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テラーノベル(Teller Novel)

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at

ぷり

at

まぜ

at

ちゃんと話をしよう

at

俺は怒ってる

at

2人ともにだ

mz

俺悪くないだろ

pr

……

at

……まぜ

at

思い出してくれないか

at

あっきぃとちぐが

at

生まれる前のこと

mz

…もう6年も前じゃん

mz

覚えてる訳…………

kt

まぜち…………

kt

僕は覚えてるよ……

部屋に入ってきたけちゃが言う

よくみなかったけど

目には涙が浮かんでいたと思う

kt

まぜちが

kt

みんなの分のご飯をよく持ってきてくれたこと

kt

…………死んでもいいって

kt

言ってたことも

kt

僕は……知ってたよ

kt

笑ってるお母さんも

pr

……っ

沈黙が流れる

どのくらい経っただろうか

長いようで

短いような

やがて

変化が訪れる

mz

……………っっ

まぜの膝には

大粒の涙が

落ちては消えていった

at

思い出した……………?

mz

…うん

pr

俺は…………

pr

まぜ兄ちゃんにも死んで欲しくなかった

pr

…心配してたよ

at

2人とも…

at

約束してくれないか

at

ぷりは

at

昼夜問わず、外に出る時は誰かに言うこと

at

…わかった?

pr

……わかった

at

まぜは

at

……もう

at

死んでもいいなんて言わないこと

at

ちゃんと生きて

at

幸せになること

at

この家のルールなんだ

まぜが静かに頷く

at

けちゃも

at

ありがとう

at

思い出させてごめん

kt

ううん

kt

仲直りできてよかった

mz

俺……

mz

外行ってくる

……ガチャン

扉の音さえも

寂しく聞こえてしまう

kt

まぜち……

kt

大丈夫かな

at

ちゃんと

at

考える時間をあげよう

kt

……うん

pr

……兄ちゃん

扉から目を離し

"弟"の方を見る

pr

ありがとう

pr

…………だいすき

けちゃがぷりにダイブする

pr

…………っちょ、

俺も混じって

ぷりを撫で回した

俺たちの弟は

照れたように

幸せそうに

笑った

at

ぷり

at

りいぬくんにもお礼言うんだよ

pr

……?わかった

なんで

なんで忘れてたんだ

あんなに辛かった日々を

あんなに頑張った日々も

また傷つけた

mz

なんで…………っ

おなかすいた

おなかすいた

ちがう

俺だけじゃない

だから

来たんだろ

色んな匂いが混ざって頭が痛い

mz

………………!

パンの匂い

美味しそうな

焼きたての……!

ちょうどいいタイミングで店員であろう人が出てくる

その人はパン屋の前に止まったトラックから荷物を運んでいる

中に人の気配はない

今がチャンスだ

そぉっと入って

パンを6つ手に取る

店を飛び出す

走った

走っているつもりだった

やっとの思いで家にたどり着く

kt

あ!まぜちおかえりー

mz

ただいま

pr

…めっちゃいいにおい

mz

パン、もってきた

pr

まぜ兄ちゃんどれ食べていい?

mz

好きなだけ食べな

pr

ほんと?

ぷりが口角を上げる

あんなに辛かった帰り道も

もうどうでもよくなった

kt

まぜちは食べないの?

mz

俺は……

mz

みんながおなかいっぱいになって、

mz

余ってたら食べるよ

kt

6個もあるし1個くらいたべなよ

mz

あと兄が2個食べるかもしれないし

kt

………………そっか、

結局

帰ってきたあと兄は

目に涙を浮かべて

「ごめんバレた」って

大丈夫だよ、ありがとう、

って

みんなで励ましたな

あと兄が母さんに連れてかれて

俺ら4人

大丈夫かな

大丈夫だよ

何回も言った

……がちゃ

mz

……!!

pr

あとにい……?

帰ってきたあと兄は

青い顔で

少し怖くて

なんだか

いつもの優しい兄ちゃんじゃないような気がした

手には

血の塊のようなものをもっている

mz

……なに

mz

それ

兄ちゃんが握っている

"ソレ"

母さんのお腹にいた

赤ちゃんだと言った

正直信じられなかった

at

……ちぐさって

at

言うんだ

みんなで

"ちぐ"って呼んだ

みんなで

守ろうねって

今思うと

なにも知らない俺たちが

あそこまで育てられたのは

本当に奇跡だと思う

歩いた

ひたすら歩いた

mz

…………ん……?

この場所

来たことがあるような

8月の暑い日だった

海から来る風で

少し涼しく感じた

kt

あ…………!

kt

流れ星…!

at

消えちゃったね

kt

間に合わなかった……

俺には

兄ちゃんたちの言っている意味が分からなかった

隣で

あっきぃが寝息を立てている

あっきぃを背負った兄ちゃんが言う

at

さ、そろそろもどろ

at

母さん帰ってきちゃう

kt

…………ぼく

kt

ずっとここにいたいなぁ

pr

あっきぃがおっきくなったら

pr

またこよ

mz

母さんのお腹の赤ちゃんにも見せてあげような

at

もちろん

kt

…………ばいばい星さん

kt

次来た時も流れ星みせてね

けちゃ兄は小指を空に伸ばしている

"約束"とでもいうかのように

ここは

みんなで草に寝っ転がった

あの高台

海のいい香りがする

俺らの思い出の場所

ふと足元に視線をやる

そこには

空のオレンジジュースのペットボトル

なんだか気になって

手に取ってみる

mz

誰だよこんなとこに捨てたやつ…………

そう呟くと

後ろから笑い声が聞こえた

聞きなれない声

誰だと思って振り返ってみる

mz

……めると……?

ml

……それ

ml

ぷりっつの頭に当たったやつw

mz

呼び捨て……

なんだコイツ

ml

ねぇまぜ太

ml

のどかわいた

mz

俺も呼び捨てかよ……

mz

俺は小銭持ってないから

mz

買えないからな

ml

はぁーーー?

ml

つまんな

mz

最悪だなお前

近くにコーラの缶が落ちているのを見つける

おそらくぷりのだろう

mz

買うとしたら

mz

何飲むんだよ

ml

オレンジジュース

ml

かな

mz

同じの飲むの?

mz

そんなうまいかあれ?

ml

みかさにも飲んでほしくて

mz

…………

おばあちゃん

ねぇ

おばあちゃん

あんた

mz

…………?

なんだ

話しかけられた?

色んな声が混ざって頭が痛い

おばあちゃん

あんたよ

おばあちゃん

あんた!

振り返ってみる

おばあちゃん

あんた大丈夫?

おばあちゃん

そんな汚い服きて

おばあちゃん

お母さんは?

何コイツ

俺の頭はおなかすいたでいっぱい

mz

なんか……

mz

たべもの………………

おばあちゃん

ごめんね

おばあちゃん

今ばあちゃんドーナツしかもってないわ

ドーナツを受け取る

考える暇もなく口に入れた

おばあちゃん

ばあちゃんにできるのはこれくらいかね

おばあちゃん

頑張るんだよ

そうしておばあちゃんは去っていった

お礼を言う暇もなく

mz

……あぁ

mz

ぷりにあげればよかったな

ほんの少し後悔したけど

なんとなく満足してしまって

そのまま家に帰った

また別の日

あのおばあちゃんを見つけた

mz

あの…………!

おばあちゃん

おや?

おばあちゃん

あんたまた来たのかい

mz

ドーナツ

mz

ドーナツくれませんか

mz

弟にも食べさせてあげたくて

おばあちゃん

そうかい

おばあちゃん

あげるよ

mz

………………!

おばあちゃん

ばあちゃんこの道歩く時は

おばあちゃん

ドーナツ持つようにするね

おばあちゃん

またおいで

そのあと

何回かドーナツもらったっけ

あのおばあちゃん元気かな

あの時の俺と

同じような感じがした

mz

……しょうがねぇな

あの時覚えた

自販機のバグなら

ml

あの丸いのはいらないの?

mz

丸いの……?

ml

ほら、ちゃりんちゃりんって

mz

小銭?

mz

……俺はいらないんだよ

ml

……ふーん

ガタンッ

mz

……ほらよ

ml

………………あ!

ml

ありがとう!

mz

……………………?

コイツ礼は言えるんだな

空は赤く染まっていた

mz

そろそろ暗くなるから

mz

帰るぞ

ml

うん

ペットボトルをぎゅっと握る姿に

かわいい

思わされてしまったことに

悔しさを覚える

mz

辛かったことは

mz

絶対忘れちゃだめだぞ

mz

……俺みたいに

mz

誰か傷つけるかもしれないから

ml

……?わかった

こんな俺でも

お兄ちゃんになれた気がした

rs

めるちゃん、

rs

俺、怒ってない訳じゃないんだよ

俺はお兄ちゃん

ちゃんと叱らなきゃいけない

あっとくんみたいに

rs

なんであんなことしたの?

めるちゃんはまだたったの4歳

昼間であっても

1人で歩いていい年齢じゃない

ml

みんなにも……

ml

これ、飲んでほしくて

手には

オレンジジュース

まぜ太くんの方に視線をやる

俺の視線に気付くと

バツの悪そうな顔をする

rs

んん…………

怒りづらくなるじゃん……

rs

外に行きたいなら

rs

誰かに言うんだよ

ml

うん

ml

もういい?

コイツ…………

rs

んんっ……

rs

もういいよ……っ

rn

あははっ

rn

ろぜくん怒るの下手くそーw

rs

…………だって

rn

生意気な子には厳しくしなきゃ

そうだよなあ…………

rs

めるちゃん、

rs

俺にも1口ちょーだい

幸せと思えるまで

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