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⚠不快表現注意です。
自分が中2の頃の話です。
海
じぶん
今日は冬休み前の終業式でした。 全校生徒が体育館に集合します。 友達の海が一緒に体育館に移動しようと誘ってくれました。 体育館、理科室、音楽室など移動教室はいつも海と一緒です。
海
じぶん
移動中海の部活の愚痴を聞きながら、自分は壁側を向いて少し咳をしていました。
ゆうな
じぶん
後ろから誰かに背中を叩かれ、変な声を出して後ろを振り向くと、同じ部活のゆうながいました。
ゆうな
じぶん
自分は声が枯れていて鼻声だったのもあり、照れ隠しでマスクの上から両手で口元を押さえました。
ゆうなが言っていた「昨日の」は、部活の練習試合のことでした。 相手の中学校まで自転車で行ったのですが帰りに雨が降っていて、レインコートを忘れた自分は1人だけずぶ濡れで帰りました。
場面転換
じぶん
始業式が開始して10分、自分は早く終わって欲しい気持ちで一杯でした。 その日も雨で寒さもあり、鼻血みたいに鼻水が出てマスクについてしまっていました。
教頭
教頭の声で自分は立ち上がりました。
鼻声でも歌うことは出来るので、伴奏のCDに合わせて声を出しました。 周りの声が思ったよりも小さく、自分は調子に乗って声を出していると、息継ぎのタイミングで咳が出て全部歌うことは出来ませんでした。
着席して表彰披露の待っている間も鼻水は流れてきます。 自分は鼻水を吸ったりゲホゲホ濁った咳をしながら、頬を膝に乗っけるようにして体育座りをしていました。
じぶん
じぶん
じぶん
じぶん
教頭の話を聞き流し、頭の中は「鼻水うっとうしい」ということだけでした。
さらさらの鼻水が喉まで流れて来て口に入ってしまい、唾と混ざって口の中がグチュグチュでした。
塩釜
じぶん
咳き込んでいるのが目立ったせいなのか、家庭科教師の塩釜に声を掛けられ、自分は固まりました。
この前の家庭科テストが悪くて、クラスで塩釜にキレられたばかりなのです。 自分なんて100点中28点でした。
塩釜は年齢が不明です。この前友達とその話をした時、自分は50代と言い、友達2人はそれぞれ40代と60代と言っていました。
塩釜
自分は嘘をついて頷きました。
塩釜
塩釜は「おいで」と言い、一緒に保健室まで来てくれる事になりました。
じぶん
体育館を出たところで、自分の3歩くらい前を歩いていた塩釜を呼び止めました。
じぶん
塩釜
じぶん
立ち止まってこっちまで戻ってきてくれた塩釜に早口で言うと、自分はトイレに向かいました。
電気を付けて個室に入り、一息付くとマスクを外して、口の中に溜まっていた鼻水と唾が混ざった液体を吐き出しました。
無事に(?)吐き出せて安心していると、便器の中にビシャビシャと黄土色っぽい液体が落ちていきました。
じぶん
驚いて便器に溜まっているものを見ていると吐き気を誘われ、「うぇ…」とえずいて少し吐きました。
じぶん
自分はトイレを流して手を洗うと、塩釜のところへ戻りました。
塩釜
首を横に振ると、塩釜は何かを察したのか察していないのか、「ああ、ごめんね。言いたくないよね」と言って歩き始めました。
自分は送ってくれた塩釜にお礼を言って保健室の中に入ると、養護教諭の白井(ハクイ)が声を掛けてくれました。
場面転換
塩釜
じぶん
白井
じぶん
白井
取り敢えず聞き返すと、白井は詰めかけるようにして言ってきました。
じぶん
白井
じぶん
自分でも何を言ってるんだと思いましたが、思わず言ってしまったからにはそういう設定で行くことにしました。
白井
白井に前髪をめくられ、おでこを触られて「無さそうね」と言われました。 成り行きで来てしまっただけなので当然ありません。
じぶん
白井
じぶん
白井
白井からマスク3枚と箱ティッシュを受け取り、自分は鼻をかんでマスクを付け替えました。
自分は口の中の鼻水を吐き出し、ティッシュをもらってマスクをもらえればスキップで体育館に戻れました。 しかし、腹痛とか吐き気とか嘘を付いてしまったせいで戻れませんでした。
白井
じぶん
白井
じぶん
白井の反応に慌てて言い直しました。 式の間喉に流れてきた鼻水を何度か飲んでしまって気持ち悪くなったとは言えなかったし、なんとなく恥ずかしくなって言うのを辞めました。
白井
じぶん
「横にならなくて良い?」と白井に聞かれましたが、全然大丈夫だったので断りました。
自分は保健室の椅子に座って30分くらいぼーっとしていました。 鼻を啜る回数も咳をする回数も減ってありがたかったです。
終業式が終わり、みんなが帰りの支度をしている時に教室に戻りました。
ゆうな
じぶん
ゆうな
じぶん
ゆうな
たまたま目が合ったゆうなが真っ先に声を掛けに来てくれました。 自分と同じ部活の人はゆうなと2人だけだったので、2人で喜んでいました。
場面転換
海
母
下校中と帰宅後、海と自分の母親に同じような質問をされて、自分は2人に同じようなことを言いました。
じぶん
自分は「お腹痛いから起こさないでね。今から寝るね」と母に言い、自分の部屋のベッドに制服のまま飛び込みました。
「お腹痛い」とか「気持ち悪い」は完全に仮病で、体育館にいる時も全く辛くありませんでした。
本当はダラダラ流れてくる鼻水に困っていただけだったのに、とその日は罪悪感でシクシク泣きました。