テラーノベルの小説コンテスト第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

一覧ページ

人に優しくしたら、自分が壊れた。

第5話 - 第５話

2021年03月17日

#ミステリー

#いじめ

#学園

#ホラー

#青春恋愛

#ドラマ

クリオネ

山中真世

ええっ？！

山中真世

う、上原くんと…しちゃったの？！

平澤由佳里

しーっ！！

平澤由佳里

実はね、昨日の帰りに忘れ物を届けに行ったんだけど

平澤由佳里

話してるうちに、好きだって告白されちゃって…

平澤由佳里

私もいきなりこんなのダメだって言ったんだけど

平澤由佳里

上原くんだって、男の子でしょ？////

平澤由佳里

だから…私も、上原くんなら…って…

山中真世

……マジかっ…！

山中真世

じゃあ、付き合うことになったんだね？

平澤由佳里

えっ…

山中真世

……違うの？

平澤由佳里

………

平澤由佳里

そういえば、『付き合おう』とは言われてないかも…

山中真世

えぇ…？

平澤由佳里

で、でも何度も好きだって言ってくれたよ？

平澤由佳里

それって、そーゆう意味じゃないのかな…？

山中真世

……それって信じていいの？

山中真世

確かに上原くんって明るくて面白い子だけど…

山中真世

私、違うクラスの子から噂で聞いたことがあるんだよね

平澤由佳里

噂…？

山中真世

うん

山中真世

上原くんが他校の女子とよく合コンしてるとか…

山中真世

エッチしたりしても、その後すぐ音信不通になっちゃった子が多いとか…

山中真世

ただの噂だし、上原くんのことが好きな由佳里には言えなかったんだけど

平澤由佳里

そんなの、嘘だよ！

平澤由佳里

だって上原くんも初めてだって言ってたし…！

山中真世

由佳里…

平澤由佳里

私は上原くんのこと、信じるよ

平澤由佳里

それに、たとえ上原くんがもしそんな人だったとしても

平澤由佳里

さすがに同じ学校でしかも同じクラスの私に滅多なことはできないじゃない？

平澤由佳里

だから大丈夫だよ、真世

山中真世

…そうだといいんだけど

姫川麗蘭

おはよう由佳里ちゃん、山中さん

平澤由佳里

あ、おはよう姫川さん

姫川麗蘭

…なんの話してたの？

平澤由佳里

…えっ？

平澤由佳里

あ…、なんでもない、どうでもいい話だよ（笑）

姫川麗蘭

そう…

平澤由佳里

(ごめん、さすがにこんなこと親友の真世だけにしか話せない…)

平澤由佳里

あれ？真世、朝からメイク直しなんてしてるの？

山中真世

うん、だって1時間目の授業、英語だもん♪

平澤由佳里

…ああ、そゆことね（笑）

姫川麗蘭

………

姫川麗蘭

…山中さん

山中真世

姫川さん？

山中真世

どうしたの？

山中真世

由佳里なら、まだ体育館で片付けしてるけど？

姫川麗蘭

あ、あの…ちょっといいかな？

山中真世

…うん

姫川麗蘭

あのね、こんなことすごく言いにくいんだけど…

山中真世

…何？

姫川麗蘭

実はね、私、由佳里ちゃんから相談受けてるの

山中真世

相談って、どんな？

姫川麗蘭

恋の相談なんだけどね

山中真世

あぁ…

山中真世

(由佳里ってば、上原くんとのこと姫川さんにまで話しちゃったんだ)

姫川麗蘭

由佳里ちゃん、菱木先生と付き合ってるんだって…

山中真世

……は？

山中真世

由佳里が…菱木先生と？

姫川麗蘭

うん

姫川麗蘭

山中さんには絶対に内緒にしてって言われたんだけど…

山中真世

………

姫川麗蘭

菱木先生って独身だけど、さすがに先生と生徒でしょ？

姫川麗蘭

だから、やめといた方がいいよって言ってるんだけどね…

姫川麗蘭

由佳里ちゃん、諦めきれないみたいで

姫川麗蘭

私も、どうアドバイスしてあげればいいのかわからないんだ

山中真世

由佳里が姫川さんに、そう言ったの？

姫川麗蘭

ごめんね、気を悪くさせちゃったみたいで…

姫川麗蘭

でも私、こんなこと相談できるの山中さんしかいなくて…

山中真世

そんなの、ありえないよ

姫川麗蘭

…え？

山中真世

だって、由佳里には他に好きな人がいるもん

山中真世

菱木先生と付き合うなんて、ありえない

山中真世

どうしてそんな嘘つくの？

姫川麗蘭

………

山中真世

姫川さん、私と由佳里の仲を壊そうとしてない？

山中真世

由佳里のこと独り占めしたくて…

姫川麗蘭

そ、そんなことしないよ…！

姫川麗蘭

だって、私は山中さんの味方だからっ…！

山中真世

…どうゆう意味？

姫川麗蘭

私も最初は由佳里ちゃんに助けてもらって感謝してたし

姫川麗蘭

由佳里ちゃんと友達になれて嬉しかったよ？

姫川麗蘭

でも…

姫川麗蘭

クラスの女子から、こんな写真送られてきたから…！

山中真世

…写真？

姫川麗蘭

うん、これ…

姫川が差し出したスマホの画面には、ラブホテルに入る所の菱木と由佳里の姿がハッキリ写っていた

山中真世

な、なにこれ…？！

山中真世

菱木先生と、由佳里…？！

姫川麗蘭

山中さんって…菱木先生のこと、好きだよね？

山中真世

な、なんで…？

姫川麗蘭

そんなの、よく見てたらわかるよ

姫川麗蘭

そのこと、由佳里ちゃんなら知ってるはずなのに…

姫川麗蘭

どうして親友の山中さんに隠れてこんなことするんだろうね…

姫川麗蘭

だから私、由佳里ちゃんのことがわからなくなっちゃって…！

山中真世

……っ

山中真世

この写真、誰から送られてきたの？

姫川麗蘭

それはわからない…

姫川麗蘭

知らないアドレスからだったから、誰？って送り返しても返信がなくて…

山中真世

う、嘘でしょ…

山中真世

こんなのって…！

山中真世

だって由佳里、今朝は上原くんと…って言ってたのに！

山中真世

こんなの、何かの間違いに決まってる！！

姫川麗蘭

真世ちゃん…

姫川は、ニタリと笑って真世の肩に手を置いた

姫川麗蘭

…泣かないで

平澤由佳里

あれ？

平澤由佳里

真世…先に教室戻ったのかな？

平澤由佳里

いつもなら体育の後は待っててくれてるのに…

上原勇也

よっ、平澤

平澤由佳里

あっ…上原くん…！

上原勇也

ごめん、2人きりになりたくて…後つけてきちゃった（笑）

上原勇也

俺ってストーカーみたいだな（笑）

平澤由佳里

あはは、何してるの（笑）

上原勇也

……いや、なんかちょっと気になっちゃったってゆうか…

上原勇也

…心配だったから

平澤由佳里

心配って…どうして？

上原勇也

い、いや…

上原勇也

何でもないんだ

上原勇也

俺…どうしちゃったんだろな

平澤由佳里

上原くん…？

上原勇也

自分でも止められないんだ

上原勇也

俺…

上原勇也

やっぱり、こんなの受け入れられない

平澤由佳里

……受け入れられないって、何を？

上原勇也

あ、あのさ…平澤

…と、そこへ誰かが足を踏み入れた

宮坂樹里

何してるの？

平澤由佳里

…はっ！

平澤由佳里

み、宮坂さん…？！

上原勇也

………

宮坂樹里

こんな所で、そんなに至近距離で話してるなんて…

宮坂樹里

…あんたたちって、そーいう関係だったんだ？

上原勇也

お前には関係ないことだろ

上原勇也

俺のスクールライフの邪魔すんじゃねぇよ

宮坂樹里

……っ

平澤由佳里

(宮坂さん…？)

宮坂樹里

でも、こんなことしてる場合なのかなぁ？

上原勇也

え？

宮坂樹里

勇也くん、さっき先生が探してたよ？

上原勇也

…なんで？

宮坂樹里

なんか、試験のカンニングがどうとかで…（笑）

上原勇也

！！

平澤由佳里

カンニング…？

宮坂樹里

急いだ方がいいんじゃない？（笑）

上原勇也

わ、わかったよ…

上原勇也

なぁ、宮坂！

宮坂樹里

…何？

上原勇也

……早く教室、戻ってこいよな！

宮坂樹里

………

渋々、勇也が校舎の中に入っていき、由佳里は樹里と対峙した

宮坂樹里

…へぇー

平澤由佳里

な、なに？

宮坂樹里

あんた、大人しそうな顔してけっこうやるんだね

平澤由佳里

………

宮坂樹里

勇也くんのこと、好きなんだ？

平澤由佳里

だったら…何？！

宮坂樹里

…ぷっ

宮坂樹里

くっくっく…（笑）

平澤由佳里

…何がおもしろいの？

宮坂樹里

…何にも知らないんだなーと思って（笑）

平澤由佳里

どういうこと？

宮坂樹里

今日の放課後…

宮坂樹里

一人で、体育倉庫まで来なよ

平澤由佳里

どうして…

宮坂樹里

いいもの見せてあげる

樹里はニヤリと笑ってそう告げた

平澤由佳里

…真世っ！

山中真世

由佳里っ…

平澤由佳里

真世！

平澤由佳里

どうしたの？

平澤由佳里

体育の後ぐらいから急に私のこと避けてるよね…？

平澤由佳里

どうしてなの？

山中真世

……っ

平澤由佳里

ねぇ、真世っ…！

山中真世

由佳里は…上原くんのことが好きなんだよね？

平澤由佳里

え？

平澤由佳里

うん…

平澤由佳里

そんなの、真世が一番よく知ってるでしょ？

平澤由佳里

それが、どうかしたの？

山中真世

………

平澤由佳里

何かあったの？

平澤由佳里

ちゃんと話してくれなきゃ、わからないよ…

山中真世

……そうだよね

平澤由佳里

え？

山中真世

由佳里のことは、私が一番よく理解してる

山中真世

私は、由佳里の親友だもん

平澤由佳里

真世…？

山中真世

ごめんね、由佳里…

山中真世

私、どうかしてた

平澤由佳里

………

山中真世

ねぇ、一緒に帰ろう？

平澤由佳里

あっ…

平澤由佳里

ごめん、私実は放課後ちょっと用事があるんだ

山中真世

そうなの？

平澤由佳里

うん

平澤由佳里

とにかく、真世と元通りになれてよかった

平澤由佳里

何があったのかはわからないけど、話せるようになったらちゃんと話してね？

平澤由佳里

待ってるから…

山中真世

…わかった

山中真世

ありがと、由佳里

平澤由佳里

じゃ、また明日ね

姫川麗蘭

………

下駄箱の裏側で、姫川はその会話を聞いていたのだった

人に優しくしたら、自分が壊れた。

作品ページ

次の話を読む

この作品はいかがでしたか？

0件

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう！

クリオネ

プロフィール

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい！がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

人に優しくしたら、自分が壊れた。

第5話 - 第５話

関連するタグ