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真っ黒なアナタ

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真っ黒なアナタ

3 - 真っ黒なアナタ 3

♥

173

2019年09月02日

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咲月

お…はよ

おはよぉ、咲月ちゃん。昨日の夜はどうだった?

ニヤニヤしながら聞いてくるとかくっそキモイんだけど、この人

ニノミヤと、何かある訳ないじゃんか

咲月

普通に寝ただけだし

あらやだ。ホントのホントにただの幼馴染なんだ〜

咲月

そんな嘘つくわけないじゃん。笑

幼馴染君の事好きじゃないって言ったの

嘘でしょ?

咲月

………ホントだし

大野から目を逸らして言ったその言葉

自分の心にズシンと響いた

ボーッとする咲月

咲月ちゃんっ

咲月

わっ!

急に肩を叩かれて後ろを向くと、満面の笑みの大野がいた

んふふ、驚き方すっごいかぁいい

咲月

〝あ〟じゃなくて〝わ〟だからね。日本語くらいちゃんと喋れるようにしとけよ

か・あ・い・い?

咲月

か・わ!・い・い!

か〜あ〜い〜い?

小首傾げんなよ、ぶりっこかよ。

咲月

……もういい

まぁ、そんな事はどーでもよくて、ご飯食べに行こう?

咲月

ご飯?・・あぁ、もうこんな時間か。・・・ん、行こう

私はいつもお昼は大野と二人で食べている

なんでか分かんないけど、なぜか大野と二人

大野の本心はよく分からない。

咲月

うっわ~、何食べようかな

初めて入ったおしゃれなカフェ

メニューにのってる写真の中の料理は全部美味しそうで決められない

オイラは、たらこスパのケーキセットにする!店員さ~ん、こっち来て~

咲月

ちょっ、大野!私まだ決めてないっつーの!

そんな叫び声もむなしく、レースのエプロンをひらひらさせながら店員さんが走ってきた

店員

はいっ、ご注文お伺いいたします

えっとぉ、たらスパ・・・・あっ、ここの店の服、かぁいいね~

細い綺麗な指先で、スカートの裾をつまんだ大野

店員

わっ、やめて下さいっ/////

言葉では嫌がってるけど、顔は満更でも無さそうだな、店員おいコラ

照れる振り。お上手ねぇ?、んふふっ。たらスパのケーキセット二つ。はい、さよなら

店員

えっ・・振り?・・・あ、た、たらこスパゲッティのケーキセットお二つですね?かしこまりました・・・・・

走り去っていく店員さんの背中を見つめる大野の目は、なんだか冷たかった

咲月

・・・・・大野・・・怖っ、ってか勝手に注文すんなや!

だって、たらスパ美味しそうじゃん

咲月

・・・はぁ・・・まーいいけどさ

んふふ、あの女、顔は満更でもなさそうだったね?笑

咲月

・・・・怖いわぁ・・・・

大野はバカそうに見えるけど、ちゃんと人の本質を見抜いてんだろーな・・・・

私はどう見られてるんだろう

咲月

大野ってさ、女嫌いなの?

ん~、ぶりっこは嫌~い

咲月

ぶりっこ・・・・・・上目づかいとか?

うん!あとぉ、頑張って高い声出してるのとか引く。んふふ

こいつにはモテテクっつうのが効かねえんだな・・・・・がんばれ女子達よ

咲月

私ってっぶりっこ?

違う

即答かよ

まぁ、上目づかいもしないし?声も高くないし?おっさんぽいし?

咲月

んじゃ、私のことどう思ってんの?

・・・・っは?!・・・・え、ちょ・・・・なに聞いてんの///

グラスの水をすべて飲み干し、目をパチクリさせてる大野

・・・・・・私の質問ってそんな変なの?

・・・・嫌いじゃぁ・・・・・なぃ・・・・・

咲月

ふ~ん、あっそ

大野の顔が何で赤いのか、私には分からない

他の可愛い女の子なら、分かるはずなんだろうけど。

satoshi side

“私の事どう思ってるの”

何回も女から言われた言葉だから

いつも通り、「可愛いよ」って返そうと思ったのに

咲月ちゃんの言葉と他の女の言葉を同じにしちゃいけねぇって急に思った。

んで何て返そうかって悩んでる内に勝手に口は動くわ、顔は真っ赤になるわ、もう大変

突然にこんな事言ってくるなんて・・・・・・・・・

・・・・・・・小悪魔め・・・・・//

咲月

ん?大野なんか言ったぁ?

別にっ

咲月

なによ、なんで怒ってんのよ。笑

こんなに小悪魔で

俺の思ったとおりに動かなくて

オイラを好きにならない女は初めてだ。

これはモテル男として大事件だな。うん

咲月

なに自分でモテルとか言っちゃってんのよ。キモ。引く

絶対俺に惚れさせてやるからなっ!

・・・・・・・んだよ、そのぽかんとした顔は・・・

このモテモテ大野君が言ってあげてるんだぞ

咲月

あははっ、あっそ、頑張れ。笑

こいつ小悪魔なんかじゃねえや・・・・・・・・・悪魔だ。

大野から訳わかんない宣言されたんだけど・・・・笑

しっかし・・・なんか今喋り方が男っぽい・・

いつもの、“んふふ~”って感じじゃない

咲月

まっ、大野には無理だと思うよ

じゃあ誰なら咲月を攻略できんだよ

じっと私を見つめる大野の目は、今まで見た事がない瞳で

心がドキッと高鳴った

誰?ニノミヤってやつ?それとも翔君とかの真面目系?

咲月

・・・・・・ちっ・・・・違う!

じゃーあ、咲月ちゃんを攻略すんのはおいらって事ね。んふふ~

咲月

はぇ・・・・?//

ごちそーさまでしたぁ~。お会計行ってくんね

大野は私を置き去りにして、レジへと行ってしまった

っていうか何なの?!

男っぽくなったり、んふふ~とか言いだしたり・・・・

大野のいちいちの言動で、私の心はかき乱されていく。

咲月ちゃんっ?

咲月

うわぁっ!

急に顔を覗き込んできた大野はいつも通りふにゃふにゃしてる

ほら、行こっ?

差し出された手を、簡単に信用して握る私はとんでもないバカだ。

会社へ戻って時計を見ると、昼休みが終わるちょうど5分前

お~5分前~

ちゃんと計算してるのか、それともたまたまなのか

ん?なによ、俺の顔じろじろ見て。笑

首を傾げながら、ふって笑った大野の目を見ても

その奥が見えない。

咲月

お疲れ様

あれ?もう帰るの?

咲月

うん。仕事全部終わったし

ふぅ~・・ん。ばいび~

咲月

さようなら

そんな子犬みたいに目ウルウルさせんな、バカ

咲月

ただ~ぃ・・・・あ・・・

玄関に脱ぎ散らかしてる、真っ黒なスニーカー

咲月

・・・・・・・・・ニノミヤっ・・・・・//

左胸をそっと撫でて、リビングへのドアを開ける

咲月

・・・ただいま

和也

おかえりー

咲月

なんで居んのよ。バカッ

和也

ひっで~!笑

ホントはおかえりって言ってくれて嬉しいのに

自分の気持ちも伝えられないなんて、私は小学生みたい。

咲月

ニノミヤ・・・・

和也

んだよ

咲月

咲月

何も・・・・・ない

和也

バカ

テレビの前に置いてるソファに二人でもたれかかってる

私が床に置いてる右手の隣には、ニノミヤの左手

手の距離はほぼゼロなのに

心の距離は測れない

離れてたら嫌だから、測りたくない

咲月

ニノミヤはさ、私のこと、どー思ってる?

和也

お前そんな質問すんだ。笑

咲月

うっさい。答えてよ

和也

・・好きだよ

咲月

は、・・・?

和也

だから、好きって言ってんじゃん

咲月

・・・・・・っバカにしないで

私の気持ちも知らないくせに、簡単に“好き”っていう言葉を口から出さないで。

ニノミヤの私への好きっていう感情と

私の好きっていう感情の重たさは絶対違う

和也

ってか急にどしたのよ。笑

咲月

・・・・ちぇっ・・・大野の方が反応面白かった。ってかお前にした私がバカだったのか

和也

・・・・大野?誰そいつ

咲月

後輩

そう言う私を見るニノミヤの目は、なんだか鋭い

和也

・・どんな奴?

咲月

え?・・・う~ん、すっげー口悪くって、私のことバカにしてくんの!

和也

・・・・・・俺とキャラかぶってる

咲月

あははっ、ニノミヤんな事気にしてんのっ?!笑

和也

べっ、別に気にしてなんかねえよ!///

真っ白な肌を真っ赤に染めといてなに言ってんだか。笑

・・・・・けど気にしてくれてて、ちょびっとだけ嬉しい、かも・・・・。

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コメント

1

ユーザー

いいですね!今回も

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