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アキラの出ていった喫茶店で 私はただ呆然としていた。 何度も何度も幸せな最後を結んでいた夢の中よりもずっと呆気ない最後だった。
ハルナ
最後にしようって決めたんだ。 これで前に進もうって決めたんだ。 アキラは言っていた。僕はもうそこにはいない、と。だから、私も……
ハルナ
たった一度の間違い。 私の一生の後悔。 自分の好きを信じられなかったこと。 アキラとの未来を疑ってしまったこと。 信頼を惰性と勘違いしたこと。 そして、アキラの前で泣いて終わってしまったこと。
ハルナ
机が汚れるのなど目もくれず私は くしゃくしゃになるまで泣いた。 もう会えない、会わないのだと決めたんだ。
これから先にアキラとの未来は無い。
その事実だけでもう、涙が溢れて止まらない
ハルナ
自分の好きをもっと信じていれば。 たった一度の間違いも許してくれない神様を 今日ばかりは思い切り呪った。 それが自分のせいだとわかっていても。
ハルナ
アキラ
アキラ
ハルナ
アキラ
ハルナ
ハルナ
ハルナ
アキラ
ハルナ
ハルナ
ハルナ
アキラ
ハルナ
ハルナ
アキラ
ハルナ
ハルナ
アキラ
ハルナ
アキラ
ハルナ
ハルナ
とうに日は暮れていた。 どれくらい泣いていただろう。 ウェイターも気を遣ってかこちらに声をかけに来ない。 ひとしきり泣いて落ち着いたのか、泣き疲れたのか。瞳から涙が枯れていた。
その時、ドン!!!と大きな音が鳴り響く
ハルナ
音の方向を見上げるとガラス張りの外 空を全面に大きな花火が上がっていた
アキラと見ることが出来なかった花火
アキラが誰かと見ている花火
ハルナ
一人きりで見上げる花火に 心臓が焼かれそうになる。
私は今日という日を忘れないだろう この夏の日を、この花火を。