好きだから⋯

俺の名前はゆあん

ごく平凡な高校2年だ

今日は学校が休みだから、図書館でも行こうかな⋯

ざわざわ

ｶﾞﾀッ

ビックリ、したぁ⋯

なんだ、？

なんだ、この人が座ってきただけか⋯

ほぇ～、すげぇ〜、

勉強してんのか⋯

まぁ、勉強する場所だもんな、笑

読んだ読んだ⋯

〈 すぅ、すぅ⋯

ね、寝ちゃったのかぁ〜、

起こさなくて、いいんかな⋯

起こして、あげた方がいいよな⋯

ﾄﾝｯ（シャーペン落

あ⋯

あれ、聞こえなかった？

え、？

こんなに聞こえないことある？

もしかして⋯

やっぱり⋯

この子、

耳の病気なんだ

ていうか、手話分からん⋯

一生懸命何か伝えようとしてくれてるけど、何て言ってるんだろ⋯

伝わった⋯

『拾ってくれて、ありがとうございました。』

『どういたしまして』

『見ての通りなんですけど、私、突発性難聴で⋯』

突発性難聴⋯

『耳が全く聴こえなくて⋯』

『迷惑かけて、すみませんでした』

『いやいや、全然。』

『誰でもそんなことはあります』

『優しいんですね』

『え？』

『私のこと受け入れてくれる人、久しぶりに会いました』

『お名前、なんていうんですか？』

『“のあ“って言います』

のあ⋯さん、

『あなたは？』

『ゆあんです。』

『ゆあんくんって、呼んでもいいですか?』

『もちろん』

『じゃあ俺も、のあさんって呼んでもいいですか?』

『はい！呼んでほしいです！』

もう6時か⋯

そろそろ帰るか⋯

『じゃあ、俺もう帰る時間だから、さようなら。』

『さようなら。ゆあんくんと話せて楽しかったです。』

『また、会えたら話しましょう。』

『はい。ぜひ。』

夜

のあさんも楽になるよね