夏の青と鈴

辛い、苦しい。
1人の病室、だんだん視界が狭まるのを感じ「死ぬ。」なんとなくそう悟った。
嫌だ、生きたい、生きたい生きたい、生きたい、、、行きたい、…逝きたい。
プツリとなにかが切れる。
ピーーー
あの時私はナースコールを押せなかった。
いや、押さなかったんだ。

私は死んだ。
死ぬと同時に、自分の生きていた頃の記憶には靄がかかってしまっていた。そんな中唯一覚えていたのは、とある男の"聲"だった。

瞳の形

人は誰しも、何かしら才能や能力がある。
それは人それぞれだ。
ただ、私は少し特殊だった。
「相手の思考が読める。」
相手の瞳の中に、その人の感情が"一文字"で表示されているのだ。正直使い勝手もいいし、特に気にも留めないなかった私。

そして私はその境遇の中で、とある男性と出会う…
こんなこと、私には天と地がひっくり返ってもないと思ってたのに、なぜかその男性に私は運命的なものを感じてしまい…！？