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雫希

皆さんこんにちは!初めての方ははじめまして!

雫希

雫希と〜

涙希

涙希です

今回はココ様のコンテストに参加させて頂きます!

雫希

おお〜!

締め切りに遅れてしまい大変申し訳ございません!!

雫希

……え,遅れたの?

涙希

コンテスト作品なのに遅れたのか?

はい…大変申し訳ございません…

思ったより書くのに時間がかかってしまいました…

雫希

本当にごめんなさいっ!

その分と言ってはなんですが400タップを超える長編となります!

指の体操をしてから見てください(?)

そして,今回は“愛情”のテーマを書かせて頂こうと思います!

雫希

拙い文ですが結構頑張って書いたのでぜひ予想しながら見て欲しいです!

そしてあわよくば優勝したいです!((

涙希

みんなぜひ♥️や💬よろしくな

また,ココ様もとても素晴らしい作品を書く方なのでぜひ見に行きましょう!

雫希

それでは本編いきます!

雫希

⚠️注意⚠️

・ご本人様とは一切関係ございません ・ココ様のコンテスト作品となります ・少し過激な表現がございます 苦手な方は自己防衛お願い致します ・nmmnについて理解のない方はご遠慮下さい

雫希

それじゃあ

行ってらっしゃい

ねぇ,知っとる?

学校の裏山のずっと奥の方に,めっちゃ不気味な館があるんやって!

そこではな,普通は売れないもんを売ってるらしいで…!

え?普通は売れないもんって何かって?

それはー…例えば,寿命とが時間とか

それと“愛情”とか

……え,行くん?

それじゃ,ありったけの金持ってかなあかんな!

代償が大きければ大きいほど願いが叶う確率が上がるんやって!

ん?道?そんなのないで!

心の底から願えば,いつの間にかその館が表れるって噂なんや

……ふーん,そんなに欲しいんや

なら,手に入るといいな!

りうら

……はぁ…はぁ…

その話を聞いてから裏山に入って,30分くらい歩いだと思う

ふと,目の前を見るといかにもあの話通りの館が目の前に見えた

りうら

……あった…

信じていなかった訳じゃないけど,こんなにあっさり見つかると思っていなくて呆然と立ちすくむ

りうら

すごい…!

りうら

本当にあるんだ!!

じゃあ,本当に“愛情”を……!

お金の入った封筒をしっかり握りしめて,ドキドキする心臓を落ち着ける

りうら

……よしっ…!

錆びたドアノブを掴み,ぐっと前に押した

カランコロン

りうら

……わっ…

心地よい音が鳴ったかと思えば,目の前には大量のビンがズラリと並んでいた

りうら

あのぉ…すみませーん…

遠慮がちにそう声をかけてみるも,誰も出てくる気配は無い

……誰もいないのかな

りうら

えぇ…まさか…あの噂は嘘…?

いやいや,でもお願いしながら探したら本当にこの館があったんだから!

絶対“愛情”を売ってくれるはず!

りうら

待ってれば誰か来るよね!

りうらは,誰かが来るまで大量のビンを眺めることにした

りうら

……寿命……純粋…?

瓶に貼られたラベルにはそんなことが書かれていて,中には四角くて黒い何かが入っていた

りうらはさらに別の段の瓶のラベルも読んでみる

りうら

……ふく,しゅう…?

りうら

えっと…しっと…ねた,み…?

上にフリガナがふってあるからなんとか読めるけど,どれも知らない単語ばっかりだった

りうら

んー…これも必要な感情なのかな…?

りうら

でもりうらそんなにお金ないし…買えないや…

他の感情はまたいつか買おう!

そう思ってまたラベルを眺める

りうら

…恋…いぞ,ん……あ!!

りうら

“愛情”だっ!!!

1番上の端っこに,りうらが1番欲しいものがあった

思わず手を伸ばして取ろうとする

りうら

……んーー!!

りうら

…届かない…

ぴょんぴょん跳ねてみても手は全然瓶に届かなくて仕方なく諦める

りうら

……あれがあれば…もう捨てられないのに…

if

何が欲しいん?

そう呟いた瞬間,後ろから男の人の声が聞こえた

りうら

…え!?わっ!!

if

…って,まだ子供やん…

男の人はりうらの顔を覗き込んでそう言った

if

ここは子供の来る場所じゃないで

if

道がわからんなら教えたるから,はよ帰りや

りうら

…え,えと…

りうら

“愛情”をください!!

if

……は,?

りうら

…お,お金はあります!

急いで封筒を開けて0が4個ある紙を50枚出す

if

…はっ!?

男の人が目を見開いて固まる

どうしよう…足りなかったのかな…?

りうら

…た,足りなければりうらの目玉をあげます!!

お前の目は綺麗だから売れる,と言われたことを思い出して言う

if

……ちょ,待て待て待て

りうら

……?

if

その金…どこから持ってきた?

りうら

えと…りうらが使えないから…

りうら

“愛情”を知らないから…

りうら

このお金もって…どっか行けって言われて…

if

……っ!

if

……不法投棄しやがって…((ボソッ

りうら

…これじゃ,足りませんか…?

不安になってそう聞くと男の人は困ったようにりうらに話しかける

if

…お前,名前は?

りうら

……りうら

if

年齢は?

りうら

…えと…8…?

if

……なんで“愛情”がほしいん?

りうら

……“愛情”を知らないと

りうら

また…捨てられちゃうから…

一通り質問しきったのか,男の人はまた考え込むように俯く

if

……金は,足りる

if

むしろ充分すぎるくらいにある

りうら

…じゃあ…!

if

……いや,でもなぁ…

if

…お前に…それをやるのは…

りうら

……?

if

……なぁ,りうら

if

愛を知らなくても,りうらのことを捨てないやつはたくさんいると思うで?

りうら

……でも,りうら,知りたい

それを手に入れたとき,世界はどんな風に変わるのか

それを,りうらは知りたい

if

……はぁ…

if

……金もあるし…本人の同意もあるからな…

if

……ええで,“愛情”売ったる

りうら

……!…やったぁ!!

りうら

ありがとうー!

お礼を言うと,男の人は心做しか微笑んでくれた気がした

if

それで,誰と“愛情”を育むん?

りうら

……え?

if

……ん?

愛情を…育む…?

りうら

えっ!?“愛情”って相手がいなきゃだめなの!?

if

そうやで

if

“愛情”は向ける対象に少なからずアプローチしてかなきゃならないからな

りうら

……?

りうら

…どういうこと?

if

えっと…つまりだな

男の人は一瞬考え込んだあと,りうらに言い聞かせるように言う

if

“恋”は,一方通行でも成立する

if

相手がおらんくても“恋”を知ることはできる

if

やから世の中には“片思い”とかっていう言葉を“恋”に対して使うんや

if

でも,“愛”は違う

if

“愛”は相手の存在が何よりも大事や

if

その“愛”が相手に認められなくても

if

その“愛”を感じた相手に何かしたいと思うんが“愛”やから

if

見返りを求めたり,見ているだけが出来なくなるのが“愛”なんや

りうら

……そっか…

知らなかった

2人で分かち合うのが愛なんだ…!

if

……その…分かったか?

りうら

……うん…何となく分かった!

りうら

でも…りうら相手…いないかも…

どうしよう…やっぱりいつでも会える人がいいよね…

でもあの人には捨てられちゃったし…

if

…りうらといつでも会えて,一緒に話してくれる人とか,おる?

いつでも会えて…お話してくれる…

りうら

……初兎,ちゃん…

if

…え?初兎!?

りうら

…え,お兄さん知ってるの?

if

……あー,まあ知っとるっていうか…

りうら

……?

if

…いや,なんでもない

if

それじゃあ,りうらは初兎に対しての“愛情”を買うってことでええな?

りうら

うん!

if

……1回知ったら,もう戻れないで?

りうら

……?…うん!

if

…そっか…なら,頑張らんとな

りうら

……?

お兄さんはそう言って1番上の端から“愛情”と書かれた瓶を持つ

if

それじゃ,着いてきてや

りうら

…どこ行くの?

if

これのままだと“愛情”を買ったことにはならんからな

お兄さんが瓶を振ると中の黒くて四角いものがカラカラと音を立てる

りうら

……それ,痛い?

if

いや,りうらはただ寝てるだけで大丈夫やから,安心しーや

またお兄さんがりうらに少し微笑んでくれる

りうら

…うんっ!

それだけでりうらも凄く安心できた

if

それじゃ,ここに寝てな

りうら

はーい!

ベットがあるだけの簡易的な部屋に通され,うつ伏せに寝転ぶ

if

それじゃ,ちょっと寝ててな

りうら

……ん…ぅ…

if

……嫌やなぁ…((ボソッ

微睡みの中で聞こえたその呟きの意味を考える暇もなく眠りに落ちた

if

……り…ら…り,うら…

りうら

……んん…?

if

りうら,起きてや

りうら

あれ…もう終わったの?

if

おん,終わりやで

りうら

……え!ほんと!?

慌ててベットから飛び起きてぐるぐる動いてみても何も変わった気配がない

りうら

……あれ?何も変わってないよ?

if

見た目に現れるもんやないからなw

if

初兎に会えば,多分わかるで

りうら

ほんとっ!?

りうら

りうら…やっと“愛情”が分かるんだ!

りうら

お兄さんありがとうっ!

if

どういたしまして!

if

…でもな,りうら…一つだけ…

if

“愛情”だけがりうらの感情やないからな

りうら

……?

あの時,お兄さんが何を考えていたのか,今ならわかる

きっと,りうらが“愛情”に依存しないようにって忠告してくれたんだよね

if

……いや,なんでもない

if

“愛情”,大事にしてや

りうら

……?…うん!

りうら

あっ!初兎ちゃーん!

初兎

りうちゃん…また来たん?

りうら

うん!

初兎ちゃんは3時を過ぎた頃にこの公園にいつもいる

学校っていう所に通っているから午前中は会えないんだって

りうら

ねーねー,初兎ちゃんはなんで学校に行ってるの?

初兎

俺やってほんまは行きたくないねん

初兎

めちゃくちゃつまらないんや!!

初兎

でも…まろちゃんに行けって言われてるから…

初兎ちゃんが頬っぺたをプクッと膨らませる

あれ?なんだろう?

胸がドキドキして苦しい…?

りうら

その…まろちゃんって初兎ちゃんの家族なの?

初兎

いや…だーいすきな人や!

初兎ちゃんが頬を赤らめて言う

あれ?なんでだろう?

胸がズキズキと痛んで悲しい…?

りうら

……ねぇ,初兎ちゃん

りうら

初兎ちゃんのこと…もっと知りたい!

なにこれ,なにこれなにこれ!

初兎ちゃんの事を知りたくてしょうがない

初兎ちゃんと離れたくなくて仕方ない

あぁ,そっか,これが…

これが“愛情”なんだ

初兎

……それ…どういう…

りうら

…りうら,これからここに毎日来るね

初兎

…え?

困惑している初兎ちゃんにたくさんの質問を浴びせる

りうら

ねーねー
なんでいつもここに来るの?

りうら

学校では何をしてるの?

りうら

お家はどこにあるの?

初兎

ちょ…りうちゃん…どうしたん?

初兎ちゃんが困ったようにりうらを見つめる

そんな君に満面の笑みを見せる

りうら

りうらね,やっとわかったの

初兎

……え?

りうら

やっと“愛情”が分かったんだ

初兎

……!

りうら

初めて会った時,話してくれたよね

りうら

りうらが“愛情”を知らないからご主人様に捨てられちゃったって話したら

りうら

初兎ちゃん,あの館のこと話してくれたよね

初兎

……ほんまに買ったんや…!

初兎ちゃんがほっとしたように呟く

あぁ,君はなんて優しいんだろう

りうらが“愛情”を知れたことにこんなに喜んでくれるなんて…!

りうら

りうらが“愛情”を知れたのは初兎ちゃんのおかげだよ!

君のおかげで,りうらは新しい世界を見れた

こんなに素晴らしいものに出会えた

あぁ,そして,そんな君を…

りうら

初兎ちゃんを,愛してるよ

初兎

……は…?

りうら

“愛情”を向ける相手に初兎ちゃんを選んだんだ

初兎

……

初兎ちゃんの顔は俯いていてよく見えない

でも,きっと喜んでくれているよね?

りうら

ねぇ…初兎ちゃん!

りうら

さっきの質問,答え教えて!

そう声をかけると初兎ちゃんがにっこり笑って答えてくれる

初兎

いつもここに来るのは,友達がいないとまろちゃんが心配するから

初兎

友達と遊んできたって言えるようにするための口実を作ってるからや

初兎

学校ではまろちゃんがちゃんとご飯食べれてるかなーとか

初兎

今何してるかな〜とか考えてるで

まろちゃん,まろちゃん,まろちゃん

君の口から出るその単語に心が落ち着かない

りうら

……ねぇ…そのまろちゃんって…

初兎

……俺の家はまろちゃんの所やねん

りうら

……ねぇ…初兎ちゃ…

初兎

…ねぇ,りうら

初兎ちゃんが冷めた目で俺を見つめる

初兎

……俺の家,来る?

それはまるで死刑宣告みたいだった

りうら

……う…そ…

昨日訪れた館が目の前に現れる

なんで,どういうこと…?

でも,じゃあ,初兎ちゃんの言う“まろちゃん”って…

初兎

まろちゃーん!ただいまー

初兎ちゃんが元気よくそう言って中に入る

if

あー,初兎

if

おかえ……り…?

笑顔を浮かべていた“まろちゃん”が俺を見た瞬間青ざめる

初兎

まろちゃん,俺に友達連れて来いって言ったやろ?

初兎

最近よく話してる友達,連れてきたで!

if

……っ…りう…ら…

明るく笑顔な初兎ちゃんとは対象に暗く青ざめているお兄さん

そんな2人に今まで感じたことの無い暗くて恐ろしい感情が湧き出てくる

りうら

なんでっ…なんで教えてくれなかったの?

りうら

なんでっ…初兎ちゃんはお兄さんの事が好きだって教えてくれなかったの!?

あの時お兄さんがりうらに「初兎は他の人が好きだから」と

ただ一言そう言ってくれればりうらは今こんなに苦しくないはずなのに

if

……っ…ごめん…

ただただ謝るだけのお兄さんにふつふつとどす黒い感情が出てくる

だめ,だめだよ,りうら

お兄さんは悪くなんかないんだから

りうら

……ねぇ,初兎ちゃん…

最後の頼みの綱を初兎ちゃんの一言にかける

そうだ,初兎ちゃんはまだお兄さんのこと“愛してる”とは言ってないじゃん!

りうら

初兎ちゃんはさ…お兄さんの事を愛してるのっ…?

もしかしたら,もしかしたら

全部りうらの勘違いで…

初兎

うんっ!愛しとるよ!

プツン

りうら

っあ…ああああああっ!?

なんで,なんでなんでなんでっ…

なんで,愛してくれないの?

初兎

……りうら

ダンッと鈍い音がしたかと思うといつの間にか初兎ちゃんがりうらの上にいた

りうら

……っ…はぁっ…はぁ…

初兎

……ねぇ,りうら

体全体がズキズキと痛む

初兎ちゃんの目が怖くてガタガタと体が震える

初兎

りうら,1個,愛について教えたるで

初兎ちゃんの手がりうらの首を強引に掴む

りうら

あっ…がっ!?

初兎

本物の愛っていうんはな,相手のために命をも差し出せるものなんやで

りうら

ひっ…ぁ…あ…ガタガタ

初兎

その人への愛1つで生きる理由にも死ぬ理由にもなるんや

初兎ちゃんがりうらの首からパッと手を離す

りうら

……っ…ゲホッゲホッ…

初兎

……俺はまろちゃんに死ねって言われたら死ねるで

りうら

……っ…り,りうらだって…!

りうら

りうらだって初兎ちゃんのために…!

初兎

俺に首締められて震えてた奴がか?

初兎

…笑わせんなやw

りうら

……っ…!!

首を絞められた反動か,はたまた初兎ちゃんからの拒絶の言葉からか

心の奥がズキンと疼いて涙が溢れてくる

初兎

ええか,りうら

初兎

お前の愛は本物やない

りうら

……っ…ぅぐ…ポロポロ

あぁ,こんなことになるくらいなら

“愛情”なんて 買わなきゃ良かった

if

……っ…りう…ら…

if

ほんまにっ…俺のっ…せいで…

初兎

……まろちゃんは黙っといて

if

……っ…初兎!お前っ!

初兎

分かったら,はよ出てってや,りうら

if

おい!!初兎!!!

苦しい,悲しい,辛い

そんな言葉では説明しきれないほどの絶望感に包まれたままよろよろと立ち上がる

今更になって,お兄さんの言ってることが分かってしまった

お兄さんがあんなに渋っていたのは,“愛情”を知ってしまえば純粋なままじゃいられなくなってしまうからだ

そして,“愛情”は深くて重くて,依存しやすい

それをりうらに分からせようとしてくれてたんだ

if

……っ…りうらっ…!

りうら

……

でも,もう,遅いや

if

“愛情”,元に戻したるから…!

if

なくしたるから,だからっ…

りうら

…んーん,いいの

りうら

だってこれは,りうらが望んだことだから

if

……っ…りうら…

りうら

じゃーね,お兄さん

りうら

初兎ちゃんと幸せにね

心にも無い言葉を吐き捨てて,館を出る

カランコロン

“愛情”が他の感情全部を食べちゃったみたいに何も感じなかった

if

おいっ!!!初兎!!!

乱暴に初兎の胸ぐらを掴んでも,ニコニコと笑って俺を見る

初兎

まろちゃん,どうしたん?

こういう時に思い出す

あぁ,やっぱりこいつは

人間じゃないんや

if

……りうらをここに連れてきたん,初兎やろ?

初兎

連れてきてはないで!

初兎

ただ,ここのことちょっと話したら興味持ってくれただけや!

if

……なんでや?なんでここのこと話したん?

初兎

えー,だってまろちゃん最近全然食べれてないやろ?

初兎

このままじゃまろちゃんが飢餓で倒れて死んでまうと思って…

初兎

だから,勧誘したんや!偉い?

ニコニコと笑って俺の褒め言葉を無邪気に待つ初兎

if

偉いわけっ…ないやろっ!

初兎

……え?

if

りうらをたぶらかして…誘導して!

if

それのどこがっ…偉いねん!

初兎

……たぶらかして誘導してるんはどっちや?

ひゅ,と息が止まる

if

……っ…それ…は…

初兎

俺らロボットを,操ってるんは“そっち側”やろ?

あぁ,そうや

俺は彼らと接するうちにいつも忘れてしまう

初兎とりうらは,ロボットであると

そして俺は,初兎とりうらを操っているということも

if

…っ…あ…ぁ……ごめっ…

…そもそも俺がりうらにチップを埋め込まなければ

きっとこんなことにはならんかった

初兎

……まろちゃん,俺,怒っとらんよ

初兎

ただ,まろちゃんのことを思ってしたんに,怒られるのは悲しいんや

if

…っ……ごめん…

初兎

まろちゃんは優しすぎるんよ

初兎

俺らのことを操りたくないって,感情をいじったりしたくないって思ってくれるんは嬉しいで?

初兎

でもそれでまろちゃんが死んじゃうんは嫌やねん!

初兎

だったら,誰が操られてでも俺はまろちゃんを助けたいって思うんや

でも,それでりうらはきっと凄く傷ついた

俺が感情を売ったから,りうらを深く絶望させてしまった

if

……っ…ごめん…

ただ謝ることしかできない俺を初兎が優しく抱きしめてくれる

初兎

……まろちゃん,俺は感謝してるで

初兎

まろちゃんのおかげで,俺は今“愛情”が分かるんやから

if

……っ…しょうっ…

初兎

操られてるとか,誘導されてるとかそんなのどうでもええねん

初兎

俺は,まろちゃんのことを“愛してる”んやから!

優しくて俺にだけ“愛情”をくれる初兎

その理想の形を作ったのは俺で,“愛情”をプログラムに組み込んだんも俺

この目の前にいる“初兎”という子は俺の“欲”から生まれた俺の操り人形

でも,もうそんなのどうでもええか

if

……俺も…愛してるで…

まがい物でも欲まみれでもどうでもいい

だって,俺は“初兎”を愛してるんやから

初兎

それじゃ,稼いだ金でご飯食べ行こーや!

if

……そうやな

暖かいご飯を食べて,温かい風呂に入って

ふかふかの布団に入ったあとで,俺はまた君に“愛情”をあげよう

初兎

早く行こーや〜!

君は言った

愛とは,生きる理由にも死ぬ理由にもなると

if

はいはい,ちょっと待ってな

俺は思う

愛とは,この世の全てを考えられなくなるほど

重くて苦しい奈落の底へと連れ去られてしまうものだと

でも,それでも良いと思えるほど

どうしようもなく優しくて暖かくて

愛おしいものなのだ

雫希

おかえりなさーい!

や…やっと…書き終わった…

涙希

確かにいつもの主にしては長かったな

それではほんの少しだけこのお話の解説(?)をさせて頂きます。

まず今回のキーとなるのはテーマにもある通り“愛情”です。

“愛情”を知らない純粋無垢な🐤さんが“愛情”を求めて…という所から話は始まります。

🐤さんは🤪さんにより“愛情”がプログラムされたチップを埋め込まれ,🐇さんへの“愛情”を感じることができます。

しかし非情なことに🐇さんと🐤さんの“愛情”の重みが全く違いました。

それにより🐇さんから『それは本物の愛情じゃない』と言われ,突き放されてしまいます。

ですが,🤪さんと🐇さんの会話により🐇さんもロボットであったことが明らかになります。

🐤さんも🐇さんも“人によって植え付けられた愛情”によって相手を愛している…と考えられます。

では,🐇さんの言う“本物の愛”を🐇さん自身は感じているのでしょうか?

また,🐇さんの“愛情”をここまで重く深いものにしてしまったのは🤪さんです。

“愛情”に依存してしまっていたのは,果たして🐤さんだけだったのでしょうか。

……皆さんはくれぐれも“愛情”にはお気をつけ下さいませ。

雫希

それじゃあ!

雫希

おつしず〜

涙希

おつるい

この作品はいかがでしたか?

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コメント

2

ユーザー

💧雫希✨さん、投稿ありがとうございます!最初の方とかはチップをほのめかす伏線が張られていたり、最後の🤪くんと🐇くんの会話で分かる愛情の意味、、すごい好きです((( 結果発表はこの2代目のアカウントで行いますのでよろしくお願いします!

ユーザー

愛情めっちゃ深いですね!! 凄く好きです!!!

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