復讐の銀薔薇はまだ愛を知らない
光の精霊の加護を持ち、〝艶麗なる銀薔薇〟との異名を持つ辺境伯令嬢のルクレシアは、双子の弟ローラントを殺した犯人を探すため、幼いころからの従者である色なしのヴァンを護衛に、髪を切り落とし弟になりすまして白の騎士団に潜入する。
ローラントの遺した手記を辿る中で浮かび上がるのは、亡国の陰謀、人身売買組織、そして騎士団の内に潜む闇。
誰よりも彼女の強さも脆さも知るヴァンは、従者として寄り添いながらも、決して伝えられぬ恋心を胸に秘めていた。
復讐の〝銀薔薇〟がその剣で切り拓く先に待つのは、真実か、愛か、それとも――。【イラスト:永弓】