にんじんくん
けっ
とある日、 にんじんくんはとてもイライラしていた その理由は、
子供A
にんじん大きくてやだー
母親
こら、にんじんは栄養いっぱいなのよ!食べなさい
子供A
だって不味いんだもん
カレーに入っているにんじんが嫌だと子供が泣いていたからだ
にんじんくん
悪かったな!不味くてよ
にんじんくん
俺どうせ不味くて嫌な男だよ
にんじんくんは、少々口が悪い事で 野菜界では有名なのだ
にんじんくん
そりゃあ、レタス様とかじゃがいもの奴とかみたいな人気者にはなれねぇけどよ
にんじんくん
野菜並みにはなりたいんだよな
にんじんくん
俺だってよ…
口悪く、そして気弱らしい
次の日も、母親は子供にどうにかにんじんを食べさせる為に調理する
にんじんくん
諦めなよ。どうせまた俺の事を見て泣くからよ
しかし、今日の夕ご飯はコンソメスープ
なんと、あの泣いていた子供はにんじんくんを食べていたのだ
母親
あら、にんじん食べれたじゃない
子供A
うん。なんでだろう…
子供A
柔らかくて食べやすい
そう。母親は細かくキューブ状に にんじんくんを切っていたのだ
子供A
にんじん、美味しい!!
にんじんくん
けっ…
にんじんくんの目からは涙が零れた
にんじんくん
嬉しいこと言ってんじゃねぇよ
にんじんくん
俺は…にんじんなんだ。
にんじんくん
嫌われても仕方ねぇのによ
にんじんくん
ありがとうな、少年
にんじんくん
今の俺は、幸せ者だ







