が途切れ、俺は眠りについた。
アーサー
アーサー
パオズ
パオズ
パオズ
𝐍𝐞𝐱𝐭······▸♡0
パオズ
パオズ
パオズ