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あの夏が飽和する
彰人
冬弥
相棒はそう言っていた
梅雨時ずぶ濡れのまんま、
部屋の中で泣いて居た
夏が始まったばかりだと言うのに、
相棒は酷く震えていた
そんな話で始まるあの夏の記憶だ
彰人
冬弥
彰人
彰人
彰人
そんな相棒に俺は言った
冬弥
彰人
彰人
冬弥
冬弥
彰人
財布を持ってナイフを持って
携帯ゲームもカバンに詰めて
いらない物は全部壊していこう
あの写真もあの日記も今となっちゃ要らない
人殺しと
彰人
ダメ人間の
冬弥
相棒と俺の旅だ
そして俺らは逃げ出した
この狭い狭い世界から
家族もクラスの奴らも何もかも全部捨てて相棒と2人で
冬弥
冬弥
冬弥
彰人
冬弥
冬弥
結局俺らは愛された事などなかったんだ
そんな嫌な共通点で簡単に信じたって来た
彰人の手を握った時、微かな震えも無くなっていて
誰にも縛られないで2人で路上の上を歩いた
金を盗んで、2人で逃げて
どこにでも行ける気がしたんだ
今更怖いものは俺らにはなかったんだ
額の汗も、落ちたメガネも
彰人
あぶれ物の小さな逃避行の旅だ
いつか夢見た優しくて
誰にも好かれて主人公なら
冬弥
彰人
彰人
彰人
彰人
冬弥
あてもなく彷徨う蝉の群れに
水も無くなり揺れ出す世界に
警察
冬弥
彰人
追い狂う鬼怒号に
バカみたいにはしゃぎあい
警察
ふと相棒はナイフを取った。
彰人
冬弥
彰人
冬弥
彰人
冬弥
彰人
グシャ
そして君は首を切った
まるで映画の何かのワンシーンだ
白昼夢を見ている気がした
冬弥
気ずけば俺も捕まって
相棒がどこにも見つからなくって
彰人だけがどこにも居なくって
そして時は過ぎていった
ただ暑い日が過ぎてった
杏
こはね
家族もクラスの奴らも居るのに
何故か相棒だけはどこにもいない
冬弥
あの夏の日を思い出す
杏
冬弥
俺は今でも歌ってる
彰人をずっと探しているんだ
彰人に言いたい事があるんだ
冬弥
9月の終わりにくしゃしみして
6月の匂いを繰り返す
彰人の笑顔は、
相棒の無邪気さは
頭の中で飽和している
冬弥
冬弥
冬弥
冬弥
冬弥
冬弥
彰人
冬弥
冬弥
