cxxv短編集

私はれむ。

私は今日も猫として生きていく。

この人はかなめ。私の飼い主

かなめはとっても優しい。

いつも遊んでくれて、

いつもご飯を出してくれて、

仕事の間、私をかなめの膝の上においてくれる。

そんなかなめが大好きだ

こんな日が続けばいいと思っていた。

かなめは出かけていた。

その間私は心臓がドクドクして、体が重かった。

時々こうなるんだけど、この日は酷かった。

年をとったんだね。

かなめが帰ってくることを待ってた。

もう死ぬんだな。

そう思った

かなめが帰ってきた。

かなめは涙を流していた。

その言葉が私には響いた。

その瞬間、目をつぶった。

体が軽くなり、空に浮く感じがした。

その瞬間が私にとっては最後だった。

かなめ視点

私の名前はかなめ。

最近猫を亡くした。

とっても愛していたのに。

私が出かけている間、頑張って生きててくれて、待っててくれてたんだと感じた。

れむがいない日々は寂しかった。

でも。私はお腹に命を授かった。

女の子だ。

名前はれいにしたいと思っている。

れむのように、沢山の愛情を捧げたいからだ。

ドカｯ

お腹に向けて話しかけてもいつも蹴られている。笑

数ヶ月後

娘が生まれた。

本当に可愛くて…!!

この子にもれむみたいにたっくさん愛情を注ぎたいなぁと思っている。

寝ている姿が可愛いｯ!!!

れいの顔にはれむらしさを少し感じる

数年後

私の名前はれいだ。

中学1年生。

普通の中学生だが、普通の人とは違うことがある。

それは前世の記憶があることだ。

しかもその前世はお母さんのペットの猫。

そう。れむだった

こんな事はあるかといつも思っていた

お母さんは私がれむだったことを知らない。

そして、いつも昔の私の話をしてくれるのが嬉しかったんだ。

れい視点

数年後

私は高校生

そして今、反抗期

それでママと喧嘩しちゃった。

~れむの夢~

かなめが泣きながら…ママが泣きながらそう話してくれてたのが夢に出てきた

ママは泣きながらそう言ってくれた。

でも…今は喧嘩してる

何故か申し訳無さが出てきた

謝るだけ。それなのに…言いづらい

ママも怒ってるはず…

自分の情けなさ、ママの事を考えて涙が出てきちゃった…笑

謝れた。それに、自分のやったことの反省ができた気がする

前世を話すのは…まだでいいや

数週間後

私…決意しました。

ママに前世を話します。

頑張る!!

私は幸せなんだ

かなめと2個目の人生を歩めるなんて…

かなめ。愛を込めて育ててくれてありがとう。

こんな口が悪かった私のことを一生懸命育ててくれてありがとう。

かなめ

"れむとして"抱きしめてくれてありがとう。