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いくつもの斬られた跡。
その痛みに悶えるように、勇者は地に手を付けた。
咳が出る。血が飛んだ。
それに続いて、口からさらに溢れてきた。
クロッフル
『キイイィィィィィィイン』
ボケた視界と耳鳴りが、幻想が勇者を覆っている。
クロッフル
サヴァランの攻撃のすべてを、回復で打ち消せていると思っていた。
しかし、それらにはサヴァランの魔力が込められており、その魔力は勇者の体に残っていた。
いつだってこのように、傷口を再現させることが可能だったのだ。
サヴァラン
サヴァランは勇者に近づく。
ゆっくりと歩いて。しかし、勇者は動かない。
遂には剣一本分の間合いに入り、その後頭部に向けて腕を伸ばした。
サヴァラン
サヴァラン
サヴァラン
サヴァラン
クロッフル
勇者は唇を噛む。
クロッフル
サヴァラン
サヴァラン
クロッフル
クロッフル
クロッフル
サヴァラン
サヴァラン
サヴァラン
サヴァラン
勇者を囲んで地面に亀裂が走る。
異常な速度で成長した植物が、サヴァランへ向かって伸びた。
クロッフル
サヴァランは当然、一瞬でそれらを蹴散らす。
(精神体)
(精神体)
(精神体)
(精神体)
(精神体)
(精神体)
(精神体)
クロッフル
勇者のわきに現れる、巨大な二つの魔法陣。
飛び出したのは岩壁。サヴァランを覆って潰しにかかる。
サヴァラン
刹那、再び咲いたのは白蓮華。
サヴァランの斬撃。
岩壁はすべて塵と化した。
サヴァラン
思えば……何一つ、うまくはいかない人生だった。
国王ボンボンと王姫ショコラの間に生まれたその赤子は――
生後三年間、一度も泣かずに、ただ眠り続けていた。
これが第一王子クロッフルの、静かな人生の始まりだった。
クロッフル
(かなりエロい風貌の女)
(かなりエロい風貌の女)
(かなりエロい風貌の女)
クロッフル
(かなりエロい風貌の女)
(かなりエロい風貌の女)がミルクを飲ませようとするも、赤子は眠ったままだった。
(とてつもなくエロい風貌の女)
(とてつもなくエロい風貌の女)
(とてつもなくエロい風貌の女)
クロッフル
(とてつもなくエロい風貌の女)が離乳食を差し出すも、クロッフルは眠ったままだった。
それどころか、眠ったまま首を横に振った。
(かなりエロい風貌の女)
(かなりエロい風貌の女)
(かなりエロい風貌の女)
(かなりエロい風貌の女)
(とてつもなくエロい風貌の女)
(かなりエロい風貌の女)
(とてつもなくエロい風貌の女)
(とてつもなくエロい風貌の女)
(とてつもなくエロい風貌の女)
(かなりエロい風貌の女)
それから一週間後、その女はこの仕事を辞めた。
このようなことは初めてではなかった。
多くの女がクロッフルを恐れ、『まったく懐かなかった』だとか、適当な理由を述べた。
ただ一人を除いて。
(扉が開く)
女が辞めて一ヶ月後、
第二王子ビスコッティが生まれると、クロッフルは目を覚ました。
そして、大人が話すのと同じように、悠長な言葉遣いで感謝を述べたと言う。
クロッフル
(とてつもなくエロい風貌の女)
(とてつもなくエロい風貌の女)
(とてつもなくエロい風貌の女)
「卒業生総代……クロッフル・マジウーマイ」
クロッフル
クロッフルは壇上へ向けて歩く。
その足取りはどこか重く、目には光が宿っていない。
モブ生徒たち
モブ生徒たち
モブ生徒たち
エクレア
エクレアの瞳は、完全にその背中に奪われていた。
エクレア
エクレア
エクレア
俺の人生は、何一つうまくはいかない。
物心ついた時にはなんだってできた。
基礎魔法も上級魔法も回復魔法も、なんだって扱えた。
魔法学園、入学前日。
そこで学ぶことなんて、俺には何もなかった。
(とてつもなく妖美になった女)
クロッフル
クロッフル
扉を開き、女は行こうとする。
(とてつもなく妖美になった女)
クロッフル
クロッフル
女は振り返り、微笑みながら言った。
(とてつもなく妖美になった女)
(とてつもなく妖美になった女)
(とてつもなく妖美になった女)
クロッフル
クロッフルは幼子だった、かつての日と同じようにベッドに腰を掛けた。
女もその横に座ると、大きな本を開いて見せた。
それは『勇者の冒険』という、五〇ページほどある古い絵本だった。
芸術的に描き込まれた絵に、かなりの文量が合わさって載っている。
物語の構成はとても単純だ。おそらくはこれでも、子供向けに作られたものであることがわかる。
クロッフルはかつて、毎日のようにこれを読み聞かせてもらっていた。
(とてつもなく妖美になった女)
クロッフル
あと一つページをめくれば最後というところで、女の手が止まった。
クロッフルは優しく言った。
(とてつもなく妖美になった女)
女は泣いていた。頬を涙が撫でていた。
クロッフルは女の持つ絵本を退け、ハンカチを差し出した。
(とてつもなく妖美になった女)
クロッフル
クロッフル
(とてつもなく妖美になった女)
女は少し涙を拭うと、口を開いた。
(とてつもなく妖美になった女)
(とてつもなく妖美になった女)
(とてつもなく妖美になった女)
(とてつもなく妖美になった女)
(とてつもなく妖美になった女)
(とてつもなく妖美になった女)
(とてつもなく妖美になった女)
(とてつもなく妖美になった女)
(とてつもなく妖美になった女)
女はクロッフルの両手を握り、強い眼差しを向ける。
(とてつもなく妖美になった女)
(とてつもなく妖美になった女)
(とてつもなく妖美になった女)
(とてつもなく妖美になった女)
(とてつもなく妖美になった女)
クロッフル
女は静かに立ち上がり、背を向けた。
まだ絵本を読み終えていないのに行ってしまう。
クロッフルはそれが悲しかった。
クロッフル
クロッフル
クロッフル
女は部屋の外に出たところで、少し立ち止まった。
(とてつもなく妖美になった女)
(とてつもなく妖美になった女)
(とてつもなく妖美になった女)
女は扉を閉める。そして、それと同時にこちらを見た。
(とてつもなく妖美になった女)
笑っていた気がする。
太陽を背に宙に浮かぶクロッフル。
魔力を込めた右足。そのまま真っ直ぐにサヴァランへ突き進む。
思えば……何一つ、うまくはいかない人生だった。
(精神体)
(精神体)
今は一人じゃないから。
サヴァラン
クロッフル
サヴァランも合わせるように、蹴りで向かい打つ。
二つの魔力が撃した。