銀色の鎖で結ばれたのは、恋じゃないはずでした
1)登場人物一覧
アーダ:王宮誓約局の文書係。正確さを何より重んじる。
ヴォロジャ:近衛騎士兼調停役。人のためには動けるが、自分の本心には鈍い。
アリツ:軽口を叩きつつ助け舟も出す若い貴族。
シグリド:制度の窮屈さを変えようとする王女。
2)あらすじ
白鴎婚礼祭を十日後に控えた王宮で、文書係アーダは婚姻記録の不自然な食い違いを見つける。誓約刻印機のリセットボタンを押した瞬間、王家の魔具「銀色の鎖」が発動し、近衛騎士ヴォロジャと彼女の手首を結んでしまった。鎖は、本音をごまかすたび締まっていく。記録改変の経緯を追ううち、二人は王宮厨房の騒ぎ、港に残る紙片、舞踏会名簿の不正、断崖礼拝堂に眠る未提出の誓いへと踏み込み、善意まじりのごまかしが積み重なっていた真相に辿り着く。誰かのために自分を後回しにしてきた二人が、不格好でも本当の言葉を選んだとき、鎖は祝福へ変わる。