この王子は…。

ベッドに転がり、枕に顔を埋めて暴れるいるま。

必死に叫ぶが、その耳まで真っ赤に染まっているのは隠しようがない。

すちはそんな王子の隣に腰を下ろし、柔らかな声で囁いた。

布団をかぶって顔を隠すいるま。

すちがさらに微笑んで続ける。

頭を抱えて転げ回るいるま。

そこへ、なつが冷静な声でとどめを刺す。

顔から湯気が出そうな勢いで、布団に完全に潜り込むいるま。

すちは穏やかに笑って布団越しに声をかける。

中から聞こえる声は完全にパニック。

なつが静かに肩をすくめる。

すちはにっこりと笑う。

その瞬間。

布団の中で“ぷしゅーっ”と湯気が立つような音がした気がした。

こうして、ツンデレ王子は執事二人の褒め殺しによって、完全にショートしてしまったのだった。