空乃 美晴

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鋼の城で、消えた約束を君ともう一度ノベル

鋼の城で、消えた約束を君ともう一度

1)登場人物一覧

シュエル
植物を愛する努力家の女性。鋼の城で相次ぐ植物の枯死を調査し、母が遺した秘密へ近づいていく。

サンタナ
鋼の城の警備兵。人間味豊かだが集中を切らしやすく、八年前の失敗を悔いている。シュエルを守ろうとするうち、彼女に惹かれていく。

レーネ
慎重かつ柔軟な城の記録官。消された公文書を追い、二人の調査を支える。

イアク
地下にある「黄昏の映画館」の管理人。記憶を映す硝子の秘密を知る。

トレヴァー
城の改革を担う若い貴族。周囲の意見に流されながらも、最後には自ら重大な決断を下す。

2)あらすじ

鋼の城へ庭園再生のため招かれたシュエルは、枯れた月白草の根元から奇妙な硝子片を発見する。触れた瞬間に映ったのは、亡き母らしき女性と「三度目なら、城を止めて」という謎の言葉だった。

警備兵サンタナ、記録官レーネらと調べるうち、地下の「黄昏の映画館」、消された八年前の約束、そして人の記憶を利用して動く鋼の城の真実が明らかになる。

やがて城は植物だけでなく、人々の記憶まで奪い始める。シュエルとサンタナは、大切な思い出を失う危険を承知で城を止める決断をする。

たとえ思い出が消えても、もう一度あなたを好きになる――。

銀色の帽子と白枯れの田 ~異世界微生物学で米を救う~ノベル

銀色の帽子と白枯れの田 ~異世界微生物学で米を救う~

1)登場人物一覧

アキム(男性)
異世界へ転移した農学系研究室出身の青年。微生物学の知識を持つ。感情を押し殺さず、不安や迷いと向き合いながら観察と比較を重ねる。

アン(女性)
教会に仕える女性。人を励ますことに長け、当初は浄化こそ正義と強く信じている。アキムたちの調査結果を受け、新しい清浄の考え方を受け入れていく。

ミルヴァ(女性)
錬金術工房の技術者。故障や不足に即応し、簡易拡大器、培養器、改造誘蛾灯などを作り上げる。

ディーヴオン(男性)
辺境守備隊長。決断力と行動力があり、自ら危険な場所へ入る。成果を独占せず、兵士や農民の働きを称える。

ムエイル(女性)
穀物管理官。長期間の記録と数値化を重視し、病害率、水路、収量を比較して対策の根拠を作る。

2)あらすじ

異世界の水田で目覚めたアキムは、稲が白く枯れる謎の病害に遭遇する。感染田は七日後に焼却され、二十日後には王都へ年貢米を送らなければならない。手掛かりは、目に見えない痕跡を銀色に映す不思議な帽子と、前世で学んだ微生物学だった。

教会の浄化を信じるアン、技術者ミルヴァ、守備隊長ディーヴオン、記録を積み重ねるムエイルと協力し、アキムは白枯れの原因を追う。やがて、病原だけでなく稲を守る微生物まで強い浄化で失われていたこと、さらに誘蛾灯の浄化波が水田の微生物相を崩していたことが判明する。

米糠の発酵液と改造誘蛾灯を武器に、豪雨と病害から米を守る五人。帰還の手掛かりだった銀色の帽子さえ使い切った先で、アキムは自分が本当に行きたかった場所を見つける。

雨上がりの公園で、悪魔の名刺を折るノベル

雨上がりの公園で、悪魔の名刺を折る

1)登場人物一覧
 サペ:古い品を直す仕事が得意な青年。人を励ませるのに、自分の本心は飲み込みがち。
 エリア:看板絵師。思ったことを言葉にして、止まりがちな人の背中を押す。
 ンドレス:サペと兄弟のように育った青年。誤解を抱えたまま敵側に立つ。
 マイナ:記録と書類に強い。感情に流されず、黒い名刺の仕組みを追う。
 アイナグル:興行会社「眩しい箱」の演出責任者。美しさのためなら人の心も壊せる。
 チョム:人の弱みを数字に変え、町を安くのみ込もうとする黒幕。

 2)あらすじ
 雨上がりの朝、修理職人見習いのサペは、公園で片目の壊れたからくり人形と真っ黒な名刺を拾う。名刺には「願いをかなえる代わりに、他人の幸福をもらう」と書かれていた。やがて町では、悩みを打ち明けた人から順に、恋も店も居場所も奪われていく。再開発を進める「眩しい箱」が黒い名刺で弱みを集めていたのだ。看板絵師のエリアや仲間たちと動き出したサペは、敵の実働役となった幼なじみのンドレスと再会する。卒業式の日に言えなかった言葉、すれ違ったまま止まっていた時間、町に残る人形劇の記憶。奪うための名刺を、助け合うための名刺へ変えるまでの、笑って泣ける勧善懲悪の群像劇。

蒼い鏡の被害記録官  ――百年目の恋は、鬼の名を記すところから始まる――ノベル完結

蒼い鏡の被害記録官  ――百年目の恋は、鬼の名を記すところから始まる――

登場人物一覧
 ロビサ
 被害記録局の見習い記録官。蒼い鏡の欠片に触れた影響で、まだ死んでいない人の最期を断片的に見てしまう。手順を重んじるが、誰かを見捨てることができない。

 ハディジャ
 下町で荷運びや修理を請け負う青年。人懐こく世話焼きだが、体内には鬼王の核の残響が宿っている。ロビサと反発しながらも、彼女とともに真相へ踏み込んでいく。

 ヴィットリアーナ
 王都監察院の監査官。学院時代はロビサの親友だったが、三年前の記録改竄疑惑をきっかけに断絶した。冷たい態度の裏に後悔を抱えている。

 レドルフ
 旅芸人出身で、死者の人生を語る送辞役。重苦しい場でも人の呼吸をつなぎ、終盤では忘れられた死者たちの名を都へ響かせる。

 モンシロ
 被害記録局の現場班長。若手を危険地帯へ放り込まない慎重さを持つ一方、過去の撤退判断を引きずっている。

 リュバ
 工房責任者。記録針の整備、紙片復元、ムーンストーン調律を担う。否定から入らず、手を動かして突破口を探す。

 ウマル
 討鬼騎士団の青年士官。都を救う英雄になろうとするあまり、蒼い鏡の強制起動という危うい手段へ傾いていく。

 レイノルデ
 記録官養成学院の教官であり、被害記録局の顧問。幼いロビサを救った言葉が、彼女の生き方の支えになっている。

 エナシェ
 炊き出し係兼薬膳担当。温かい食卓で人の心をほどき、対立する者どうしを同じ鍋の前へ座らせる。

 ニッキー
 事務官。帳簿や申請書、封印記録を洗い直して証拠を集める、実務に強い支え手。

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あらすじ
 夜霧に包まれた城塞都市ルクスバールでは、鬼に害された人間は七日後から人々の記憶から薄れていく。被害者の名と最期を記し、この世につなぎ止める見習い被害記録官ロビサは、鬼害現場で蒼い鏡の欠片をかざした瞬間、死者ではなく見知らぬ青年ハディジャの姿を見る。
 やがてロビサは、自分が蒼い鏡に選ばれた花嫁候補であり、ハディジャが鬼王の器にされかけた存在だと知る。さらに母が遺した破れた手紙を追ううちに、「花嫁を捧げれば都は救われる」という王都の儀式そのものが、百年前に書き換えられた偽りだと判明する。
 失われた名前が沈む地下迷宮、断絶した親友との再会、百年前の恋の残響。

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