例え君が理想のタイプでも

ほっ…

私は、肩の力が抜けて思わずため息をもらした。

夜の校舎とか、怖すぎるよー(T ^ T)

平静を装ってるけど、多分この緊張隠しきれてない！！

顔はあっついし、隣で李奏歩いてるし！！！

李奏のシャツが擦れる音も、

李奏の足音も、

李奏の瞬きの風も！

感じるたびに鼓動が速くなるーーーーーー！！！

李奏は、細い指で私の顎を軽くつまみ…

クイッとあげた。(李奏は若干しゃがんでる)

これって通称『顎クイ』ってやつじゃない！？

ああああああああああ！！！！

こんなキザな台詞が似合うのって李奏しかいない！！！

無理無理無理

これ以上喋ったら余計なことまで喋っちゃうわ

流石に、恥ずかしすぎる…

つか

なんて返事するのよ！？

「一緒にいてほしいな…？」

とか！？無理に決まってるでしょ！！

ガチャ

李奏は生徒会長だから、学校中の扉を開ける鍵を保持している。

あーーーーっ鼻血出るかと思ったーーー

20分後

私は4番の監視カメラに目を移す。

そこには明らかに

松田由美ちゃんの姿があった。

私は、猛ダッシュで4番カメラがある廊下へと走った。

ぶっちゃけ、めちゃくちゃ焦ってた。

分かってるよ？李奏はみんなの王子様で

私の相手じゃない。

けど今日くらいは

独り占めさせてよ？

李奏は、どこかで見たことのあるようないたずらな笑みを浮かべた。

完全に騙されたーーーーっ！！！！！

自分の顔が、かああああああと熱くなる。

心臓バックンバックンの私は

それを言うので精一杯だった。

あの後、李奏は私を自転車の後ろに乗せて

私を家まで送ってくれた。

松田さんは、実際いなかったらしい。

私と李奏の、2人だけ…////

ぽかっ

李奏の爽やかな笑い声が、頭の上から降ってくる。

李奏ともだいぶ話せるようになってきたところ。

私が顔を机の伏せて

李奏の机の方に頭を動かした

同じようにこちらを向く李奏の顔面がっ！！！

李奏は、私の口を押さえて、人差し指を口の前で立てる。

今日はうまく話せたよね？

テストの結果が張り出される。

私も、李奏に私のことをもっと知ってもらいたい！！

嘘です。本当はちょっとやってほしいです♡

みんなの王子様、李奏佑。

李奏の沢山のお姫様の中で

私が目立てるように

ひなは前進していきます✨