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由美
ちょっとベンチで休まない？
由美
今日、最高気温38℃だって…
奈月
そうなの？私は全然平気よ！
由美
そりゃあんたは…
奈月
なにさ？
由美
いや、その…陸上部だったからさぁ
奈月
体力が有り余ってると言いたい？
奈月
それに「だった」じゃなくて今もそうよ
由美
そ、そうだよね
奈月
ほんと体力がないわね！
由美
私、演劇部なんでw
奈月
演劇だって体力が必要じゃん！
奈月
仕方ないわね…特別に休んであげるわよ！
由美
何故ゆえに上から目線w
「夕食は何がいいですか？」
「はいはい…分かりました」
由美
…
奈月
…
奈月
あのお婆さん…独り言と言うか、誰かと会話してる？
由美
…
奈月
もしかしてボケてる？
由美
シッ！聞こえるわよ
「私は大丈夫ですよ、爺さんは？」
奈月
爺さん？もしかして…
奈月
亡くなった旦那さんと話してるつもりなのかな？
由美
そうみたいだね
奈月
お婆さんには見えてるんだ…まぼろしが？
由美
さぁ、どうなんだろう…
奈月
ボケ…じゃなくて…認知症が進んでるみたいだね
奈月
可哀想だけど
由美
もしかしたら、本当に居るのかもしれないよ？
奈月
居るって…お爺さんが？
由美
うん
奈月
あははw由美って幽霊を信じてるタイプだっけ？
由美
まぁ、うん…ダメ？
奈月
全然良いけど意外だね！
奈月
まぁ、会話が成立してるみたいだから可能性はなくないけどw
由美
奈月は信じてないわけ？
奈月
当たり前でしょ⁉︎
奈月
幽霊なんて居るわけないじゃん！
由美
そっか…
奈月
何よ？残念そうな顔しちゃって
由美
ううん、何でもないよ
奈月
ったく…時々、寂しげな表情をするわね
由美
乙女心は複雑なの！
奈月
はいはい、分かりましたよw
由美
それにしても…暑いわね
「それではボチボチ帰りましょうか？」
「はいはい、今日はあなたが好きな焼き魚ですよ」
奈月
やっぱり！ご夫婦じゃん！
由美
…
奈月
脳がまぼろしを見させてるのね
奈月
亡くなったこと…覚えてないんだ…
由美
奈月…あの、さぁ…
奈月
何よ？あらたまって
由美
まぼろしじゃなかったとしたら？
奈月
えっ⁈本当に居るってこと？
由美
うん
奈月
いやいや、それはないでしょ⁈
由美
…
奈月
マジ…なの…？
由美
あははw冗談よ、冗談！
奈月
もぉ！びっくりしたじゃん
由美
この暑さだからさぁ、涼しくしようかな…って！
奈月
あのね〜私は大丈夫って言ったじゃん！
奈月
暑さなんて全然、感じてないんだから
由美
…そうだったわね
奈月
で、休憩できた？
由美
うん！十分過ぎるほど
奈月
じゃ、私たちもボチボチ帰りましょうか？
由美
りょーかいです！
まどか
由美、お待たせ〜
まどか
それにしても暑いね…38℃だって？
由美
そうだけど、遅刻よ〜
まどか
ごめんごめん！
由美
まぁ、カラオケがおごりなら許してあげるわよ？
まどか
仕方ない…な
由美
なら、許してあげる
まどか
それはそうと誰かと話してた？
由美
…ううん、独り言だよ
まどか
独り言？
まどか
にしては誰かと会話してる風だったからさ
由美
練習してたの、私…演劇部だから
まどか
誤解されるから気をつけた方がいいよ
由美
分かった、ありがとう
電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
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