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俺の名前久我虎鉄。年上の恋人に手を焼いている、京極組の新規気鋭の極道だ。

久我虎鉄

小峠さん、何時になったら、下の名前で、俺のこと呼んでくれるんすか?

小峠華太

そんなの、別に何時でもいいだろ

小峠は、つーんとした態度で、そっぽを向いてしまう。

こうみえて、交際期間は1ヶ月とかではなく、一年だ。一年もたつのに、この態度なのである。

久我虎鉄

名前くらい呼んでくれてもいいでしょ?可愛い恋人の頼みくらい聞いて下さいよ

小峠華太

お前、自分が可愛いと思っているのか?頭、大丈夫か?病院行った方がいいぞ

これは世にいうツンデレなんでは?と、思ってた時期が、俺にもありましたよ。常時が万事、この態度な訳で、どう考えてもツンが10割を占めている。ツンデレ通り越して、ツンドラである。

久我虎鉄

・・・もういいです。あんたに頼んだ俺が馬鹿でした

小峠華太

そうか、早めに気づけて良かったな

小峠から、たまには優しくしてやろうとか、そういう気遣いを受けた記憶は微塵もない。まあ、やってることはやってるけど。

突然、俺のスマホが振動し、着信を知らせる。ディスプレイに表示されている名前を確認すると、高砂の兄貴からだった。

久我虎鉄

すみません、ちょっと電話出ます

小峠に断りを入れて、電話に出る。

高砂明夫

通話終了

通話
20:07:00

久我虎鉄

もしもし、高砂の兄貴なんかあったんですか?

高砂明夫

虎鉄ちゃん、良かった。明日、早目にこれる?佐古ちゃんが、新型ウイルスに掛かってたみたいなのよ。佐古ちゃんから、冬史郎ちゃんにも移ったみたいで、今、熱出してるのよ

久我虎鉄

分かりました。俺が早番しますよ

高砂明夫

悪いけど、お願いね

そう言って、電話が切れた。 あれ程、合コンは程々にしとけと言った筈だが、どうやらヤキ入れが足りなかったようだ。治ったら、承知しねぇと心に決める。

久我虎鉄

すみません、明日、早番になったんで、もう帰りますね

久我の言葉を聞いて、ここにきて、小峠がまさかの行動に出る。

小峠華太

え?もう帰るのか?

帰り支度を整える、久我の服の裾を摘まみ、くいくいと引っ張る。

小峠華太

泊まっていけばいいだろ

久我虎鉄

うぐっ、こんな可愛いことしても駄目です。ここからだと事務所まで、遠いから無理です

小峠華太

・・・残念だな。今日は一緒にお風呂に入るつもりだったのだが、無理なら仕方ないな

久我虎鉄

へ?今なんと?

小峠華太

一緒にお風呂

久我虎鉄

泊まらせて頂きます

小峠華太

いいのか?明日、早いのだろ?ここから遠いぞ?

久我虎鉄

若いんで、気合いで何とかしてみせます

小峠華太

そうか

普段見せない、とてつもない程に可愛い表情を浮かべ、小峠が久我の手を取る。

小峠華太

ほら、着いてこい

期待に胸を膨らませ、小峠に促されるまま、久我は小峠の後をついていく。

そして、連れてこられた先はなんと・・・・

お風呂場だった。

小峠華太

お風呂入るんだろ?

はい、これ、と言って、風呂掃除の道具と洗剤を手に握らされた。

小峠華太

風呂掃除頼んだぞ

だ、騙されたーー!!

こうして、久我は体よく、小峠に風呂掃除を押し付けられてしまった。

泊まると言った手前、前言撤回するのは、男らしくないので、仕方なく、風呂掃除をする羽目に。

久我虎鉄

なんで、俺がこんな目に・・・

小峠華太

あ、そうそう、いい忘れてたけど、隅々まで綺麗に洗えよ?

久我虎鉄

そんなの言われなくても分かってますよ!

小峠華太

そう、ふてくされるなよ。あと、これ、なんだと思う?

文句を言いながらもバスタブを洗う久我に、小峠が入浴剤の袋を見せてきた。

久我虎鉄

ただの入浴剤で・・・

入浴剤には、泡風呂と表記されていたが、その隣には、とても魅力的な一文が添えらてあった。

湯質を変化させ、ローション風呂が楽しめます、と。

小峠華太

風呂掃除頑張ったら、これ入れて、入ってやってもいいぞ

小峠華太

入りたかったら、ちゃんと掃除しろよ?こ・て・つ♥️

久我虎鉄

頑張らせて頂きます!!

甘えるのが、年下の武器なら、年上の武器は、ズルさである。

どうやら、年上の恋人の方が、俺よりも何枚も上手のようだ。

おわり

あとがき のじくが書いてたら、思い付いた、くがかぶ。華太ちゃんは、ツンデレではなく、飴と鞭の使い分けが上手いってだけ。ただ割合が鞭9割、飴1割の比率なだけ。

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