しばらく先輩と花火の 実況をする。
綺麗だね、とか 今のハート可愛い、とか。
先輩と一緒に見られてたらなぁ。
そう思った時には、 私は動いていた。
涼風夏姫
先輩練習終わったんですか?
孤爪研磨
うん、もうあと寝るだけ
涼風夏姫
合宿所って運動公園の宿でしたよね?
孤爪研磨
?そうだけど…
涼風夏姫
迷惑じゃなければなんですけど、これから行きたいです
孤爪研磨
え、でも1人で危なくない?
涼風夏姫
大丈夫です
先輩に会いたいの。
どうしても、今。
孤爪研磨
迷惑ではないけど
涼風夏姫
じゃあ行きます!
涼風夏姫
全速力で!
孤爪研磨
え、でも、
涼風夏姫
もう家出るんで!!
そう残して、私は 服を着替えて外に出た。
お母さんの「どこに行くの!?」 という声にテキトーに答えて、
サンダルを突っかけて 外に飛び出す。
家から運動公園までは 徒歩15分と言ったところか。
涼風夏姫
( 早く会いたい )
涼風夏姫
( 一緒に花火見たいもん )
その一心で人通りの少ない 住宅街を走る。
涼風夏姫
!、孤爪先輩!
孤爪研磨
夏姫、ほんとに来た…
宿が見えてくると 出入口には先輩が立っていた。
涼風夏姫
先輩、お待たせしm(
涼風夏姫
い゙たっ!?
孤爪研磨
バカ、ほんとバカ
涼風夏姫
酷い…
先輩はムスッとしながら 駆け寄った私にデコピンする。
孤爪研磨
こんな時間に出るとか…
孤爪研磨
しかもその格好で
涼風夏姫
え、何かおかしいですか!?
孤爪研磨
そうじゃない
私の服装は至ってシンプル。
Tシャツにゴムの短パン、 サンダル。
おめかししている 余裕は無かった。
孤爪研磨
まあいいや
孤爪研磨
バレたら怒られるからあっち行くよ
涼風夏姫
あ、はい!
そう背を向けて 歩き出す先輩を、
私は早足で追った。







