雫希
雫希
涙希
今回はココ様のコンテストに参加させて頂きます!
雫希
締め切りに遅れてしまい大変申し訳ございません!!
雫希
涙希
はい…大変申し訳ございません…
思ったより書くのに時間がかかってしまいました…
雫希
その分と言ってはなんですが400タップを超える長編となります!
指の体操をしてから見てください(?)
そして,今回は“愛情”のテーマを書かせて頂こうと思います!
雫希
そしてあわよくば優勝したいです!((
涙希
また,ココ様もとても素晴らしい作品を書く方なのでぜひ見に行きましょう!
雫希
雫希
・ご本人様とは一切関係ございません ・ココ様のコンテスト作品となります ・少し過激な表現がございます 苦手な方は自己防衛お願い致します ・nmmnについて理解のない方はご遠慮下さい
雫希
行ってらっしゃい
ねぇ,知っとる?
学校の裏山のずっと奥の方に,めっちゃ不気味な館があるんやって!
そこではな,普通は売れないもんを売ってるらしいで…!
え?普通は売れないもんって何かって?
それはー…例えば,寿命とが時間とか
それと“愛情”とか
……え,行くん?
それじゃ,ありったけの金持ってかなあかんな!
代償が大きければ大きいほど願いが叶う確率が上がるんやって!
ん?道?そんなのないで!
心の底から願えば,いつの間にかその館が表れるって噂なんや
……ふーん,そんなに欲しいんや
なら,手に入るといいな!
りうら
その話を聞いてから裏山に入って,30分くらい歩いだと思う
ふと,目の前を見るといかにもあの話通りの館が目の前に見えた
りうら
信じていなかった訳じゃないけど,こんなにあっさり見つかると思っていなくて呆然と立ちすくむ
りうら
りうら
じゃあ,本当に“愛情”を……!
お金の入った封筒をしっかり握りしめて,ドキドキする心臓を落ち着ける
りうら
錆びたドアノブを掴み,ぐっと前に押した
カランコロン
りうら
心地よい音が鳴ったかと思えば,目の前には大量のビンがズラリと並んでいた
りうら
遠慮がちにそう声をかけてみるも,誰も出てくる気配は無い
……誰もいないのかな
りうら
いやいや,でもお願いしながら探したら本当にこの館があったんだから!
絶対“愛情”を売ってくれるはず!
りうら
りうらは,誰かが来るまで大量のビンを眺めることにした
りうら
瓶に貼られたラベルにはそんなことが書かれていて,中には四角くて黒い何かが入っていた
りうらはさらに別の段の瓶のラベルも読んでみる
りうら
りうら
上にフリガナがふってあるからなんとか読めるけど,どれも知らない単語ばっかりだった
りうら
りうら
他の感情はまたいつか買おう!
そう思ってまたラベルを眺める
りうら
りうら
1番上の端っこに,りうらが1番欲しいものがあった
思わず手を伸ばして取ろうとする
りうら
りうら
ぴょんぴょん跳ねてみても手は全然瓶に届かなくて仕方なく諦める
りうら
if
そう呟いた瞬間,後ろから男の人の声が聞こえた
りうら
if
男の人はりうらの顔を覗き込んでそう言った
if
if
りうら
りうら
if
りうら
急いで封筒を開けて0が4個ある紙を50枚出す
if
男の人が目を見開いて固まる
どうしよう…足りなかったのかな…?
りうら
お前の目は綺麗だから売れる,と言われたことを思い出して言う
if
りうら
if
りうら
りうら
りうら
if
if
りうら
不安になってそう聞くと男の人は困ったようにりうらに話しかける
if
りうら
if
りうら
if
りうら
りうら
一通り質問しきったのか,男の人はまた考え込むように俯く
if
if
りうら
if
if
りうら
if
if
りうら
それを手に入れたとき,世界はどんな風に変わるのか
それを,りうらは知りたい
if
if
if
りうら
りうら
お礼を言うと,男の人は心做しか微笑んでくれた気がした
if
りうら
if
愛情を…育む…?
りうら
if
if
りうら
りうら
if
男の人は一瞬考え込んだあと,りうらに言い聞かせるように言う
if
if
if
if
if
if
if
if
りうら
知らなかった
2人で分かち合うのが愛なんだ…!
if
りうら
りうら
どうしよう…やっぱりいつでも会える人がいいよね…
でもあの人には捨てられちゃったし…
if
いつでも会えて…お話してくれる…
りうら
if
りうら
if
りうら
if
if
りうら
if
りうら
if
りうら
お兄さんはそう言って1番上の端から“愛情”と書かれた瓶を持つ
if
りうら
if
お兄さんが瓶を振ると中の黒くて四角いものがカラカラと音を立てる
りうら
if
またお兄さんがりうらに少し微笑んでくれる
りうら
それだけでりうらも凄く安心できた
if
りうら
ベットがあるだけの簡易的な部屋に通され,うつ伏せに寝転ぶ
if
りうら
if
微睡みの中で聞こえたその呟きの意味を考える暇もなく眠りに落ちた
if
りうら
if
りうら
if
りうら
慌ててベットから飛び起きてぐるぐる動いてみても何も変わった気配がない
りうら
if
if
りうら
りうら
りうら
if
if
if
りうら
あの時,お兄さんが何を考えていたのか,今ならわかる
きっと,りうらが“愛情”に依存しないようにって忠告してくれたんだよね
if
if
りうら
りうら
初兎
りうら
初兎ちゃんは3時を過ぎた頃にこの公園にいつもいる
学校っていう所に通っているから午前中は会えないんだって
りうら
初兎
初兎
初兎
初兎ちゃんが頬っぺたをプクッと膨らませる
あれ?なんだろう?
胸がドキドキして苦しい…?
りうら
初兎
初兎ちゃんが頬を赤らめて言う
あれ?なんでだろう?
胸がズキズキと痛んで悲しい…?
りうら
りうら
なにこれ,なにこれなにこれ!
初兎ちゃんの事を知りたくてしょうがない
初兎ちゃんと離れたくなくて仕方ない
あぁ,そっか,これが…
これが“愛情”なんだ
初兎
りうら
初兎
困惑している初兎ちゃんにたくさんの質問を浴びせる
りうら
りうら
りうら
初兎
初兎ちゃんが困ったようにりうらを見つめる
そんな君に満面の笑みを見せる
りうら
初兎
りうら
初兎
りうら
りうら
りうら
初兎
初兎ちゃんがほっとしたように呟く
あぁ,君はなんて優しいんだろう
りうらが“愛情”を知れたことにこんなに喜んでくれるなんて…!
りうら
君のおかげで,りうらは新しい世界を見れた
こんなに素晴らしいものに出会えた
あぁ,そして,そんな君を…
りうら
初兎
りうら
初兎
初兎ちゃんの顔は俯いていてよく見えない
でも,きっと喜んでくれているよね?
りうら
りうら
そう声をかけると初兎ちゃんがにっこり笑って答えてくれる
初兎
初兎
初兎
初兎
まろちゃん,まろちゃん,まろちゃん
君の口から出るその単語に心が落ち着かない
りうら
初兎
りうら
初兎
初兎ちゃんが冷めた目で俺を見つめる
初兎
それはまるで死刑宣告みたいだった
りうら
昨日訪れた館が目の前に現れる
なんで,どういうこと…?
でも,じゃあ,初兎ちゃんの言う“まろちゃん”って…
初兎
初兎ちゃんが元気よくそう言って中に入る
if
if
笑顔を浮かべていた“まろちゃん”が俺を見た瞬間青ざめる
初兎
初兎
if
明るく笑顔な初兎ちゃんとは対象に暗く青ざめているお兄さん
そんな2人に今まで感じたことの無い暗くて恐ろしい感情が湧き出てくる
りうら
りうら
あの時お兄さんがりうらに「初兎は他の人が好きだから」と
ただ一言そう言ってくれればりうらは今こんなに苦しくないはずなのに
if
ただただ謝るだけのお兄さんにふつふつとどす黒い感情が出てくる
だめ,だめだよ,りうら
お兄さんは悪くなんかないんだから
りうら
最後の頼みの綱を初兎ちゃんの一言にかける
そうだ,初兎ちゃんはまだお兄さんのこと“愛してる”とは言ってないじゃん!
りうら
もしかしたら,もしかしたら
全部りうらの勘違いで…
初兎
プツン
りうら
なんで,なんでなんでなんでっ…
なんで,愛してくれないの?
初兎
ダンッと鈍い音がしたかと思うといつの間にか初兎ちゃんがりうらの上にいた
りうら
初兎
体全体がズキズキと痛む
初兎ちゃんの目が怖くてガタガタと体が震える
初兎
初兎ちゃんの手がりうらの首を強引に掴む
りうら
初兎
りうら
初兎
初兎ちゃんがりうらの首からパッと手を離す
りうら
初兎
りうら
りうら
初兎
初兎
りうら
首を絞められた反動か,はたまた初兎ちゃんからの拒絶の言葉からか
心の奥がズキンと疼いて涙が溢れてくる
初兎
初兎
りうら
あぁ,こんなことになるくらいなら
“愛情”なんて 買わなきゃ良かった
if
if
初兎
if
初兎
if
苦しい,悲しい,辛い
そんな言葉では説明しきれないほどの絶望感に包まれたままよろよろと立ち上がる
今更になって,お兄さんの言ってることが分かってしまった
お兄さんがあんなに渋っていたのは,“愛情”を知ってしまえば純粋なままじゃいられなくなってしまうからだ
そして,“愛情”は深くて重くて,依存しやすい
それをりうらに分からせようとしてくれてたんだ
if
りうら
でも,もう,遅いや
if
if
りうら
りうら
if
りうら
りうら
心にも無い言葉を吐き捨てて,館を出る
カランコロン
“愛情”が他の感情全部を食べちゃったみたいに何も感じなかった
if
乱暴に初兎の胸ぐらを掴んでも,ニコニコと笑って俺を見る
初兎
こういう時に思い出す
あぁ,やっぱりこいつは
人間じゃないんや
if
初兎
初兎
if
初兎
初兎
初兎
ニコニコと笑って俺の褒め言葉を無邪気に待つ初兎
if
初兎
if
if
初兎
ひゅ,と息が止まる
if
初兎
あぁ,そうや
俺は彼らと接するうちにいつも忘れてしまう
初兎とりうらは,ロボットであると
そして俺は,初兎とりうらを操っているということも
if
…そもそも俺がりうらにチップを埋め込まなければ
きっとこんなことにはならんかった
初兎
初兎
if
初兎
初兎
初兎
初兎
でも,それでりうらはきっと凄く傷ついた
俺が感情を売ったから,りうらを深く絶望させてしまった
if
ただ謝ることしかできない俺を初兎が優しく抱きしめてくれる
初兎
初兎
if
初兎
初兎
優しくて俺にだけ“愛情”をくれる初兎
その理想の形を作ったのは俺で,“愛情”をプログラムに組み込んだんも俺
この目の前にいる“初兎”という子は俺の“欲”から生まれた俺の操り人形
でも,もうそんなのどうでもええか
if
まがい物でも欲まみれでもどうでもいい
だって,俺は“初兎”を愛してるんやから
初兎
if
暖かいご飯を食べて,温かい風呂に入って
ふかふかの布団に入ったあとで,俺はまた君に“愛情”をあげよう
初兎
君は言った
愛とは,生きる理由にも死ぬ理由にもなると
if
俺は思う
愛とは,この世の全てを考えられなくなるほど
重くて苦しい奈落の底へと連れ去られてしまうものだと
でも,それでも良いと思えるほど
どうしようもなく優しくて暖かくて
愛おしいものなのだ
雫希
や…やっと…書き終わった…
涙希
それではほんの少しだけこのお話の解説(?)をさせて頂きます。
まず今回のキーとなるのはテーマにもある通り“愛情”です。
“愛情”を知らない純粋無垢な🐤さんが“愛情”を求めて…という所から話は始まります。
🐤さんは🤪さんにより“愛情”がプログラムされたチップを埋め込まれ,🐇さんへの“愛情”を感じることができます。
しかし非情なことに🐇さんと🐤さんの“愛情”の重みが全く違いました。
それにより🐇さんから『それは本物の愛情じゃない』と言われ,突き放されてしまいます。
ですが,🤪さんと🐇さんの会話により🐇さんもロボットであったことが明らかになります。
🐤さんも🐇さんも“人によって植え付けられた愛情”によって相手を愛している…と考えられます。
では,🐇さんの言う“本物の愛”を🐇さん自身は感じているのでしょうか?
また,🐇さんの“愛情”をここまで重く深いものにしてしまったのは🤪さんです。
“愛情”に依存してしまっていたのは,果たして🐤さんだけだったのでしょうか。
……皆さんはくれぐれも“愛情”にはお気をつけ下さいませ。
雫希
雫希
涙希
コメント
2件
💧雫希✨さん、投稿ありがとうございます!最初の方とかはチップをほのめかす伏線が張られていたり、最後の🤪くんと🐇くんの会話で分かる愛情の意味、、すごい好きです((( 結果発表はこの2代目のアカウントで行いますのでよろしくお願いします!
愛情めっちゃ深いですね!! 凄く好きです!!!