咲月
智
ニヤニヤしながら聞いてくるとかくっそキモイんだけど、この人
ニノミヤと、何かある訳ないじゃんか
咲月
智
咲月
智
智
咲月
大野から目を逸らして言ったその言葉
自分の心にズシンと響いた
ボーッとする咲月
智
咲月
急に肩を叩かれて後ろを向くと、満面の笑みの大野がいた
智
咲月
智
咲月
智
小首傾げんなよ、ぶりっこかよ。
咲月
智
咲月
私はいつもお昼は大野と二人で食べている
なんでか分かんないけど、なぜか大野と二人
大野の本心はよく分からない。
咲月
初めて入ったおしゃれなカフェ
メニューにのってる写真の中の料理は全部美味しそうで決められない
智
咲月
そんな叫び声もむなしく、レースのエプロンをひらひらさせながら店員さんが走ってきた
店員
智
細い綺麗な指先で、スカートの裾をつまんだ大野
店員
言葉では嫌がってるけど、顔は満更でも無さそうだな、店員おいコラ
智
店員
走り去っていく店員さんの背中を見つめる大野の目は、なんだか冷たかった
咲月
智
咲月
智
咲月
大野はバカそうに見えるけど、ちゃんと人の本質を見抜いてんだろーな・・・・
私はどう見られてるんだろう
咲月
智
咲月
智
こいつにはモテテクっつうのが効かねえんだな・・・・・がんばれ女子達よ
咲月
智
即答かよ
まぁ、上目づかいもしないし?声も高くないし?おっさんぽいし?
咲月
智
グラスの水をすべて飲み干し、目をパチクリさせてる大野
・・・・・・私の質問ってそんな変なの?
智
咲月
大野の顔が何で赤いのか、私には分からない
他の可愛い女の子なら、分かるはずなんだろうけど。
satoshi side
“私の事どう思ってるの”
何回も女から言われた言葉だから
いつも通り、「可愛いよ」って返そうと思ったのに
咲月ちゃんの言葉と他の女の言葉を同じにしちゃいけねぇって急に思った。
んで何て返そうかって悩んでる内に勝手に口は動くわ、顔は真っ赤になるわ、もう大変
突然にこんな事言ってくるなんて・・・・・・・・・
智
咲月
智
咲月
こんなに小悪魔で
俺の思ったとおりに動かなくて
オイラを好きにならない女は初めてだ。
智
咲月
智
・・・・・・・んだよ、そのぽかんとした顔は・・・
智
咲月
こいつ小悪魔なんかじゃねえや・・・・・・・・・悪魔だ。
大野から訳わかんない宣言されたんだけど・・・・笑
しっかし・・・なんか今喋り方が男っぽい・・
いつもの、“んふふ~”って感じじゃない
咲月
智
じっと私を見つめる大野の目は、今まで見た事がない瞳で
心がドキッと高鳴った
智
咲月
智
咲月
智
大野は私を置き去りにして、レジへと行ってしまった
っていうか何なの?!
男っぽくなったり、んふふ~とか言いだしたり・・・・
大野のいちいちの言動で、私の心はかき乱されていく。
智
咲月
急に顔を覗き込んできた大野はいつも通りふにゃふにゃしてる
智
差し出された手を、簡単に信用して握る私はとんでもないバカだ。
会社へ戻って時計を見ると、昼休みが終わるちょうど5分前
智
ちゃんと計算してるのか、それともたまたまなのか
智
首を傾げながら、ふって笑った大野の目を見ても
その奥が見えない。
咲月
智
咲月
智
咲月
そんな子犬みたいに目ウルウルさせんな、バカ
咲月
玄関に脱ぎ散らかしてる、真っ黒なスニーカー
咲月
左胸をそっと撫でて、リビングへのドアを開ける
咲月
和也
咲月
和也
ホントはおかえりって言ってくれて嬉しいのに
自分の気持ちも伝えられないなんて、私は小学生みたい。
咲月
和也
咲月
咲月
和也
テレビの前に置いてるソファに二人でもたれかかってる
私が床に置いてる右手の隣には、ニノミヤの左手
手の距離はほぼゼロなのに
心の距離は測れない
離れてたら嫌だから、測りたくない
咲月
和也
咲月
和也
咲月
和也
咲月
私の気持ちも知らないくせに、簡単に“好き”っていう言葉を口から出さないで。
ニノミヤの私への好きっていう感情と
私の好きっていう感情の重たさは絶対違う
和也
咲月
和也
咲月
そう言う私を見るニノミヤの目は、なんだか鋭い
和也
咲月
和也
咲月
和也
真っ白な肌を真っ赤に染めといてなに言ってんだか。笑
・・・・・けど気にしてくれてて、ちょびっとだけ嬉しい、かも・・・・。
コメント
1件
いいですね!今回も