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LINE1418

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LINE1418

1 - あ

♥

17

2023年12月18日

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キイ

ねえいい加減にしてくれない?

キイ

もうあの人帰った?外めちゃくちゃ寒いんですけど

キイ

受験期の娘を真冬の夜の外に締め出す母親ってやばくないですかね?

アツコ

なにキイ今外出てるの?

アツコ

さっきまで家いたじゃん

アツコ

なんで〜?

キイ

なんでって、アツコが毎日毎日愛人のあの金髪の男の人を家に連れてくるからでしょ!?

アツコ

別にいいじゃん、私の新しい彼氏なんだから

アツコ

もしかしたら新しいお父さんになるかもよ?

キイ

本当勘弁してよ、私あんな人が家に住み着くなんて絶対に嫌だからね

キイ

結婚するのは勝手にしてもらって構わないけど、一緒に住むのは私が大学受かって一人暮らし始めてからにしてよね

アツコ

なによ〜タケルはね、見た目は確かに金髪でチャラチャラしてる感じだけど優しいところもあるんだからね?

キイ

その人仕事してないんでしょ?

キイ

アツコ絶対にいいようにされてるだけだって、無職の27歳の彼氏はやばいって

アツコ

母親を呼び捨てで呼ぶ娘もどうかとおもいますけどねお母さんは

キイ

いまさら恥ずかしくてお母さんなんて呼べないでしょ

キイ

てかお母さんて呼んで欲しいなら母親らしい振る舞いしてもらってもいいですか?

キイ

私四ヶ月後にセンターだよ?娘が頑張って受験勉強してる時に毎日彼氏家に連れてきてぎゃーぎゃー騒いだ後に

キイ

セックスするのが母親のやることだとは思えないんですけど

アツコ

やーねーキイ、いつそんなえっちな言葉おぼえたのよ

アツコ

受験生でたくさん勉強してるからってそんなことまで覚えなくていいのよ〜

キイ

目と耳であんたから教わったよ

キイ

昔からずっと男を取っ替え引っ替えしては隣の部屋でされてたらいやでも覚えるっての

アツコ

てかなんで外いるの〜?

アツコ

外寒いんだから中入れば?

キイ

受験に集中できないし、私はあの男が嫌いだからだよ!

アツコ

タケルいいやつなのに

キイ

あの人フツーにパンツ履かないまま私の前とか通ったり話しかけたりするし、

キイ

裸のままソファーの上に寝転んだりするでしょ?最低

キイ

しかも私の楽しみにとっておいた小岩井屋の濃厚ミルクプリン勝手に食べたし

キイ

無造作にテーブルの上におかれたゴミを見てどれだけ私の怒りの炎が燃え上がったか

アツコ

そんなことで怒ってたの?かわいーねーあんたはまだ

アツコ

男の裸なんて特別なもんじゃないってそのうち気がつくよ

キイ

そういう問題じゃないでしょ

キイ

デリカシーの問題よ、デ・リ・カ・シ・ー!

アツコ

そういうちょっと抜けてる部分があるところが可愛いところでもあるのよ

キイ

生理的に無理

キイ

てか私から見ればアツコはちょっとぬけてるどころか、

キイ

アメリカのネズミがチーズぐらい穴あきまくりで可愛い通り越して本当に大迷惑なんだけど

キイ

おねがい、私絶対に志望大学に受かりたいの

キイ

せめて私の受験が終わるまでは家で会うのやめて

キイ

本当にお願い

アツコ

いやよー

アツコ

だって仕事帰りにふたりで家に集合して私が手料理振る舞ってあげるのが私たちのルールだもん

キイ

野良猫じゃんもう

キイ

あの男、多分この家に食欲と性欲を見たしにきてるだけだよ

キイ

お母さんには悪いけど、あいつこの前他の女性と手を繋いで歩いてたよ

アツコ

タケルが?うそでしょそれは

アツコ

だってタケル、昼は人手が足りない農家のおじいちゃんおばあちゃんたちのためにボランティアを毎日してるんだよ?

アツコ

一年中

アツコ

昼は畑を耕したり、収穫したりして、おじいちゃんおばあちゃんが持てない荷物を代わりに持ったりしてあげて

アツコ

しかもおじいちゃんおばあちゃんたちの収入がそこまで多くないの知ってるから、お金受け取ってないの!

アツコ

そういう優しいところに惹かれちゃったのよね私

アツコ

そんな優しいタケルが浮気なんてことするわけないでしょ

アツコ

それにだいたい畑仕事っていそがしいんだから浮気する暇なんてないでしょ?

キイ

いやいやアツコ、あの男をちゃんと見てよ

キイ

肌めちゃくちゃ白いじゃん!あれ絶対陽の光浴びてない肌だから!

キイ

それにあの細い手足!あんなひょろなが男、畑仕事なんて一切できないから!

キイ

振り上げたくわ、そのまま後ろに持ってかれて、あぁんってなってるよ!

アツコ

何言ってんのあんたさっきから

キイ

騙されてるって!嘘つかれてるのアツコ!

キイ

しかも相当適当な嘘だよそれ!

アツコ

もうなにキイ、さっきから私の彼氏の悪口ばっか言ってさ

アツコ

本当感じ悪いよ

アツコ

もういいよ別に帰ってきたくないなら帰ってこなければいいじゃん

キイ

ちがうよ、私はアツコにしっかりしてほしくて

キイ

てか、ちょっとまって

キイ

なんで私が逆ギレされてるの

キイ

あぶない、流されるところだった

キイ

違うだろ!元々は騙されてようがなんだろうが、受験を間近に控えた娘がいるのにも関わらず、

キイ

彼氏も毎日毎日家に連れてきてギャハハ騒いで大声でメス声轟かせてるそっちがおかしいでしょ!

アツコ

うるさいうるさい!

アツコ

タケルのこと悪くいう人は私許さないから!

キイ

ねえ、私、あんたの娘だよ?

キイ

新しい無職の彼氏と血のつながった娘どっちが大切なの?

アツコ

私は私の好きなものを悪くいう人が嫌いなの知ってるでしょ

アツコ

てか受験勉強とかやめなよ、意味ないよ

アツコ

あんた私に似てバカなんだから大した大学いけないじゃん

アツコ

無駄な努力しないでね〜

キイ

なにそれ

キイ

ほんと、もう調子乗ってんな最近

キイ

一回、痛い目見た方がいいんじゃないの

アツコ

うるさいな!もう帰ってくんな!

アツコ

家の鍵閉めるから!

アツコ

謝っても無駄だからね!

キイ

いいよ、おばあちゃんち行くから

アツコ

お母さんの家?

アツコ

あんたお母さんに変なこと言ったらただじゃおかないからね

キイ

別に今更アツコとおばあちゃんの関係をどうにかしようなんて思わないよ

キイ

アツコ、おばあちゃんに本当頭上がらないもんね

アツコ

あの人、人の皮を被った鬼だから

アツコ

あんたも気をつけないととって食われるよ

キイ

そとで間抜けに凍え死ぬよりはいいよ

キイ

もし外で凍え死んだらアツコのこと呪うから

キイ

三途の川で待ち伏せして、アツコが川を泳いできたところ、岸に上がるのを妨害してやる

アツコ

なんで私泳いでんのよ

アツコ

船用意してあるでしょ普通

キイ

爆破した

アツコ

爆破すんな!

〜セツのチャットルーム〜

キイ

おばあちゃん夜遅くにごめんね

キイ

まだ起きてる?

セツ

キイちゃんこんな夜遅くにどうしたの

セツ

おばあちゃんはドンキーのメテオ練習してたから全然起きてたよ

キイ

おばあちゃんスマブラやってるじゃん

キイ

おばあちゃんスマブラやってるじゃん!

セツ

やってるよそりゃ

セツ

近所の子供達に勧められてね

セツ

気になったからちょっと始めてみたんだよ

キイ

それで最初からメテオの練習って、さすがおばあちゃんだよ

キイ

だから私おばあちゃんだいすき

セツ

あれま、今日は甘えん坊キイちゃんかい

セツ

勉強中だったの?あんまり夜遅くまで張り切りすぎないように

セツ

健康あっての勉強だからね

キイ

うんありがとうおばあちゃん

キイ

実は家に帰れなくなっちゃってね

キイ

今からお家行ってもいいかな?

セツ

家に帰れない?

セツ

鍵はどうしたの

キイ

アツコは

キイ

実は色々あってね

キイ

とりあえず行ってもいいかな

キイ

パジャマで外にいるから手足が悴んで凍え死にそうだよ

セツ

もちろん、おいでおいで

セツ

石焼き芋作って待っててやるから

セツ

気をつけてゆっくりくるんだよ!

〜次の日〜

キイ

今日もあの男くるわけ?

アツコ

もちろーん

アツコ

今駅のデパートで合流したからお買い物してすぐ帰りまーすん

アツコ

あ、確か私たちがうるさくてお勉強に集中できないんでしたっけ?

アツコ

無駄な

アツコ

私たちが帰る前にはやく自習室でもマックにでもいったほうがいいんじゃないですかー?

キイ

べつにいいよ、もう気にしないことにしたから

アツコ

あっそう、じゃあ昨日のはなんだったのよ

キイ

きをつけてかえってきてね

アツコ

急に何、白々しい

アツコ

なんか気味が悪いわね

キイ

そうかな

キイ

そういえば昔さ、鬼から電話っていう教育アプリ流行ったよね

キイ

悪いことしたり親の言うこと聞かなかったりしたらさ

キイ

怖い顔した鬼とか幽霊から電話がかかってきて怒られるやつ

キイ

昔はお母さんによくいじめられたよねそれで

アツコ

急になんの話よ

アツコ

てか懐かしいわねー

アツコ

あんた本当に鬼がいるって信じてビャンビャン大泣きしててさ

アツコ

ほんとにウケたわ

キイ

最低

キイ

でも子供ながら思ってたんだよな

キイ

私のママだって悪いことするのに鬼は怒らないんだもん

アツコ

はあ?

キイ

そんなのおかしいよね

キイ

ねえアツコ、悪いこととか言うことを聞かない子にね、やっぱり子供大人平等に鬼から電話が来るべきなんだよ

アツコ

へ?

〜セツとアツコのチャットルーム〜

ー着信ー

セツ

おいなんで無視してんだよ

セツ

鬼からの電話は出るべきだろうが

セツ

無視するならあんたが実家に置いて行った高校時代の超恥ずかしポエム帳コピーして市役所に置いてもらうからね

アツコ

すみませんでした

アツコ

一体キイから何を聞いたんでしょうか

セツ

全部だよ

セツ

最近はもうあんたのことはまるっきり諦めてたけど、まさかキイちゃんにまで被害を及ぼしてたなんてね

セツ

気がつかなかった私が馬鹿だよ

セツ

あんた、あの子が今どれだけ大変な時期なのかわかってないんだろ

アツコ

はいすみませんでした

セツ

あの子は決して勉強は得意じゃないけど、行きたい大学のために毎日必死になって頑張ってんだよ!

セツ

娘の努力をしかとみないで男といちゃついてるとかマジでシンジらんないから!

アツコ

お母さんちょっと若くない?

セツ

は!?

アツコ

すみません

セツ

それにこんな寒い真冬に娘を一人で外に放り出すなんてほんと考えらんないよ

セツ

お前あれだ

セツ

家賃引き上げる

アツコ

ええ!?

セツ

私のアパートに格安で済ませてやってたのを通常の値段に引き上げるだけだよ

アツコ

それだけはどうか勘弁をしてください!

アツコ

生活ギリギリなんですよ!

アツコ

それにキイの生活だって厳しくなっちゃいますよ!?

セツ

キイの面倒は当面私が見る

アツコ

ええ!

セツ

あと男とは別れなさい

セツ

キイが独り立ちするまでは控えろ

セツ

わかったな

アツコ

でも

セツ

でも?

セツ

はい言い訳しようとしたからペナルティ

セツ

明日から毎朝ランニング十キロね

アツコ

ええ!?

セツ

私毎日チャリンコであんたの後ろ走るから

セツ

一回サボるごとに家賃上げてくからよろしく

アツコ

まってくださいよ!

アツコ

本当に無理!

アツコ

ほんとに無理です!

セツ

はいまた言い訳、ペナルティ

セツ

毎日私のスマブラの練習付き合え

セツ

いいな

アツコ

なにそれ!?

セツ

いいな?

アツコ

はいわかりました

セツ

わかればよし

セツ

じゃあそう言うことだから

セツ

以上、鬼からのこわーいお話でした

アツコ

本当に申し訳ございませんでした

〜アツコのチャットルーム〜

アツコ

あんた話したわね

アツコ

帰ったら覚えてなさいよ

キイ

おばあちゃんから伝言

キイ

「まさかキイにやっかみかけようとしてないだろうな。もしキイに対して攻撃的な態度とったらペナルティ」

キイ

だって

アツコ

かんべんしてください!

キイ

どうしよっかな〜

キイ

報告しちゃおっかな〜

アツコ

どうかお恵みを!

キイ

いやだね〜

アツコ

もう最悪だ!

〜後日談〜

キイ

その後、アツコはペナルティを忠実にこなし、日に日に疲れ果てていきました

キイ

例の男も家に来なくなり、勉強も問題なく捗っています

キイ

他に変わったところはと言うと、

キイ

私の勉強中、親娘のスマブラに白熱する楽しそうな声がきこえてくるようになったことですかね
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