テラーノベルの小説コンテスト第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

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リパトレ

第2話 - リパトレ2

2024年04月30日

#第5人格

#第五人格

#連載

かしえら

－廊下－

トレイシー

うぅ…寒い……。

トレイシー

でもまたこの季節がやってきた…！

トレイシー

夏と冬が始まる前に行われる、

トレイシー

エアコンの点検！

トレイシー

つまりお金稼ぎの日！！

トレイシー

本当、皆僕がいないと駄目なんだから〜。

トレイシー

ルカと僕で両陣営の部屋を回っているんだけど…

トレイシー

何で今回も僕がハンターの館なんだ…。

トレイシー

まぁ、寝坊しちゃったから先にとられた訳なんだけどね。

トレイシー

ふん、いいもん！

トレイシー

ハンターの方が少ないからすぐ終わるんだし。

トレイシー

ついでにバルクのおじいちゃんの部屋も覗けるしね！

トレイシー

よし、ささっと終わらせよっか！

－ハンターの館－

トレイシー

ふぅ…、この階はほぼ見終わったかな。

トレイシー

えへへ、さっき美智子さんからお茶菓子貰っちゃった〜。

トレイシー

にしても、殆どエアコンは壊れてなかったな。

トレイシー

まぁ、早く終わりそうで良かったよ。

トレイシー

偏見かもしれないけど、

トレイシー

ハンターの部屋って意外と綺麗なんだね〜。

トレイシー

僕みたいに物がたくさん置いてあるかと思ったよ。

トレイシー

じゃ、最後の部屋見てから

トレイシー

下の階にあるおじいちゃんの部屋に行こっと！

トレイシー

って、あ…。(最後の部屋の前で立ち止まり)

トレイシー

ここ確かリッパーの部屋だ…。

トレイシー

前の点検に来た時確かリッパーに……。

トレイシー

……。

トレイシー

……はっ！！

トレイシー

ち、違うから！

トレイシー

別にそう言う意味で来たつもりじゃないから！？(顔を赤らめ)

トレイシー

そう、平常心、平常心……っと。

トレイシー

よし…！いざ突入！！

－リッパーの自室－

トレイシー

や、やっほ〜！

トレイシー

エアコンの点検に来たよ〜！

トレイシー

って、リッパーいる？

トレイシー

……。(辺りを見回して)

トレイシー

いない…、外出中かな？

トレイシー

って、わっ！？

リッパー

……。(窓際のソファで寝ており)

トレイシー

え、

トレイシー

もしかして、寝ちゃってる…？(恐る恐る近付いては)

トレイシー

だって僕に気がついてないもんね。

トレイシー

あっ、でもこの部屋暖かいな。

トレイシー

今日は天気良いし

トレイシー

窓際で日向ぼっこでもしてたのかな？(くすくすと笑い)

トレイシー

冬の季節だと本当、

トレイシー

この部屋が羨ましいと思うな…。

トレイシー

夏場だと凄く暑いけど…。

トレイシー

って、そうだった！

トレイシー

リッパーが起きる前に

トレイシー

早くエアコンの点検を始めないと…！！

トレイシー

ちょっと椅子を借りてっと…。(椅子の上に立ち)

トレイシー

えっと、どれどれ…。(エアコンの点検中)

トレイシー

うーん、特に異常は無さそうだね。

トレイシー

良かった〜、これなら早く終わりそう！

トレイシー

表面を元に戻してっと…。

トレイシー

あ、あれ閉まらないな…。

トレイシー

えいっ！(前屈みで強く押して)

トレイシー

よし、綺麗に閉まった！

トレイシー

って、ヤバい！反動で体のバランスが……！

トレイシー

う、うわあああ！！(床に倒れて)

トレイシー

……い、いてて…。

トレイシー

盛大に転けちゃった…。

リッパー

……おや？(物音がして目を覚まし)

トレイシー

…あっ、

トレイシー

お、おはよう……。(床に倒れながら)

トレイシー

その、お、お邪魔してます。あはは…。(苦笑)

リッパー

随分と大きい物音がして、目を覚ましたら

リッパー

誰かと思えばトレイシーさんですか。

リッパー

と言うか、どうして私の部屋で寝転んでいるんです？

トレイシー

え、えっとね…今日はエアコンの点検に来たんだ。(起き上がり)

トレイシー

ほら、寒い時にエアコンが使えなかったら嫌でしょ？

トレイシー

そこで！僕がハンター達の部屋を回りながら

トレイシー

異常が無いかチェックしに来たというわけだよ。

リッパー

わざわざハンターの館まで足を運んで下さるなんて、

リッパー

えぇ、それは有難いです。

リッパー

ですが、冬だとエアコンはほぼ使わないですね。

リッパー

この部屋は日当たりが良いので………

リッパー

って、何だか前にも言ったような…？

トレイシー

き、気のせいじゃない？

トレイシー

あっ、あと勝手に入ってごめんね…。

トレイシー

寝顔は見てないから！うん、安心して！(慌てて)

リッパー

別に寝顔は見られても構わないですけどね。

リッパー

しかし、勝手に他人の部屋に入るのはいけませんね？

トレイシー

うぅ…ごめん…。

リッパー

…ふふ、まぁ点検に来てくれたのなら

リッパー

今回は目をつぶってあげましょう。

トレイシー

ほ、本当？良かった〜…。

トレイシー

じゃ、じゃあ僕そろそろ次の部屋に行くね。

リッパー

おや、もう帰られるのですか？

トレイシー

うん…、そ、それじゃあ。

トレイシー

いたっ…！？(咄嗟に足首を押さえて)

トレイシー

うぅ…、さっき転けた時捻ったかも…。

リッパー

転けた…？

リッパー

あぁ、さっきの物音は貴方が転けた時の音でしたか。

トレイシー

は、恥ずかしいからその事は忘れて…。

リッパー

それはどうでしょうかねぇ？

リッパー

と、話している場合ではありません。

リッパー

確かここに包帯がありましたね…。(チェストを開け)

リッパー

では、トレイシーさん。

リッパー

包帯を巻いてあげますので、

リッパー

そこのソファに座って下さい。

トレイシー

えっ？いや別にこれくらい大丈夫だから…！

リッパー

まだ他の部屋の点検は終わっていないのでしょう？

リッパー

手当てしないで、あちこち走り回る気ですか？

トレイシー

こ、子ども扱いしないでよ…！

トレイシー

……。

トレイシー

で、でも

トレイシー

ちょっと歩きにくいからお願いしようかな…。(顔を赤らめながら目線を逸らし)

リッパー

ふふ、素直じゃないですねぇ…。

リッパー

ではソファに座って貰えますか？

トレイシー

わ、分かった…。(窓際にあるソファへ座り)

リッパー

あぁ…、少し青くなってますね。

トレイシー

えっ！？もしかしてそんなに酷い…？

リッパー

いえ、傷は浅いので治るのは早そうですよ。

リッパー

安静にしていればですが。(包帯を巻きながら)

トレイシー

安静って…！

トレイシー

……エアコンの点検くらいは大丈夫だよね？

トレイシー

だって、そんなに動かないし！

リッパー

そう言って、転けたのは何方でしょうか…。

リッパー

これ以上酷くしたいなら止めませんが。

トレイシー

うっ…、それは…。

リッパー

……はい、巻き終わりましたよ。

リッパー

少しは歩きやすいかと思われます。

トレイシー

あ、ありがとう…。

トレイシー

わ、リッパー包帯巻くの上手い！

トレイシー

僕が巻くと絶対とれちゃうんだよね〜。

リッパー

そうですか？普通に巻いたつもりなんですが…。

トレイシー

あっ、でも歩いたらちょっと痛いかも…。(ソファから立ち上がり)

リッパー

そんなに早くは治りませんからねぇ。

トレイシー

どうしよう…、まだ点検終わってないのに…。

リッパー

残りはバルクさんに任せてもいいんじゃないです？

リッパー

私が伝えておきますよ。(微笑み)

トレイシー

それはそうだけど…。(その場でもじもじしながら)

リッパー

まぁ、稼ぎが少し少なくなりますよねぇ。

トレイシー

うん、そうなんだよね…。

トレイシー

って、え？

トレイシー

何で僕が稼ぎに来たって分かったの！？

リッパー

あれ、分からないんですか？

リッパー

夏に貴方、エアコンの修理に来てくれたでしょう？

リッパー

その時も確か稼ぎに来ましたよね。(思い出しては笑みを作り)

トレイシー

えっ！？……あっ！

トレイシー

…そ、そうだっけ……？

トレイシー

(や、やばい…リッパーあの時の事覚えてる…！)

リッパー

貴方と話していると、

リッパー

何だか思い出してきましたよ。

トレイシー

な、何言ってるの？

リッパー

じゃあ…、

リッパー

前の続きを始めましょうか。(にこりと笑い)

リッパー

もしかして、そのために今日は来てくれたのですか？

トレイシー

は、はぁ！？本当に何言ってるの…？

トレイシー

い、意味わからないし

トレイシー

僕はそろそろ帰るよ…。(ふらふらと歩き出そうとして)

リッパー

ふふ、まぁそんな事言わずに。

リッパー

もう少し休んでもいいのですよ？(相手をソファに押し倒して)

トレイシー

ちょ、ちょっと…！？(急に顔が赤くなり)

トレイシー

リッパー近いってば！！？

リッパー

貴方も悪いのですよ？

リッパー

私の部屋に入ったらそう簡単には帰さない事を

リッパー

前に示しましたよね…？

トレイシー

ち、違う…！

リッパー

おや、

リッパー

何が違うのですか？(耳元で呟き)

トレイシー

んっ…！？(体がぴくりと動き)

トレイシー

そ、それは……えっと…。

リッパー

可愛いですね、今の顔…。

リッパー

もっと、見たくなってしまいますよ。

トレイシー

(だ、駄目だ…、心臓バクバクしてる…。)

リッパー

おや、抵抗しないのですか？

リッパー

もう少し抵抗して下さると、もっと楽しめるんですがねぇ…。

トレイシー

……うっ…。(顔を赤らめ)

リッパー

大丈夫ですよ、この部屋は防音になっていますから。

リッパー

いくらでも暴れて下さいね。(そう言い、頬に口づけをして)

トレイシー

ひゃっ…！？

トレイシー

や、やめてってば…！僕は…んっ…！

リッパー

ふふ、どうしましたか？(首筋に移動して)

トレイシー

(こ、この状況はやばい…！)

トレイシー

(ちゃんと意識してないと、飲み込まれちゃう…！)

トレイシー

(こ、こうなったら…！！)

トレイシー

…いっ、痛い……！！(捻った足を押さえ)

トレイシー

うっ、今日はこれ以上点検は無理そうかも…。

トレイシー

なんか足がズキズキしてきたし…。(ちらり相手の顔を見つめ)

リッパー

おやおや、大丈夫ですか？

リッパー

ふむ…、もう少し楽しみたいですが

リッパー

一応貴方はけが人ですし、

リッパー

これくらいにしておきましょうかね。(立ち上がって)

リッパー

早くサバイバーの館へおかえりなさい、

リッパー

ここは怪我に詳しい方はあまりいませんよ？

トレイシー

助かった…。(ぼそっと言い)

トレイシー

じゃなくて、あ〜いたた…。(捻った足を押さえて)

リッパー

歩けそうですか？

リッパー

別に今晩泊まってもいいのですよ。

トレイシー

え！？そ、それは悪いから遠慮しておくよ…。

トレイシー

大丈夫、ゆっくりなら歩けるから。(ゆっくりと扉へ向かい)

リッパー

残りの点検はバルクさんに伝えてもいいですね？

トレイシー

う、うん…お願い…。

トレイシー

(今回はあまり稼げなかったな…、仕方ないけど。)

リッパー

あっ、いい事を思いつきました。

リッパー

私が抱っこして入口まで送って行きますよ。(笑みを作り)

トレイシー

！？そ、それは僕が恥ずかしいじゃん…！

トレイシー

リッパーもいいの？他の人に見られても。

リッパー

？えぇ、特に何も思いませんよ。

トレイシー

うっ、そういや試合中でもそうだったね…。

トレイシー

で、でも僕は恥ずかしいから駄目！

リッパー

では、廊下までならどうです？

トレイシー

それならいいけど…。

トレイシー

……。

トレイシー

…はっ！

トレイシー

いや、何で抱っこされる前提なの！？

リッパー

それが駄目でしたら、もう今晩は泊まるしかないですね。

リッパー

私はどちらでもいいですよ？

トレイシー

完全に相手のペースじゃん…。

トレイシー

…も、もう分かった。

トレイシー

廊下まで、だからね？

トレイシー

ほ、ほら…早く抱っこして……。(だんだんと声を小さくして)

リッパー

ふふ…。

リッパー

分かりましたよ、では失礼して。(相手を抱っこして)

リッパー

足は大丈夫ですか？

トレイシー

う、うん……。(目線を下にして)

リッパー

しばらく、このまま止まってもいいですね。

リッパー

まだ時間はありますし。(にやにやと笑い)

トレイシー

ちょ、ちょっと！？

トレイシー

(そ、それは困る…！)

リッパー

ふふ、冗談ですよ。

リッパー

サバイバーは早く自分の館へ戻りましょうね。(扉に手をかけ)

トレイシー

も、もう…！僕で遊ばないでよ…！

リッパー

遊び、だと思いますか…？(顔を近付けて)

トレイシー

…えっ？

－廊下－

リッパー

では、名残惜しいですが

リッパー

抱っこはここまでみたいですね。(相手を下ろしては)

トレイシー

う、うん…。

リッパー

おや、その表情…。

リッパー

何だか物足りないという気がしますね？

トレイシー

え！？違うもん…！

トレイシー

……ふっ、

トレイシー

よし！じゃあ帰ってロボのメンテナンスでもしよーっと！(急に元気になり)

リッパー

おやおや、急に元気になりましたね。

トレイシー

そうだよ？

トレイシー

リッパーは僕の演技に気が付かなかったの？

トレイシー

さっき足が痛いって言ったけど、

トレイシー

本当は全然痛くないし！

リッパー

えぇ、気付いていましたよ。(微笑み)

トレイシー

……。

トレイシー

えっ？

リッパー

せっかくいい雰囲気でしたのに、

リッパー

貴方が急に演技をするのですから…。

リッパー

まぁ、とても可愛らしかったので

リッパー

貴方の演技に乗ってみた感じですよ。

トレイシー

え、あっ……！？(顔が赤くなり)

トレイシー

な、何で？どうして言わなかったの？

トレイシー

そうしたらリッパーは…。

リッパー

おや、続けて欲しかったのですか？

トレイシー

そ、そうは言ってないからね！？

リッパー

まぁ貴方の怪我も少し心配でしたし…、

リッパー

たまには余興を楽しむのもありかと思いましてね。

トレイシー

うぅ…、騙し返された気分…。

トレイシー

(と言うか、足の怪我心配してくれてたんだ…。)

リッパー

ふふ、そろそろ帰らないと

リッパー

帰り道が暗くなりますよ？

トレイシー

あっ！そうだった…。

リッパー

次はいつお会い出来るのでしょうか？

リッパー

楽しみですねぇ、本当に。(含み笑い)

トレイシー

ふん、点検がある日にしか来ないよーだ。

トレイシー

じゃ、じゃあね！(足早に帰って行き)

トレイシー

あと包帯ありがとう！？(一瞬後ろを振り向いては、前を向き)

リッパー

どういたしまして、

リッパー

もう暗いのでお気を付けて。(微笑みながら手を振り)

リッパー

……。

リッパー

待っていますよ、次は

リッパー

演技をしてもやめませんからね。(相手の後ろ姿を見つめ)

リッパー

さて、あとの点検でしたっけ…。

リッパー

バルクさんへ伝えに行きますか。

終わり

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かしえら

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