私の人生。

国見side

今日は早く登校することができた

すごく早い時間だし、学校全体ですら俺が一番乗りかと思っていた

でも、彼女だけがそこにいた

靴を綺麗にしまっていた

海愛をいじめたという噂が立っている先輩だった

いじめているという噂が立っているおかげで、

昼ご飯も休み時間も省かれていたが

昨日まで先輩の瞳はまっすぐ前を向いていた

でも今日は何か違う。

いつもより元気がなくて、

見た感じ、目にハイライトもない。

いつもはポニーテールの髪の毛も

今日は何故かおろしていて。

まぁ先輩の事だし、気のせいかなと思っていた

けど、今日は何か違う、という俺の予想は確信に変わった。

彼女が階段を登っている時だった。

７段目を踏んだところで彼女はふらつきはじめ

１段踏み外し、頭から落下するところだった。

でも、俺の体が咄嗟に動いて

先輩は怪我をせずに済んだ。

そして今、彼女をおんぶして保健室に連れていった。

ｼｬﾗｼｬﾗ

先輩のポケットから、袋に入った小さな鎖状のものを見つけた。

いるかのチャームと、鎖がバラバラになっていた。

何故こんな状態なのだろうかという疑問は浮かんだが

まぁそれは置いといて、俺はひとつ、気がついたことがある。

軽すぎる。

いくら女の子とはいえ、さすがに軽すぎる。

先輩は中学でバレーもやっていて

ベストリベロ賞を貰った程の実力もある。

体力や技術が必要な為、

もうちょっと重いと思っていた。

いくら中学の頃とはいえ、そんなすぐにはこんなに軽くなることはないはずなのに。

まぁいじめた人とはいえ、こんなにも不健康なのは気になってしょうがない。

ﾌﾟﾙﾙﾙﾙﾙﾙﾌﾟﾙﾙﾙﾙﾙﾙ

ﾋﾟﾛﾝｯ

先輩には悪いが、誰からか気になったので少し覗くことにした。

及川さんからか。

まぁ、誰でもそりゃ心配になるよな

とにかく俺は先輩がちゃんと食ってるか心配になったので

自分の弁当１段を机に置いて

保健室を後にした

あ、そういえば保健室へ連れていく途中、先輩の鞄は教室に置いてきたんだっけ。