ねえ、お兄さん
んだよ、てめぇ
お兄さん、前にも言ってたよね?
は?
私を『カンキン』しているのは寂しいからだ、って
居場所が無いからだ、って
言ってねぇよ、そんな事
言ってた、私は覚えてるもん
お前なぁ、小学生のくせに生意気なんだよ
ぶち殺すぞ
お兄さんは優しいから、私を殺したりなんかしないのも知ってる
……っお前さぁ!
あっ!そうだ!
いいこと思いついた!
ちっ…
お兄さん!紙とペン貸して!
何するんだよ
いいから!
逃げようとか考えても無駄だぞ
私がそんな人じゃない事くらい分かるでしょっ!
……はいよ
ありがとっ!お兄さん!
……っ
少女は軽い足取りで 奥の部屋へと消えていった
…もう時間の問題だな
そろそろやらねぇとな
翌日 家の前をパトカーに囲まれて 俺は抵抗する余地も無いまま 連行された
…まさか、自首するなんてな
君!大丈夫か!
なんでぇっ!なんでぇ!
もう安心していいよ、怖かったろう
違うっ!やめてぇっ!
保護された少女は 必死にこちらへ訴えながら 警察官の手を振り払おうとする
お兄さん!!お兄さん!!
どうして?
昨日まではケイサツにバレて無かったじゃん!
…っはは
何だよ、喜べよ笑
家に帰れるんだぞ?嬉しくないのか?
お兄さんと一緒じゃなきゃ嫌なの!!
離れたくないのっ!
……っ
あぁ 抑えていた涙が
安心しろよ
俺はまた戻ってくるよ
…ほんとに?
うん
そしたら俺、お前の『彦星』になってやる
!!
もしかして、昨日の短冊──
何をやっている!早く中に入れ!
あっ!お兄さん!
…じゃあな
お兄さん!!!
約束するから
もう、泣くなし笑
…分かった
約束…だよ!
私待ってるから!!
1年後、ここで待ってるから!
1年じゃ早ぇよ笑
ふふ…またね
少女が監禁されていた 部屋のベランダには
1本の笹竹が添えてあった
そこには 紐で固く結び付けられた2枚の短冊が 風になびかれてた
■ お ■ 兄 ■ さ ■ ん の 彦 織 星 姫 に な れ ま す よ う に
Starry グループ共通テーマ作品 《七夕》
fin







