あの公園の出来事から、 俺らは学校へと戻った。 俺は、問答無用で 蘇枋からの 自称すんごーーーく優しい 治療を受けた。
わざととは思えないほど クソほどいてぇ手当をされた。 逆にどうやったらあそこまで 悪意を持って このクソ痛い手当を出来たのか、 不思議でたまらない。
周りのヤツらは、 自業自得だと笑っていた。 蘇枋は、 思い出したくはないほど不敵な笑みを浮かべていた。
それから数日は、 特にこれと言った変化や 出来事はなかった。
学校終わりの放課後、 適当にフラフラ歩いていたら、 獅子頭連の島まで きてしまっていた。 なんて危なっかしいんだと 自分でも思った。
けど、 数日前のあの公園の 出来事を思い出すと、 どうも頭ん中がフワフワした。
ここに居てもすることも無いし 俺は来た道を戻ろうとした。
十亀
十亀
急に振り返った背後から 声が聞こえ、 体がビクリと跳ねた。
十亀
桜
十亀
十亀
桜
十亀
十亀
十亀
「しゃーねぇーな。」 と、右手で頭を掻きながら、 柵に腕をかけた十亀の元へ歩いた。
放課後の学校からの帰り道。 授業中でも どこか浮ついている桜君が気になり、
先に帰って行った筈の桜君を 追いかけた。
蘇枋
声を掛けようとしたけど、 途中で言葉が止まった。 桜君が行こうとしてるのって…… 獅子頭連の 支配している地区側……?
桜君の顔は、 まだボーッと霧掛かった様だった。 場所も場所だったし、 心配だったから、俺は桜くんについて行く事にした。
あと、 悪い虫が着いても すぐオッパらえる様に。
どこに行ったのか分からない桜君を 探している間、 結構な時間が経ってしまっていた。 学校から帰る途中だったのもあり、 服は制服のままだ。
さっさと見つけて帰らないと、 何があるか分からないこの場所。 今は少し落ち着いているとは言え、 血の気が多い人は少なからず居るだろう。
そんなことを考えている間に、 ふと、柵の方を向くと、 白黒の頭をしている俺の好きな人と、 黒髪の男が 柵に腕をかけ、 仲良さそうに話していた。
俺との距離が近づくにつれ、 桜君と、 黒髪の男、 十亀さんの 表情も見えてきた。
2人は、背後に寄る俺にはまだ気づいていない様だった。
十亀さんと2人で話している桜君は、 すぐ顔が真っ赤になって、 ぺしぺし悪ふざけ気味に叩いたり 不機嫌そうな顔になったと思えば、 今までに見た事の無い様な笑顔を見せた。
気づいたら俺は、 その場から走り出し 桜君に後ろから抱きついていた。
急に背後から誰かに抱きつかれ、 心臓が一気に飛び跳ねた。 十亀も、目を見開いて驚いた顔をしている。
抱きつかれたにも関わらず、 俺は抵抗をしなかった。 だって俺は、 この心地良さと体温を知っていたから。
桜
ダメだ、また心臓が 激しく動き出す。 幸せな感覚なのに、 息が苦しい
蘇枋
俺は有無も言わせないとばかり の蘇枋につれられ、 この場所を去った。
去り際の十亀は、 面白い物でもみたかの様に 大笑いしていた。 何がそんなに面白いのか、 気になったが 聞けなかった。
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十亀
いつも見せる笑顔とは真逆の 今までに見た事もないほどの 冷たい目をしていた。 あの時の戦いよりも、 冷たく冷酷な目だ。
十亀
十亀
十亀
コメント
2件
十亀..!!!優しいやつだと初めて思ったぜ...すき..