《第零局:Singular's Code》
※pixivにもあげています
この国では、人は皆、生まれながらに"センスム(Sensum)"と呼ばれる力を持っている。
だがその力を「使える」と認められ、国家機関《CNSA》に所属できるのは、
わずか数パーセント――
厳格な選抜試験を突破した“選ばれた者”だけだ。
久遠寺椿(くおんじつばき)は、その一人だった。
真面目で、正義感が強く、誰よりも「正しくあろう」とする少女。
だが初任務で、彼女は命令を破って“人を救った”。
その行動は本部にとって“問題行為”とされ、椿は排除された。
行き先は、《第零局》。
存在すら表に出されていない部署。
だが内部ではこう言われている。
「あそこに行ったら終わりだ」と。
命令違反、感応異常、精神不安定――
規格外の者たちが放り込まれる、いわば“処分一歩手前の隔離先”。
だがそこにいたのは、本部最強と呼ばれた少女だった。
神和住志夢(かみわずみしのん)。
分類不能の力を持ち、誰の命令にも従わず、
笑って戦い、笑って拒む、“CNSAで唯一のシンギュラー(Singular)”。
正しすぎた椿と、選ばれすぎた志夢。
まったくかみ合わないふたりが、バディとして戦場に立つとき、
「選ばれる力」と「選ぶ心」の違いが、世界を少しずつ変えていく。
これは、“コード(Code)”と呼ばれる正しさに、
自分の手で抗うことを選んだふたりの物語。
「間違ってると思ったなら、君はどうする?」
選ぶのはいつだって、私自身だ。