ノベル完結センシティブ
ホラー・ミステリー
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泥でも愛に決まってる
1話から読む真白な監獄からゆきます、翼は無いですが、けして痛くはありません。
⚠あらすじは本文読後におまけとして目をお通しすることを推奨いたします
〈速報〉きょう正午、某市の療養施設で18歳の誕生日を迎えた少女が自殺した。彼女(以下A)は「ラプンツェル事件」の被害者の1人。加害者グループのリーダーを刺殺したあと同様の事件の被害者(以下B)からの通報により保護された。Aは取り調べの際から錯乱状態で受け答えが困難だったため急遽精神病院に隔離していた。死因は窓からの飛び降り。下記はAさんのBさんに宛てた遺書とされる手紙の全文であるが、古風な文体に違和感を覚える人も多いだろう。誘拐されていた時の出来事に関連性はあるのだろうか。
〈参考:ラプンツェル事件とは?〉17年前うまれたばかりの女児5人が同時期に攫われた集団誘拐事件。有名なアニメーション映画の物語と酷似しているためこのような通称で知られている。犯人は数名で活動しており、誘拐の他にも強盗や詐欺などの余罪もあった。リーダーと思われる男は自分を「王」と呼ばせていた。1年前発見された被害者の少女5人にカウンセラーがついたのだが、全員にストックホルム症候群の傾向が見られた。また犯人から性被害や暴力などを受けていたという証言もある。主に証言をしたのはBさんで、彼女はAさんに襲われかけたことがあるとも話していた。
guru[名]…サンスクリット、パーリ語で「教祖的存在」「尊敬すべき人物」などを意味する単語。もとは「重い」という意味をあらわす形容詞で、「重んじるべき方」という意味になった。 密教では「導師」などのことを指す。
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