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シーグラス①の続編です♪

合宿2日目、今日は体育館で1日中練習で冷房も効かない体育館に篭りっぱなし…。窓が開いてるのが唯一の救い。

毱染

あっっっっっっっつ。

皆と違ってバレーしてない私がこんなに暑いんだから部員達はもっと暑いんだろうな〜…。ドリンク用意しとこう。 外はもっと暑くて日差しが痛い。眩しくて目を細めながら水道に向かう。

染さん!!!手伝うっス!!!!

毱染

ありがとー山本。じゃあ作ったやつ運んでくれる?

任せてください!!!!!

夜久

毱染

夜久さーんお疲れ。どーかした?

夜久

俺も手伝おうかなーって

毱染

ありがとうーでも今山本が持って行っちゃったから手伝うことないんだよねー笑

夜久

あ、そっか。じゃあ仕方ないな

毱染

ちょっと話そーよ。休憩がてらさ!

夜久

おう!いいぜ!

毱染

今日の夕飯食べた後さ、海行かない?

夜久

夜かー!涼しそうだしアリだな!行こうぜ!後で2人にも聞いとくな

毱染

え?

夜久

ん?黒尾と海にも聞いとくってことだぞ?

毱染

あ、そゆことね!うん、わかった!

夜久さーん、2人で行きたいって意味だったんですけどー…なんてつぶやいても聞こえないんだけど。少し目に熱が集まるのを感じる。

夜久

?どーかしたか?

毱染

ううん!なんもない!そろそろ中戻ろ!

夜久

おー。

だめだ。あれ以降練習にも集中できずにずっと落ち込み続けてしまう。きっと気を緩めたら涙が出てしまう。絶対に泣いちゃダメ。 夜久は私と2人嫌だったのかな、とふと考える。こんなこと考えちゃ駄目だ。じわっと目に涙が滲んでいく。 あー、やだ。泣き虫な性格治せってあれほど光来に言われたのに…。涙がこぼれないように天井をジッと見つめる。そんな時、私より30センチ以上大きい黒尾が私の顔をのぞいてパチリと目が合う。

毱染

びっっくりした…どーしたの?ドリンクない?

黒尾

お嬢さんさっき、夜っくんを海に誘いましたァ?

毱染

…。

思わず目を逸らす私に黒尾は少しニヤけながら言う。

黒尾

悪気はないと思いますよォ〜

それだけ言って練習に戻っていく黒尾に今回は、今回だけは感謝せざるを得ない。そのひと言ですごく救われた感じがする。たまにはやるじゃん!ありがとう。 とはいえ、黒尾達も断る理由もないし断ったら不自然になってしまうから結局4人で海に行くことになった。波打ち際をいつもみたいにどうでもいい話をしながら歩いていく。 遠くにぼんやり波止めが見える。あそこから見た星空の映る海はどんなに綺麗なんだろうか。

毱染

ねえ!あの波止め行ってみたい!星綺麗に見えるんじゃない!?

夜久

お!いいな!行こうぜ!!

昼間は暑かったけど夜だと涼しくて気持ちいいね

毱染

海、海派になった?!

元々森派ってわけでもないけど笑これはいいね

毱染

海っていっつも真ん中にいてくれてるよね

?どーゆーこと?

毱染

だってさ!夜久と黒尾は全然好み合わないし、すぐ喧嘩するし、海がいなきゃ多分まとまりがなかったと思う!

黒尾

随分グサッと言ってくれますね染サン。

毱染

え、だって本当でしょ!海にありがとー!

夜久

好みが合わないっていうか馬が合わないが正しいかもな笑

毱染

夜久は認めちゃうんだ笑笑

こんな他愛無い話をしている時いつも「この人たちとは大人になってもこんな会話をしてそうだな」って。想像つきやすいから。大人になってもみんなでこうして海きたりご飯したりできるかな。

毱染

この波止めどこまであるんだろう

夜久

暗くなってきたし足場見失うなよー笑

毱染

そんなことないでしょ〜笑夜久こそ落ちないようにね!

黒尾

夜っくんは守りの音駒のエースですからマネージャーさんが落ちそうになったら守ってくれますよォ〜

そうだな。夜久マネージャーを頼んだぞ

そう言った海の顔は微笑んでいたけど完全に企んでる顔だった。怖いです海さん……

夜久

おう!守ってやるぜ!

毱染

えっ、本当に!?じゃあもしもの時は頼もうかな〜

夜久のこんないちいちかっこいい発言にももう赤くならずに返せる。自分の成長を感じるよ〜(泣) そんなことを考える時だった。足元にある何かに滑って転んでしまった。転ぶ時星空がよく見えた。

毱染

いっっっった!!!!なに!なにかいる!

黒尾

海藻ですねェー染さんハズカシーー

毱染

黒尾アンタ本当にムカつく。

夜久

大丈夫か染笑笑

毱染

笑わないでよ夜久!痛かったー!

今のは夜久が守ってやらないとなー

毱染

確かにー海の言う通りー

夜久

おい!流石に飛び火だろ!!

黒尾

夜っくん見逃したんデスカー可哀想ー

夜久

お前らうるせえな!!!染立てるか?

毱染

うん!ありがとー

夜久

ほら、手

毱染

えっ??

夜久

だから!手握っててやるから!!!

毱染

え、あ、ありがと…

波止めの上を私が歩いて、下を歩く夜久が手をぎゅっと握ってくれてる。今なら何をしても、どこに行っても怖く無い気がする。夜久がこのまま手を握ってくれるなら。

毱染

……3人ともさ、大人になってもまた海こよーね

急にどうしたんだ?

黒尾

染さんは将来に悩みでもあるんデスカ〜?

毱染

悩みとかじゃなくてね、3人とは大人になってもずっと一緒にいたいなーって思って。

考えてることを言葉にして伝える。それは凄く怖くて昔の私にはできないと思う。でも今の私なら伝えられる、そんな気がしたから伝えてみる。「嫌だ」とか微妙な反応するような人たちじゃないって信じてるから。

夜久

おう!いいな!行こうぜ!

大人になるところなんてまだ想像できないけどこの4人でどっか行ったりとかは想像できるな笑

黒尾

なんだかんだすぐ集まりそーだよな

ほら。やっぱり否定しない。すごくいい人たちに囲まれた、そんなこと高1の秋に出会ってから何回も何回も思ってきた。

毱染

やったー!じゃあーまずは卒業式の後ね!

黒尾

絶対寒いんですケドーー!

毱染

関係ない!またこの波止めに来ればいいじゃん

夜久

確かにここなら水当たることなさそうだな

なんだかんだで足だけでも入ろうとか毱は言い出しそうだね笑

毱染

そんなこと言わないよ!寒いもんー

ふと星空を見上げる。キラキラと輝く星が海に反射してさらにキラキラしてる。

夜久

星綺麗だな

毱染

ね!海に映ってさらにキラキラしてる!海の中から見たらもっと綺麗に見えるかもね!

夜久

は、入るなよ!?!?

毱染

入んないよ?笑心配しすぎ!

夜久

びっくりしたー笑染本当に入りそうだからさ

毱染

なんだと思われてんの!?

「入るな」って言われた時気のせいかもしれないけど手をぎゅっと握られた気がした。心配しなくても私は夜久の手は離さないよ!って伝えたいけどきっと伝えたら好きって気づかれる。黒尾には告白しろなんて言われるけどもし告白して今の関係が崩れたら?なんで考えてずっとできないでいる。 なんなら私はこの関係ですらなくなるのなら告白なんてしない。夜久から離れたくないから。 ねえ夜久、私を置いて遠くに行かないでね。この手を握っててね。たとえ友達だとしても私はそれでいいからこの手は離さないでほしい。って言ったら夜久はどんな顔をするかな。 宿に戻るとびっくりする出来事が起きていた。 おじいちゃんが腰をぎっくりしたらしい。またいつもみたいに急に立ちあがろうとしたらやっちゃった感じだろう。

明日の練習どうなるんっスかねー

毱染

もしかしたらオフかもよ〜

マジっスか!!!何しようかな

毱染

折角なら泳ぎに行きなよ!鎌倉合宿なんて滅多にないぞー

そうっスよねーー!行きましょう!染さん!!

毱染

私オフになったら昼まで寝るから嫌っ!

夜久

まずオフになるかだよなーーーコーチいるし

毱染

夜久ー夢を壊さないでよーー

夜久

壊してるつもりはないぞ?笑オフだといいな

次の日はオフだった。コーチはおじいちゃんの看病?をするらしい。鎌倉で1日オフなんて…夜久を誘おうかと思ったけどさっきの山本との会話を聞かれていたら不自然になってしまう。とりあえず昼まで寝よう。

黒尾

夜っくん夜っくん

夜久

あ?なんだよ海も黒尾も2人揃って

黒尾

明日、染とどっか行かないんデスカ

夜久

は、はぁ!?い、行かねえし昼まで寝るってさっき言ってたし……

黒尾

昼って遅くても12時デスヨ?残り12時間くらいありますーー!

とりあえず昼まで待ってもいいんじゃないのか?

夜久

俺だけ残ってたら不自然だろ…好きなのバレたらどーすんだよ…

黒尾

それは知らん。

夜久

そこまで考えてから発言しろ!頭使って話せ!!

黒尾

はァァ!?使ってるんですけどーー!!

まあまあ、とりあえず残ってたら染も話し相手ができて嬉しいんじゃないか?

夜久

ん、まあ……考えとくわ。

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