〇〇
ザ-ザ-と雨が鳴り響く窓の外を眺めながら呟くと
電話越しに・・・ふっと笑うユウトの声が聞こえた。
それだけでドキドキする私の心は単純なのかもしれない。
ユウト
〇〇
ユウト
〇〇
そう、もうすぐ六月。
ユウトとは半年以上・・・会っていない。
去年のクリスマスが最後だったけ。
覚えてないや・・・。
恋人と言っても、芸能人であるユウトと会う回数は普通より少ない。
最近は海外を転々としているらしいし、
ユウト達の人気も増える一方で
会えなくなる寂しさと、
いつ捨てられるか分からない恐怖に怯えていた。
〇〇
ユウト
言葉を濁すということは、目処がないということだ。
これは、また連絡も出来ずに何ヶ月も待たなくちゃいけないのかなぁ。
それを承知で一緒になったというのに・・・不安がるなんて馬鹿みたいだ。
〇〇
ユウト
〇〇
ユウト
〇〇
ユウト
〇〇
ユウト
頑張っているユウトのために、私はいつまでも待つんだ。
そう、心に決めた。
たまに帰ってくる時こそは笑顔で迎えられるように、強くならなくちゃ
久々に聞いたユウトの声にまた会いたくなった気持ちを無理やり押さえ込んで、
電話を切ろうとした。
その瞬間、
ユウト
と、ユウトが言ったから、
一瞬、『へっ・・・』と固まって電話をまた耳に当てた。
ユウト
〇〇
ユウト
〇〇
ユウト
〇〇
ユウトの言い方おかしくない?
だってそれだと・・・・・今、玄関の前にいるみたいに聞こえるよ。
ユウト
〇〇
ユウト
バタバタと玄関まで移動して、震える手で扉を開けると、
外側から、勢いよくドアが開いて
ユウト
大好きなユウトの甘い笑顔と、
優しい香りが目の前にあって・・・
持っていた電話からは、
同じ雨の音がした_____
コメント
1件
いい話ですね😭😭