好きになったら、あなたを壊してしまう〜王子たちが無能なはずの私に虜な理由〜
君の秘密を、知っている。」
10歳にして社交界デビュー。
孤児院出身という“異例の経歴”を持つ侯爵令嬢、エレノア・アゼンタイン。
そのお茶会で、18歳の王太子レイモンドに婚約者として指名される。
拒絶したのに、彼は微笑む。
「帝国のカルマン公爵家、唯一の“魅了”を宿す血筋。」
凍りつく心臓。
エレノアの正体は、帝国で最も恐れられた一族の娘。
男を意のままに操る“魅了”の力を持つ女が生まれる家。
皇室を裏から支配してきた呪われた血。
だが彼女はの力を、一度も使わなかった。
虐待されても。
閉じ込められても。
人に期待しないことで、力を封じ込めてきた。
そんな彼女を帝国から逃がしたのは、政敵であるアーデン侯爵令嬢。
そして今、サム国で静かに生きるはずだったのに。
王太子の脅し。
純粋すぎる好意を向けてくる弟王子フィリップ。
不安な夜に寄り添い続ける幼馴染ハンス公子。
優しくされるたびに、心が揺れるたびに、“魅了”が暴れ出す。
ーー好きになったら、壊してしまう。
操りたくないのに、愛されたくないのに、彼らは彼女を放さない。
「君が何者でも、俺は君を選ぶ」
溺愛は、救いか、破滅か。
ただ普通に、ただ何も考えずに、一人の人間として愛したい。
逃げ続けた帝国の公女が選ぶのは、王太子の支配か、王子の純愛か。
それとも、運命への反逆か。