香苗 瑠里
(今日はずっと好きだった亮一くんにラブレターを渡すんだ!)
香苗 瑠里
(私、香苗瑠里(かなえ るり)は今日告白します!)
香苗 瑠里
(あ!きた!)
友達と話しながらこちらの方に歩いてくる亮一くんが見えた。
私はラブレターを取り出そうとスカートのポケットに手を突っ込んだ。
香苗 瑠里
(ん?あれ?)
でも、あるはずのラブレターはなく、私は体中を触ってあるか確認した。
しかしやっぱり探してもラブレターは見つからなかった
香苗 瑠里
あれ?!ない!ない!なんで?!
香苗 瑠里
(確かにここに入れたはずなのに!もしかして、どこかに落としちゃった…?)
私は教室中を探し回った。今は放課後。学校に残っている生徒は少なく、教室にはもう誰もいなかった。
私はキョロキョロと周りを見て探していると目の前に影がおちた。
ふと顔をあげるとそこには学年一のイケメンと騒がれている黒崎くんの姿があった。そして、手には私のモノと思われるラブレターが握られていた。
香苗 瑠里
(え、え?なんで黒崎くんが私のラブレターを持ってるの?)
香苗 瑠里
あ、あの、その手に持っているものは…
黒崎 樹
あぁ、これか。落ちてた
香苗 瑠里
もしかして!拾ってくれたんですか!
香苗 瑠里
(優しい人…!)
黒崎 樹
落ちてたからな。なんだっけ、【その優しさに一目惚れしました】だっけ?
香苗 瑠里
いやぁぁぁ!!な、なんで見るんですか!!
香苗 瑠里
(全然優しい人じゃなかった!)
黒崎 樹
誰のか確認するために見たんだよ。名前書かれてなかったから。
香苗 瑠里
え、私書いてないですか?
香苗 瑠里
(うそ!忘れてた?!ま、まぁでも直接渡すつもりだったし…)
黒崎 樹
あぁ
香苗 瑠里
でもどうして私のものだって…
黒崎 樹
なんか探してたから、そうなのかと思って
香苗 瑠里
なるほど!
香苗 瑠里
……
黒崎 樹
…
香苗 瑠里
あ、あの、そろそろそれ、返してもらってもいいですか?
私がラブレターに手を伸ばすとヒョイっと上に上げられてしまった
香苗 瑠里
え?あの、ちょっと!
黒崎 樹
これ、返してほしい?
香苗 瑠里
もちろんです!
黒崎 樹
ふーん。
香苗 瑠里
な、なんですか
黒崎 樹
これ、みんなにバレたらどーなるんだろうな
香苗 瑠里
え!も、もしかして、バラすんですか!
香苗 瑠里
(それは嫌だ!そんなことされたら告白する前に散っちゃうよ!)
黒崎 樹
バラされたくないよな?
香苗 瑠里
当たり前ですよ!
黒崎 樹
なら、今から言う条件をクリアできたら返してやるよ
香苗 瑠里
条件…?
黒崎 樹
3ヶ月間、俺の女になれ
香苗 瑠里
……はぁ?!?!