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クズな先輩

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クズな先輩

6 - 6話 愛

♥

1,143

2024年04月04日

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少しノックを躊躇して立ち止まっていた

するとドアは開いた

綾斗(アヤト)

いつまで そこに居るつもり

五条

ぁ...

綾斗(アヤト)

入るなら入りな

そう言い あの人は 奥へ消えていってしまった

綾斗(アヤト)

じゃ話そうか

五条

うっす、、

綾斗(アヤト)

まず彼奴の小学生頃の話だ

綾斗(アヤト)

それから彼奴の人生は
歪み始めたんだ

亮くん 君は放課後 残ってね

亮(リョウ)

...?

︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎

ねぇ私とお付き合いしましょう

女教師は小さい子供が抵抗できない ほどの力で亮を掴んでいた

その頃の亮は容姿も恵まれていて お金にも困らない大金持ちの当主だった

父親が早くに死んで亮は一気に 大金持ちになったんだ

それを狙う輩は沢山いた。 媚びを売る奴や子供のうちに 丸め込もうとする奴

だから当然 護衛だってついてる

その女教師は直ぐに捕まって 警察に引き渡されたよ

でも その時の亮は怖がりもせず 泣く訳でもなく何も言わなかった

顔色一つ変えずに女教師をジッと 眺めていた

そして何より父親を亡くした 母親の執着が強かった

ついには体の関係を持とうと せがんだ

その時でさえ亮は顔色一つ変えずに その母親に対して笑顔だった

綾斗(アヤト)

普通の子供なら泣くか
怯えるか くらいする歳
だった

その話を聞いていて言葉を失った

綾斗(アヤト)

でもね亮は苦しんでない
訳じゃなかった

綾斗(アヤト)

寝れないんだ

綾斗(アヤト)

睡眠薬なしでは寝れない

俺は心当たりがあった 数え切れないほどの薬を この前 見たから

綾斗(アヤト)

彼奴が寝ると どうなるか
知ってる?

「知らないのも当然か」 とでも言いたげな顔をされた

綾斗(アヤト)

悪夢を見て そのまま朝に
なるまで もがき苦しむん
だよ

綾斗(アヤト)

悪夢から目覚める訳
でもなく

綾斗(アヤト)

ずっと その悪夢が続く

体の震えが止まらない 硝子が いつも夜には一緒にいる理由も 俺が寝るとき必ず あの人が寝る素振りも 見せなかった理由が これで全て明らかに なったから

五条

全部...知らなかった...

五条

俺は...何も....

こんな話は この子には 重すぎたのかも しれない

彼奴が偽りの姿だと知っても その偽りの姿の裏には こんな事実が 隠されていたのだから

綾斗(アヤト)

でも俺だって過去のこと
しか知らない

綾斗(アヤト)

彼奴が笑ってる理由も、

彼奴の目が俺達をちゃんと 見つめていない理由も

綾斗(アヤト)

よく聞きな

綾斗(アヤト)

中途半端に彼奴の全てを
受け止めようと するなら

綾斗(アヤト)

お前は苦痛に耐えきれず
自害するだろう

その子の手は震えていて息をするのも 苦しそうだった

綾斗(アヤト)

そして いずれは彼奴も死ぬ

綾斗(アヤト)

今 彼奴から離れなきゃ
痛い目を見るのは お前だ

五条

あんたは...

下を向いていた後輩くんは口を開いた

五条

あんたは..どうすんだ...

綾斗(アヤト)

俺?俺は勿論

離れないよ

後輩くんは意味が分からなそうな 顔をした

それも そうだろう 忠告した本人は離れないのだから

綾斗(アヤト)

俺はね、

綾斗(アヤト)

彼奴の全てを受け止める
自信はない

綾斗(アヤト)

でも彼奴が死んだ後の
苦しみを俺は死ぬまで
背負う

それが俺の彼奴に対する愛「依存」だ

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コメント

3件

ユーザー

刺さりました

ユーザー
ユーザー

今回も最高です! 続き楽しみに待ってます! 管理人さんの作品全部好きです!

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